中上健次「軽蔑」読了
年賦を見てみると中上健次が完結した小説として創った最後の長編小説らしい。
トップレスダンサーとやくざになりきれないチンピラの恋の物語だが、僕とはぜんぜんちがう世界の話なので共感は得ることができなかった。
しかし主人公の真知子が赤裸々に生きようとするのだが男のために自分を押し殺してしまうのが健気というか悲しさには感じ入るものがあった。
自分に正直に生きることの難しさをこの物語は僕たちに教えているのかもしれない。
半分はこの男の生まれ故郷が舞台になっているのだが、ここは多分中上健次が生まれた新宮市なのだというのがうっすらとわかる。
この物語にでてくるおしゃれなブティックやホテルがあるのかどうかわからないが、今年の秋に訪れた新宮市にも感じた人の考えの及ばない神秘的な何かがこの物語から感じられた。
そして、もうひとつ、この物語にはたくさんの花が小道具として出てくる。
木槿、紫陽花、栴檀、秋桜、曼珠沙華、雛罌粟、萩、芙蓉。
以前に「鳳仙花」という本を読んだが、この作家の物語の組み立てのひとつに女性の心のうごきを花になぞらえて描くというのがあるようだ。
しかし、男の作家がこのように女性の心を描けるというのがこれまたものすごいと思うのであった。
年賦を見てみると中上健次が完結した小説として創った最後の長編小説らしい。
トップレスダンサーとやくざになりきれないチンピラの恋の物語だが、僕とはぜんぜんちがう世界の話なので共感は得ることができなかった。
しかし主人公の真知子が赤裸々に生きようとするのだが男のために自分を押し殺してしまうのが健気というか悲しさには感じ入るものがあった。
自分に正直に生きることの難しさをこの物語は僕たちに教えているのかもしれない。
半分はこの男の生まれ故郷が舞台になっているのだが、ここは多分中上健次が生まれた新宮市なのだというのがうっすらとわかる。
この物語にでてくるおしゃれなブティックやホテルがあるのかどうかわからないが、今年の秋に訪れた新宮市にも感じた人の考えの及ばない神秘的な何かがこの物語から感じられた。
そして、もうひとつ、この物語にはたくさんの花が小道具として出てくる。
木槿、紫陽花、栴檀、秋桜、曼珠沙華、雛罌粟、萩、芙蓉。
以前に「鳳仙花」という本を読んだが、この作家の物語の組み立てのひとつに女性の心のうごきを花になぞらえて描くというのがあるようだ。
しかし、男の作家がこのように女性の心を描けるというのがこれまたものすごいと思うのであった。