ガロア理論の学習会で最初に読んだところは「体論」だった。
体とは四則計算が可能な集合とあった。
実は四則計算が可能な「数」の集合と考えた方が分かりやすいのだが、
私は単に集合と考えてしまった。
一般的に考えるよりは具体的に考えた方が分かりやすいのに、
当時は抽象的に何となく集合を考えていた。
だから、良く分かっていなかった。
写真はそのときのテキストだが、
例えば2つの体に包含関係があるとき、
体Eと体FがあってEがFを含んでいるとする。
このときEはF上のベクトル空間になるのだとか。
F上のベクトル空間とは体Fを係数とするベクトル空間なのだが、
ベクトル空間と言わずに線形空間と言ってくれた方が分かりやすかった。
EがF上のベクトル空間になるとは、
Eの元がF係数の一次結合で表されるということ。
原書がベクトル空間と言っているので、矢線のベクトルが
どうしても頭から離れず、疑問の数々だった。
そんな疑問が最近というか2年前に読んだ本で氷解した。
ベクトル空間という用語ではなく、線形空間と呼んだ方が
一般的だろう。ベクトル空間という用語はどうしても
矢線ベクトルを思い起こし、思考を妨げた。
つづく