椎名誠「海ちゃん、おはよう」読了
久しぶりに読む椎名誠の小説だ。
2000年に書かれたほんのようだが、すこし昭和軽薄体の名残があり懐かしい気がした。菜の花物語や春画のようなやわらかい霧の中に文字が浮かんでいるというような危うさがないのがいい。
自身の体験をもとに始めての子供が生まれるあとさきを書いている。僕も11年前に同じ経験をしているのだが、そのときは「できちゃったのね」という他人事のような気持ちと「えらいことになってしまった」という恐れが入り混じっていたような気がする。
長いこと子供を抱っこしなかったのは壊れるとまずいという気持ちより、この子を抱っこしてしまったらすべての責任が自分に降りかかってしまうという恐れの気持ちのほうが強かったような気がする。
それは今も変わっていないような気もする。
椎名誠はあとがきで自分たちが作り出した新しい命のためにずんずんとまっすぐ力をこめて毎日の生活に進んで行こうという気持ちになったと書いているが、僕にはやはりそんな気持ち持てないような気がする。
子供の成長の姿を見るのはたのしいがそれだけで、そこに責任を負いたくないのである。
ちょっと僕の子供はかわいそうかな?
久しぶりに読む椎名誠の小説だ。
2000年に書かれたほんのようだが、すこし昭和軽薄体の名残があり懐かしい気がした。菜の花物語や春画のようなやわらかい霧の中に文字が浮かんでいるというような危うさがないのがいい。
自身の体験をもとに始めての子供が生まれるあとさきを書いている。僕も11年前に同じ経験をしているのだが、そのときは「できちゃったのね」という他人事のような気持ちと「えらいことになってしまった」という恐れが入り混じっていたような気がする。
長いこと子供を抱っこしなかったのは壊れるとまずいという気持ちより、この子を抱っこしてしまったらすべての責任が自分に降りかかってしまうという恐れの気持ちのほうが強かったような気がする。
それは今も変わっていないような気もする。
椎名誠はあとがきで自分たちが作り出した新しい命のためにずんずんとまっすぐ力をこめて毎日の生活に進んで行こうという気持ちになったと書いているが、僕にはやはりそんな気持ち持てないような気がする。
子供の成長の姿を見るのはたのしいがそれだけで、そこに責任を負いたくないのである。
ちょっと僕の子供はかわいそうかな?