イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「グアムと日本人」読了

2007年12月07日 | Weblog
山口誠「グアムと日本人」読了
 今年の夏にグァム島に行ってきたので前々から気になっていた本である。
 この本を読むまで、横井庄一が住んでいた島であるということをすっかり忘れてしまっていた。
サイパン島は“バンザイクリフ”なんていうところがあって太平洋戦争で大きな戦闘がおこなわれたというのは知っていたが、当然隣の島であるグァム島で戦争がなかった訳がないのだろうが、戦争とあの島がつながらなかった。僕も平和ボケしてしまっていた。
この島は太平洋で唯一日本が占領統治した島ということだ。こんな歴史があるから社会の時間に余計に教えてもらえなかったのかもしれない。島民を大量に虐殺した事実もあったらしい。

 この島へ来る日本人は今では年間100万人近くになるらしい。このうちどのくらいのひとがこの本に書いてある事実を知っているのだろう。僕の母は戦争を体験しているが彼女もこんなことは知らないのではないだろうか。
 タモン湾に建っている多くのホテルがある場所でも大量の日本兵が死んだらしい。
 僕たちはそんな場所で数日を過ごしたのだ。何も知らないで。
著者は「知らないことさえ知らない。」「何を忘れたかを忘れてしまっている。」とう言葉で日本人の無知ぶり、歴史認識のなさを批判しているがこれを読むと恥ずかしくなってくる。
 現地の人たちは僕を「お前は何も知らないのか、お前たちの国はこの島を侵略したのだぞ。」と心の中で叫びながら見ていたのだろうか。
島の南をドライブしたときに大きな教会を見たが、そこに眠る神父さんは日本人に首をはねられて殺されたそうだ。また、新婚旅行のメッカになっていた1960年代後半、まだ横井庄一はグァム島で戦争を戦っていたという事実には打ちのめされる思いがするのである。
あの、きれいな景色を楽しむにしても、この事実を知ったうえで楽しむべきだ。
僕もそうするべきだった。そして、子供にはちゃんとそれを教える義務もあるはずだと思う。

 これを読んでくれた方でグァム島にいった経験のある人は、ぜひとも「大宮島」と言う言葉を調べてほしい。


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