2つの体に包含関係があると、大きい方の体は小さい方の
体を係数に持つベクトル空間になるという。
このことが当時の私には理解出来なかった。教員になってから度々
この本を読んでも、日本語で訳された本を読んでも、理解出来なかった。
それが、2年前に出会った本によって、すっかり理解出来た。
Artin のガロア理論は抽象的で、体と言っても、複素数の部分集合に限定
されず一般の抽象的な数学対象の体であっても成り立つように理論を
展開しているので、却って初学者には分かりにくい。
その点、この本は対象とする体を複素数の部分集合に限定して述べているので、
具体例も豊富で分かりやすい。
この本を写本状態で読み進めた。
ところが12月末になり、多項式のユークリッドの互除法のところでつまずいた上に、
風邪を引いて中断してしまった。
それから2年がたった。
つづく