読書。
『くちぶえ番長』 重松清
を読んだ。
これは雑誌『小学四年生』に連載されていたもので、
加筆修正してまとめなおした作品らしいです。
語り手である作家・ツヨシが自分が小学4年生だったころの
同級生・「くちぶえ番長」のことを思い出して書いた
ということになっているのが今作。
小学生が、自分と同じ目線の主人公と、
その目線で展開される世界に本当になじんで読めるものかはわかりません。
「こんなに子供っぽい考え方はしない」
っていう子もいるだろうし、
「僕よりも大人びているな」
と感じる子もいるかもしれない。
僕の感想ですと、子どもといえど、もう少しずるい考え方をしているさまを
描いたほうがリアリティがあると思ったのですが、
そこまでリアリティを求めてしまったことによって
失われるものを考えたら、それはそれで、
この作風で良かったのかなぁという気がします。
僕もそうでしたが、男勝りで活発で明るい女子には
惹かれる人は多いんじゃないでしょうか。
そんな男子と女子の初恋の物語でもあります。
そして、随所に、じわっと涙が浮かんでくるような
掛け値なしの友情とか思いやりとか勇気とか愛だとかが
配置されています。
そういうのが、読んでいて、作為的だなって感じないのが
重松さんのすごいところ、
あるいは僕の鈍いところなのかなって思います。
大人が読んでも十分面白いですが、
本来は小学4年生のための本ですから、
難しい言葉もでてきませんし、
難しい抽象的思考をしなければいけないところもありません。
でも!
またいいますが、重松さんのすごいところは、
簡単な言葉でちゃんと深いことを表現してしまうところです。
今まで読んだ中で覚えているところですと、
中学生を主人公にした『エイジ』とか
成長に合わせて様々な年代の子どもを描いた『きみのともだち』
だとかが素晴らしかったです。
特に後者は大のお気に入りの作品で、
そのうち読みなおそうと思っています。
そういう表現力が、今作にも感じられます。
そして型にはまらない言葉づかいは僕も見習いたい姿勢。
読後感はすっきり切ない。
主人公や4年一組のみんなと一緒に読者も、
「くちぶえ番長」に親しみや思い出さえも持つことになる。
大事な仲間が本の中にいる。そんな気持ちになります。
さらっと、何か簡単なんだけど、内容もある小説を読みたいなぁ
という人にうってつけです。
『くちぶえ番長』 重松清
を読んだ。
これは雑誌『小学四年生』に連載されていたもので、
加筆修正してまとめなおした作品らしいです。
語り手である作家・ツヨシが自分が小学4年生だったころの
同級生・「くちぶえ番長」のことを思い出して書いた
ということになっているのが今作。
小学生が、自分と同じ目線の主人公と、
その目線で展開される世界に本当になじんで読めるものかはわかりません。
「こんなに子供っぽい考え方はしない」
っていう子もいるだろうし、
「僕よりも大人びているな」
と感じる子もいるかもしれない。
僕の感想ですと、子どもといえど、もう少しずるい考え方をしているさまを
描いたほうがリアリティがあると思ったのですが、
そこまでリアリティを求めてしまったことによって
失われるものを考えたら、それはそれで、
この作風で良かったのかなぁという気がします。
僕もそうでしたが、男勝りで活発で明るい女子には
惹かれる人は多いんじゃないでしょうか。
そんな男子と女子の初恋の物語でもあります。
そして、随所に、じわっと涙が浮かんでくるような
掛け値なしの友情とか思いやりとか勇気とか愛だとかが
配置されています。
そういうのが、読んでいて、作為的だなって感じないのが
重松さんのすごいところ、
あるいは僕の鈍いところなのかなって思います。
大人が読んでも十分面白いですが、
本来は小学4年生のための本ですから、
難しい言葉もでてきませんし、
難しい抽象的思考をしなければいけないところもありません。
でも!
またいいますが、重松さんのすごいところは、
簡単な言葉でちゃんと深いことを表現してしまうところです。
今まで読んだ中で覚えているところですと、
中学生を主人公にした『エイジ』とか
成長に合わせて様々な年代の子どもを描いた『きみのともだち』
だとかが素晴らしかったです。
特に後者は大のお気に入りの作品で、
そのうち読みなおそうと思っています。
そういう表現力が、今作にも感じられます。
そして型にはまらない言葉づかいは僕も見習いたい姿勢。
読後感はすっきり切ない。
主人公や4年一組のみんなと一緒に読者も、
「くちぶえ番長」に親しみや思い出さえも持つことになる。
大事な仲間が本の中にいる。そんな気持ちになります。
さらっと、何か簡単なんだけど、内容もある小説を読みたいなぁ
という人にうってつけです。