夜の学習教室で、分数の計算をしている生徒が、通分で困っていた。
分母が12と14の場合の通分だった。12と14の最小公倍数を求めることが要求される。
12と14の最小公倍数は84なのだが、これを見つけるのには
「12×14を2で割れば良い」と教えたのだが、首を傾げていた。
最小公倍数を簡単に求めるには縦型の計算、
たとえば
24と36であれば
こんなふうに24と36の公約数でつぎつぎに割って行けば良い。
このやりかたを知っていれば
2)12 14
6 7
からただちに 2×6×7=84 と求めることができる。
このやりかたを知らないので
「12と14をかけて2で割ればいいんだよ」と教えたのだった。
とっさに思ったのは昔教えた方法。
12×14=168 でこれは12と14の公倍数
84=12×14 で12の14倍
84=14×12 で14の12倍
公倍数であるからこれを通分の分母にすれば良いのだが、もっと小さい数はないかと考える。
12×14 と 14×12 をそれぞれ2で割ってみる。
すなわち、かける数(右の数)14と12をそれぞれ2で割ると
12×7 と 14×6 が得られるが、どちらも同じ84で、
12の7倍、14の6倍とわかる。
かける数7と6には公約数は1しかないので、2以上の公約数で割ることはできない。
もっと小さい公倍数はみつからないので、最小公倍数は84となる。
ここでもし、かけられる数(左の数)12と14を公約数の2で割ってしまうと
6×7 7×6 で共に42になるが、これは14の倍数ではあるが、
もはや12の倍数ではない。
すなわち、右の数を公約数で割り続ければよい。
これで何とか納得してくれた。2で1回割るだけなので、一般的ではない。
そこで24と36の場合で再び説明した。
つづく