アルティンの本を自主ゼミでは第2章から読み始めた。
「体論」からである。第1章は線形数学の理論なので、講義で分かっている
こととして、省略された。
2年生で「群論」と「環」の知識を学んだのだが、「体」は初めてだった。
体とは、加減乗除が出来る数の全体だと考えればよい。
有理数全体や実数全体や複素数全体は体である。
実は、有理数全体と実数全体との間には多くの体が存在するのだが、
そんなことも知らずに、調べずに、この自主ゼミに参加してしまった。
もっと友人と交流を持って、具体的なことを知ればよかったと思っている。
今なら、良く分かっていることも、当時は暗中模索だった。
とにかく、大した知識のないまま自主ゼミに参加し、おぼろげながらの理解で
なんとかついていったようだ。
そうこうしているうちに、大学に機動隊が導入されて、ロックアウトは
あっけなく解除され、大学に秩序が戻り、授業が再開された。
つづく