MAYU CLUB ~学校司書まゆみの絵本棚~

子ども達が小さい頃から、絵本の読み聞かせを続けてきた、本について学び続ける学校司書MAYUの絵本リビング育児★

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“MAYU CLUB” ~まゆみの絵本棚~ は絵本の読み聞かせにハマったMAYUが、絵本やインテリア、自分の育児などについて思ったことを綴っています。 高3の息子と中1の娘の母で、現在は学校図書館で司書として働いています。

寝る前に「ほんよんで!!」と大泣きする息子

2013年12月05日 | 絵本・児童書の読み聞かせ
昨日は上の子と下の子を連れて地域の図書館へ自転車で行き、
何冊か本を借りて帰ってきました。

そしてこの日、寝る前に、ちょっとした事件がありました。


もともと私は息子が寝る前の絵本タイムを大事にしていたので
寝る時間がオーバーしても、絵本を読んでいたのですが
宿題をいつまでたってもやらず、寝る時間がどんどん遅くなっていったので
途中から9時を過ぎたら絵本を読まないというルールに変えました。

しかし、1年生だからでしょうか。
早めに宿題を終わらせれば、絵本タイムがたくさんとれるとわかっていても
面倒な宿題や家庭用ドリルはなかなかやりません。

寝る支度など、私が下の子を寝かしつけている間にするよう
いつも声掛けをしているのですが
寝かしつけが終わって息子のところへ戻ると
まだ歯磨きもしないで、好きな本を読んでいたりします。

「ほら、本ばかり読まないでドリルをしなさい!!」

息子の字はあまりに字が汚く、学校の先生からも読めないと指摘をされたので
寝る前につききりで字を丁寧に書く練習をすることにしました。
つききりだと、母親を独占できるので、一人の時より心強いようです。

しかし、甘えもあり、ひっくり返って大泣きをしたり
一文字書いても丁寧に書けないと

「こんなのかけない!!むりだ!!しんじゃう!!」

などと泣き叫び、丁寧に書かせるのにも一苦労・・・
たっぷり時間があっても、泣き叫ぶ時間が長いため
9時を過ぎ、絵本を読む時間が無くなってしまいました。

「今日は絵本はナシだよ」

というと、

「なんで本よんでくれないの?!本よんで!!本よんで!!」

と、ブチキレて大泣きし、何度も泣き叫んでいました・・・

息子の言い分としては、時間までには終わらなかったけれど
頑張ったのだから読んでほしいと言うのです。

「頑張った」という事実は変わらないと思ったので

「じゃあ短い絵本ならいいよ」

と言ったところ

「どいうして長いのはダメなの?!短い本がいいなら今日借りたクリスマスの絵本だっていいでしょ?!」

図書館で私が借りてきた、クリスマスの絵本が気になっていたようです。
どう見ても読むのに10分以上はかかります。

「それは長いでしょう?!」

「なんでこの本はダメなの?!おかしい!!おかし!!」

・・・と、言い合いは続いたのですが

「早く寝る支度をして、寝る前に絵本をたくさん読もうね」

と、私が何度も言っていたにもかかわらず
早く寝る支度を全くしないで本を眺めていたり
遊んだりしていたのだから、そこは息子に問題があると思うんです。

毎回おまけが続いたら、それが習慣になってしまうので

「明日はこの絵本を読もうよ?そのためにも早く宿題とか終わらせよう。ね?」

と言うのですが、翌日になるとまた忘れて
目の前の好きなことだけをやり、嫌なことは後回し
という流れになってしまいます。

私だって息子との絵本タイムを大事にしたいのです。
けれど、お母さんとの約束だって守ってほしい。
自分の好きなことだけ通そうとするのは、どうかと思うんです。

幼稚園の時は勉強のことは何も気にせず、寝る前は
絵本を楽しめていたけれど、
小学生となると宿題が絡んでくるので、そうもいきません。

今日は図書館で借りたあの絵本を読むことができるでしょうか?
「今日こそ読もうね」と言っても
また嫌なことは後回しにして、結局読めずに大泣きすることに
ならないといいのですが。

それか、何度失敗してもいいので
ゆっくりと学んでいってくれたらいいかな・・・

瀬田貞二に魅了されて

2013年12月05日 | 文学関係
私が瀬田貞二(1)を知ったのは、大学院生の頃だったと思います。
図書館の暗い書庫の中で、児童文学らしき雑誌をコピーしていた時に知りました。
具体的に何の論文や記事だったかは覚えていません。

それからしばらくその名前のことは忘れいてたのですが
それから5年後くらいに、息子に絵本を読んでいた時、瀬田貞二という名前を久しぶりに目にしました。

「あれ?この人の名前、何かの論文で見かけたことがある!」

絵本の世界を知ったのは息子が1、2歳の頃でした。
それから、石井桃子、松岡享子、松居直など、いろいろな方の名前を知るようになったのですが
唯一私が知っていた名前は、瀬田貞二だけでした。

ちなみに瀬田貞二と言えば、『三びきのやぎのがらがらどん』とか、『おやすみなさいおつきさま』を訳した人として有名です。
しかし「なにその絵本?」というのが、数年前の私のリアクションでした。
そう、こうした定番絵本すら、もともと私は知らなかったんです。

そんな瀬田貞二に惹かれるようになったのは
彼は国文学研究よりな人だったからです。

研究者であっても、瀬田貞二は現場の子供と瀬田貞二のやっていることはさほどズレ(温度差)がないところも魅力です。

ご自身の持っている知識を生かし、絵本等の翻訳も手がけ
日本の児童文学界に大きく貢献しているところに好感を持ちます。

先日やっと瀬田貞二の児童図書館講座の講演記録である『幼い子の文学』(2)を購入し
読んでみたところ、児童書を手渡す図書館員の方々に、自分の持っている知識を伝え
図書館員の質を上げ、子ども達の図書環境をよりよくしようとしていた姿勢が講演録から読み取ることができました。

研究しただけで終わらず、研究内容を実践で活かすことを大切にしてこられた方。
まさに「知識は使って活かす」を彼は実践しています。

と、ここまで瀬田貞二はすごい!ということを書いてきましたが
私が絵本関係の勉強をし始めたころは
瀬田貞二が訳した絵本を読んでも、いまいちピンときませんでした。

それが、子ども達にも絵本をいろいろ読むようになったところ
「日本語って美しい!」「なんて心地のいい響きなんだ!」
と『名馬キャリコ』等で「瀬田節」の魅力に気が付き始めたのです。

児童書をいろいろ読み続けて3,4年経ち
やっと瀬田貞二の文章の魅力に気が付き始めたのです。
素人には良質な文学の良さはすぐにわからないのだと痛感しました。

ということは、何気なく絵本を買っている人にも
良質な文学の良さは、いまいちピンとこないのだと思います。

だからこそ、良質な文学のことや、子どもの育ちに大切な文学のことを
語れる人がいないといけないのではないでしょうか?

もちろん、特定の人を過信しすぎてしまうのはどうかと思いますが・・・
いいと思っている人でも「この作品はいまいち」というものもあるので。

まだまだではありますが、いずれは私も瀬田貞二のように(目標が大きすぎ?)
知識を活かして語れる人になりたいです。

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【注】

(1)このころは瀬田貞二の敬称を略して呼んでいた。
(2)この本の写真や詳細は 別館ブログ「瀬田貞二『幼い子の文学』」参照