外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2023年トルコ・イラク・イラン・フランス4か国へなへな旅行記(6)~フライバグダードでアルビール入り、ホテルと酒屋探し編~

2025-03-16 20:01:35 | イラク

 

今回は、トルコのイスタンブールからイラク北部のクルド人自治区アルビールに移動した日の話(その前振りはこちら)。

 

夕方16時50分の便に乗る予定だったので、朝はゆっくり10時頃に起きた(おそ)。チェックアウトの時間(11時)の少し前にフロントに行ったら猫がいた。

 

私が猫おばさんだと瞬時に察知したらしい。おりこうさん

 

ぐいぐい来た~(ちゅ~るあげた)

 

 

チェックアウトをしてスーツケースを預け、ホテルに近くにあるSIMとデジカメのバッテリー充電器を買った店に、充電のやり方をもう一度教えてもらいにいったら(ホテルでやってみたら出来なかったので)、前日の店員が教えてくれ、ついでに充電しておいてくれるというので、その間、付近のチャイハネでチャイを飲んだり、シリア人のファーストフード店でチキンシャワルマサンドをテイクアウトしたりした。

 

 

チャイハネのテーブルの周りを巡回する猫さん

 

 

小一時間してから、充電が済んだデジカメを受け取って、ホテルからスーツケースを引きとり、12時半にアクサライのメトロ駅前から空港バスに乗った。一時間足らずでイスタンブール空港に到着。早く着き過ぎた。

 

空港の入口にナザルボンジュウ(魔除け)がある

 

壁画風のかわいい装飾の店

 

 

私が乗るフライバグダードのカウンターは、フロアの一番端っこだった。さすがイラクのLCC、辺境っぽい。いや、イラクは文明発祥の地なんだが。古代文明が栄えた地域で、今大変そうな国って多いよね。

 

チェックインして出国審査をすませ、搭乗ゲート付近で待機しつつ、サンドイッチを食べ、ワインをちびちび飲んだ。ゆうべの飲み残しのワイン(残るように調整して飲んだ)を小さいペットボトルに詰め、100ml以下になるようにして持ち込んだのだ。備えあれば憂いなし。

 

フライバグダードのアルビール行きは、予定通りに離陸した。

 

 

フライバグダードの機体のデザイン、けっこうカッコイイよね

(↑これはネットから拝借した写真)

 

 

窓際の席だった

 

機内は満席に近かったが、私の隣りには誰も座らなかった。外国人枠?

 

聞こえてくる会話で判断するに、他の乗客はクルド人とアラブ人ばかりだったが、1人だけベビーシッターらしきアジア人のヒジャーブを被った女性がいて、家族連れの小さい男の子の世話をしていた。アラブ諸国では、よくインドネシア人やフィリピン人などのアジア人女性が、家政婦やベビーシッターとして住み込みで働いているのだ。虐待のケースも多いと聞くし、そうでなくても、住み込みで働くのは苦労が多そうだ。

 

機内誌

 

読んでみたら、冒頭にフライバグダード社の誕生の経緯や抱負などが書かれていて(民間航空会社、2017年2月営業開始)、イラクが2003年の米軍侵攻に始まる破壊と荒廃から再生して、輝かしい未来に向かって進んで行けるよう、同国初のLCCとして貢献するぞ!という意気込みと自負が感じられた。

 

しかし、旅の準備編でも書いたように、フライバグダードは2024年1月、イラン革命防衛隊および親イラン武装組織を支援したとの名目で米国に制裁を科されてしまい(会社側は全面的に否定しているが)、今は営業を一時停止しているようだ(参考)。米国に制裁を科されると、資産が凍結されたり、クレジットカード決済が出来なくなったりするから、致命傷なのでは…営業再開出来るのか?

 

機内での安全説明

 

 

軽食

 

パサパサの味のないチキンのほぐしたやつとピクルスを挟んだコッペパン、トルコ製のカップケーキ的な袋菓子、アルビール製の甘ったるい桃のジュース、水。カップケーキ以外は美味しくないが、LCCなのに機内食を出してくれるわけだから、文句を言う筋合いでもない。預入荷物も1個25キロまで無料だった。フライトの時間帯もいいし、トルコのLCCペガサス航空よりずっとお得だった。

 

食後のコーヒー

 

 

アルビールには約2時間半後、予定通り19時半頃に到着した。

 

アルビール空港の表示はクルド語(ソラニー方言)がメインで、英語・アラビア語併記

 

入国審査場

 

外国人の列に並んで、係員にパスポートを差し出したら、背後のブースでアライバルビザを買って来なさいと言われたので、戻ってそちらに行く。窓口にパスポートを出して、ビザ料金として用意したドル現金を取り出そうとしていたら、地位の高そうな気配の年配の女性に、ビザの手数料は現金不可で、VISAカードでしか支払えないと告げられる。

 

ええ~ネットで調べた情報では、ビザ料金はドル現金で払うはずだったのに~

 

私がそうぼやいたら、その女性は「去年までは現金で払えたけど、今年はVISAカードのみの取り扱いになったのよ」と説明し、早くVISAカードを出せと言いたげな顔で私を見た。そういうこともあるのか…幸い私のカードはVISAだったので問題はなかったが、マスターだったら入国できなかったかもしれない。運が良かったというべきか。

 

支払いを済まして、ビザのスタンプをしてもらい、再度入国審査の列に並ぶ。入国審査では、どこから来たかとは聞かれたが、アルビールでの滞在先は聞かれなかった。スタンプを押してもらって、あっさり終わり。

 

スーツケースを引き取ってから、2台並んでいたATMのひとつでイラクディナールを引き出そうとしたら、出来なかった。もう1台でも同じ結果だ。

 

ええ~、カード会社にブロックされたの~?イラクの銀行だから?それとも、別のATMだったら引き出せるのか?

 

とりあえず、1つだけあった銀行の窓口で50ドルを両替する。レシート下さいと言ったら、ないと言われた。ああ、イラク…

 

建物から出て、シャトルバスで空港の敷地の入口のチェックポイントと呼ばれるところに移動し、そこから空港タクシーに乗って市内に出た。空港タクシー以外の選択肢はないようだった。ネットで得た情報によると、アルビールの安宿街は旧市街のバザール近辺にあるとのことなので、空港タクシーの係員のおっちゃんにバザール方面に行くと告げると、25ドルだと言われた。高すぎるんじゃないだろうか。ぼられたかと思ったが、おっちゃんが持っていた料金表には、確かにそう書かれていた。

 

空港内のシャトルバスは無料

 

 

運転手の若者に、バザール周辺で安ホテルを探すから、その辺りに行ってほしいと告げたら、彼はグーグルマップを見ながら危なげに運転し、後ろの車にぶつかりそうになったりしつつ、無事にバザールの近くで下ろしてくれた。やれやれ…

 

バザールの周辺には、確かに小規模なホテルが多かった。とりあえず目に付いたところに入って値段を聞いて回り、3軒目の素泊まり1泊2万ディナールのところにした(現在のレートで2300円弱)。シャワー・トイレ、TV、エアコン、扇風機付き、Wi-Fiありだったが、トイレがトルコ式のしゃがんで使ってバケツの水で流すタイプで、紙もカゴもなかった。Wi-Fiもあって無きが如しだ。翌日には別のホテルに移ろうと思い、1泊分のみ払う。

 

この「ズフール・ホテル」(فندق الزهور)ズフール=flowersだから、フラワーホテルね。

 

ベッドがいくつか並んでいた。シングルルームはおそらく存在しない

 

シャワー・トイレルームは、ある意味で潔い空間

 

すでに21時半過ぎだったが、私にはもうひとつ、やらなければならない任務が残っていた。酒屋探しだ。

 

まずホテルの近くの屋台で、夕食用のハンバーガーを買う。

 

ハンバーガーをテイクアウトしてから、近辺を歩いて酒屋を探したが、酒の気配は全くなかった。イスラム圏の国で酒屋の場所を聞くのは、なるべく避けたいのだが、自力では見つけられそうもない。

 

それで、翌日移るためのホテルを探しつつ、そこのフロントで酒屋の場所を聞くという作戦に出た。何軒か聞いて回ったところ、良さげなホテルが1泊2万5千ディナールだったが、今は部屋がふさがってるから、明日また見に来てと言われた。明日の朝また訪れて、空きがなかったら別のホテルを探さねばならない。ざっと回った印象では、バザール近辺には一見安そうなホテルが多いが、実際にはそれほど安くなく、値段の割に設備がひどいようだった。やれやれ…

 

酒屋については、あるホテルで、8km離れたアイカワ地区にしかないと言われたが、別のホテルでも聞いてみたら、さほど遠くないところに一軒あって、フロントにいた若者がいつもそこでビールを買っているということだったので、場所を教えてもらった。歩いていけない距離ではないが、タクシーに乗った方がいい、2千ディナールしかしないと言われ、そうする。アルビールでの移動手段は主にタクシーだと聞いていたが、実際そんな感じだ。

 

若者に言われた通りに、第30ストリートのハワラト(?)モール付近でタクシーを降り、近くのお店の人や通行人に(信心深くなさそうな人相の人を選んで)質問しながら歩き回り、最終的に「文学者クラブ」(نادي الأدباء)の建物に辿り着いた。そこに酒があると近くの商店で言われたのだ。

 

文学者クラブの入口を警備していた軍人(にしか見えなかった)に、「ここでお酒が買えますか?」とおそるおそる聞いてみたら、彼は笑顔になって、「この奥で買えるよ!」と教えてくれた。同志か?

 

奥に進んでみたら、右手に緑の中庭みたいなところがあって、灯りのない薄闇の中で、男たちが飲食していた。これはきっと、居酒屋に違いない。

 

光り輝く空間を目指してさらに奥に進んだら、見覚えのある光景が…

 

おお~酒屋だ~

 

よかった、無事にたどり着けて…疲れているのにがんばって歩き回った甲斐があったというものだわい。

 

一番安いビールを下さいと頼むと(いつになったら逆のセリフが言えるのか)、イラク産の缶ビールが出てきた。1本2千ディナール。ハンバーガーと同じ値段だ(230円弱)、2本買った。

 

このアルビールの「文学者クラブ」でお酒を買いたい同志のために、名刺の写真を載せておこう。我ながら親切だ、ふふっ

(表)「文学者クラブにようこそ」って書いてある

 

(裏)例の中庭の居酒屋(たぶん)の宣伝と住所

ネット上の情報は見当たらなかったので、悪しからず…

 

 

帰りのタクシーを捕まえるのに手こずり、ホテルに戻ったら、もう夜中の12時近かった。ビールとワインの残りを飲んで、寝ることにする。

 

 

イラクビール「REEM」、普通に美味しかった。

 

 

なお、REEM(رِيم リーム)とは、アラビア語→アラビア語の辞書によると、「純白の羚羊(レイヨウ)」(الظَّبْيُ الخالِصُ البياض)だ。イラストでは黒いが。羚羊ビール、かわいいな~

 

エアコンが22度設定で寒かったが、リモコンがなかったので、毛布をかぶって寝た。夜中に停電があって、エアコンが止まったが、乾燥しているせいか、それほど暑くはならなかった。

 

 

(続く)

 

 

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2023年トルコ・イラク・イラン・フランス4か国へなへな旅行記(5)~イラクをめぐる葛藤編~

2025-03-07 18:46:15 | イラク

 

成田からイスタンブールに到着して2泊した後、イラク北部クルド人自治区の主都アルビールに飛んだ。

 

今回はアルビール到着前後の出来事を書くつもりだったが、その前に、私がバグダッドではなくアルビール行きの航空券を取った経緯と、その時の心の葛藤について説明してみたくなったので、そうする。(さあ話が長くなるぞ~)

 

なお、アラビア語でイラクの首都は「بغداد」で、これに近いカナ表記は「バグダード」だが、日本では「バグダッド」と表記されることが多いので、「フライバグダード」のような固有名詞以外は、私はそちらを採用している。また、同国のクルド人自治区の主都アルビールは「エルビル」とも呼ばれるが、私はアラビア語式に「アルビール」(أربيل)と呼んでいる。

 

では、本題に入る。(よっこいしょ~)

 

私はかねてから、イラクを一度は訪れてみたいと思っていたが、治安上の問題のため、ずっと行きそびれていた。しかし、旅の準備編(これ)でも書いたように、近年はかなり治安が安定した状況が続いていたし(地域と時期にもよるが)、日本人はアライバルビザが取れるようになって、事前のビザ申請が不要になったので、行くなら今がチャンスかもしれないと思ったのだ。(*イラクへの渡航は推奨していませんのでね)

 

問題は、どこからどうやって入国するかだ。

 

トルコとイラクは陸続きなので、物理的には陸路で国境越えをするのも可能なわけだが、治安上の不安がつきまとう。「クルド労働者党」(PKK)を警戒して展開しているトルコの治安部隊に拘束されるかもしれないし(私は単なる観光客なんだが、一見正体不明で挙動不審だから怪しまれそう)、トルコ軍はイラクのクルド人自治区北部の山岳地帯での対PKK作戦を続けていて、空爆することも少なくないから(PKKのオジャラン指導者が組織の解散と非武装化を呼びかける前の話)、そちらも不安材料だった。山岳地帯での軍事作戦に旅行者が巻き込まれる確率は低いだろうが、ゼロではないだろう。そういった地域情勢を鑑み、陸路は排除して空路で入ることに決めた。

 

 

目の休憩のためのお花写真(イスタンブール・アクサライ)

 

 

空路でトルコからイラクに入る場合、イスタンブールからなるべく安くLCCで移動しようとすると、入国地はバグダッドかアルビールの二択となる。そのどちらを選ぶか。

 

私は、アッバース朝の首都で当時の文化の中心地だったバグダッドに漠然と憧れていたので、どうせイラクに行くなら、バグダッドを見てみたかった。言語的にも、住民の日常会話がクルド語のアルビールよりも、アラビア語イラク方言のバグダッドの方が勉強になると思った。

 

しかし、旅に出ようと思いついた時期が遅かったため、イラク入りは6月中旬になる予定だった。その時期、バグダッドの最高気温はすでに40度を超えていると予測された。私のような体の弱いおばちゃんがうっかり外を出歩いたら、熱中症で倒れるかもしれない。それに、イラクは長時間の停電が毎日ある国なので、安ホテルに泊まったら、室内にいても熱中症になるかもしれない。バグダッドで熱中症になって病院送りになったら、コロナ最盛期の日本でベンチ飲み中に熱中症で倒れて救急搬送される以上にマズい事態になることは、容易に推測できた。

 

6月上旬は、アルビールも似たような気温なのだが、そちらは外務省の危険レベルが2(不要不急の渡航中止)と低めで、日本のNPOなども活動しているので、熱中症で倒れても、なんとかなりそうな気がした。

 

また、イラクのクルド人自治区では合法的に酒が飲めるが、イラクのその他の地域では、中央政府が禁酒令を出しているため、飲めない可能性があったことも不安材料だった。ネットでの情報を見る限り、自治区外でも酒類を買うことは可能なようだったが、私は外国での違法行為は避けたいタイプだ(日本でも違法行為はもちろんダメですがね)。しかし、イラクの後に禁酒国イランに行くのに、イラクでも飲めなかったら、長期間の禁酒のため禁断症状が出て、心身に不調をきたすかもしれない。アル中ですもの…

 

アルビールから入って、様子を見ていけそうだと思ったら、バグダッドに移動することも考えたが、良く調べてみると、イラクの入国地がアルビールだと、バグダッドには行けないのだ。なぜかと言うと、アルビール到着時に取得できるアライバルビザは、イラクのクルド人自治区内でのみ有効で、このビザで自治区から出るのは違法だから。バグダッド到着時に取得できるアライバルビザの方は、イラク全域で有効なのに。イラク中央政府のクルド人自治区に対するいやがらせかしら…中東地域にはこういう「見えない壁」的な行き止まりポイントがけっこう多いので、要注意だ。

 

こういったことをくちゃくちゃ考えた結果、無難にアルビールからイラクに入国することにしたが(ゆうてもイラクやけどね)、私はハイレベルの優柔不断なので、フライトチケットを購入した後もバグダッドへの未練が絶ち切れず、行先を変更するかどうか、直前まで迷っていた。フライトの変更はやったことがなくてめんどくさそうだから、結局やらなかったが。

 

イスタンブール発アルビール行きの便は、イラクのLCC、フライバグダードを選んだが、それは、イラクにまともな時間に到着するLCCがここしかなかったからだ。トルコのLCCのペガサス航空やAジェットなども価格帯は同じだが、夜中に到着する便しかないのだ。一方、フライバグダードはイスタンブール16時50分発、アルビール19時25分着だった。ネットで評判を見る限り、特に問題のない航空会社に思えたので、ここに決める。

 

旅の準備編に書いたように、フライバグダードのチケットは、カード会社の一時的なブロックを乗り越え、航空会社のHPから無事購入できた。この航空会社はその後、米国の制裁対象となったから、今は予約が非常に難しいかもしれないが。

 

このようにして、私はクルド人自治区のアルビールをイラクの入国地に選び、フライバグダードのチケットを購入するに至ったわけだが、その時の複雑な心の動きがおわかりいただけただろうか…?

 

これはイラク入国編の前書きで、この後イスタンブールからアルビールに移動した時のことについて書くつもりだったが、長くなっちゃったからそれは次回にする。一昨年の旅行記なのに、なかなか書き進めないが、気長にお待ちいただけたら幸いだ。

 

よろしく~

 

 

なお、外務省の海外安全HPのイラクの地図は以下の通り(これを書いた時点のもの)

 

 

(昨今の中東情勢はますます不安定で先が読めなくなっているが、私が旅をした時点でも、情勢が急展開して危険が高まる可能性は存在したので、現地メディアのニュースをチェックするなどして、日々情報を収集していた)

 

 

(続く)

 

 

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2023年トルコ・イラク・イラン・フランス4か国へなへな旅行記(4)~旅の初めはイスタンブール編~

2025-03-02 17:52:12 | トルコ

 

以前も書いたように、2023年の4か国旅行では、イスタンブールを移動の拠点にした。(前回の話

 

まず旅の初めに2泊。日本からの長旅の疲れを癒し、体調を整えてからイラクのクルド人自治区に出発するために必要な時間だ。1泊だと私には足りないのよね。のんびりこちゃんだから~(かわいく言ってみた)

 

イスタンブール空港

 

 

ペルシャ語がちょっとヘン。「به استانبول خوش آمدید」が正解だと思うんだが。

 

「ようこそ」と書いてはあるものの、イスタンブール空港の係員たちは、冷たい顔で機械的に働いていた。ここはいつ来てもそうなんだよな。トルコの空の玄関口なんだから、もうちょっと優しくしてほしい~

 

銀行のATMでトルコリラを引き出し、アクサライ行きの空港バスに乗る。バスのチケット売り場で、お釣りをもらって乗り場を尋ねるのに気を取られ、肝心のチケットをもらい忘れて、窓口のお姉さんに呆れられた。引き続きポンコツ発揮。

 

バスがアクサライのメトロ駅付近に着いたら、ホテル探し開始だ。しかし、飛行機の長旅で疲れていた上に暑かったので、駅周辺で安ホテルが見つからなかった時点で諦め、前回泊ったトラム駅に近い「MERVE HOTEL」に行くことにした。しかし、たどり着いてみたら閉まっていて、営業している気配がない。安くていい感じのホテルだったけど(好みによるが)、つぶれちゃったのかな…

 

同じ並びに「YAVUZ HOTEL」という似たような雰囲気のホテルがあったので、値段を聞きに行ったら、MERVEよりやや高めだった。でも、インフレのせいかもしれないし、もう重い荷物を持って歩きたくなかったので、妥協してここに決める。ツインのシングル使用素泊まり1泊20ドル=500リラ(シャワートイレ、テレビ、Wi-Fi、冷蔵庫あり)。

 

しかし、鍵をもらって部屋に行ってみたら、布団やタオルがぐちゃぐちゃで、清掃前の状態だった。フロントに戻ってそう伝えたら、係の男性は最初「そんなはずはない!清掃済みのはずだ!」と言い張ったが、部屋を見て、「あ、ほんとだ…」となり、代わりの部屋を探してくれた。やれやれ~

 

このホテルは部分的に工事中で、色々不具合が多いようだった。ここも長続きしないかもしれんな…(不吉な予言)

 

清掃後の部屋はわりと綺麗

 

共用部分の工事中の壁、風通しが良すぎる

 

代わりの部屋が用意されるのを待っている時、チャイを出してくれた。

 

なお、こういう小規模な安ホテルは、ネットで検索しても出てこないことが多い。この記事を書くにあたって一応検索してみたが、案の定出てこなかった。

 

チェックイン後、少し休憩してからまた出かけたが、もう夕方だったし、疲れていたので遠出はせず、近くで夕食用のサンドイッチや果物と酒の買い出しをするだけにした。

 

アクサライの見返り猫さん

 

待機中

 

ジャンプ中

 

 

果物は旅のビタミン補給に必須

 

 

歓楽街の居酒屋

 

通りがかりの食堂でタウックシシ(チキンの串焼き)のサンドイッチをテイクアウト

 

早めに帰って部屋食。ツボルグとカールスバーグの缶がかわいい。

 

エフェスの缶はへこんでいた。親近感…

 

今回、100均で買ったプラスチックのワイングラスやスプーン、タッパーを持参したら、なかなか便利だった。ただし、ワイングラスはかさばるし、だんだん汚れが取れなくなるので、使い捨ての小さいプラカップの方がいいかも。

 

 

2日目は、翌日のイラクへの出発を控えた予備日。

 

朝シャワーを浴び、果物を食べた後、PCに写真を撮り込もうとしていて、カメラの充電器を忘れたことに気づいた。えっ、さすがにこれは致命傷なのでは…日本のカメラの充電器って、海外でも買えるものなのか?もしや、カメラを新しく買わないといけないの?そんなお金ないぞ…途方にくれつつ、とりあえずビールを飲む。(アル中)

 

昼前に出かけ、空港バスの乗り場を確認するため、メトロ駅に向かったら、途中に「スラホテル」(SILA HOTEL)という小さくて安そうなホテルがあったので、入ってシングルの値段を聞いてみたら、400リラだと言われた。今のホテルより100リラ安い。次回はここに泊まろう。

 

その並びに「トゥルクセル」(Turkcell)の大きな看板を掲げた携帯ショップがあったので、入ってツーリスト用のSIMの値段を聞いたら、3か月有効で485リラ・20GBのものが一番安いという。485リラは、現在のレートでは2千円弱。イラクとイランでは使えないが、出国して戻ってきても問題なく使えるという話だったので、これを買うことにした。

 

結果的に言うと、この時SIMを買ったのは大失敗だった。いずれ詳しく書くが(たぶんね…)、これは一種の詐欺で、再入国の際に使えなくなっていた。つまり、ほとんど使わない状態でダメになったことになる。すぐに買う必要はなかったんだから、他の店でも聞いてみてから決めればよかったのに、私ったら、おばかさん…私はこれまであまりこういう類の失敗はしなかったのだが、寄る年波のせいか、この時の旅行では失敗だらけだった。ぽんこつおばちゃんやわ…

 

その店で、カメラのバッテリー充電器についても相談してみたら、ユニバーサルチャージというものを出してきて、実際に充電してみてくれた。見た限り、ちゃんと充電できているようだったので、これも購入。70リラだった。これは一応使えたが、長持ちしなかった。これも他の店で聞いてから買えばよかったものを…

 

その後、トラムで新市街のタクシム広場に出かけた。

 

タクシム広場は、イタリアのサッカーチーム、インテルのユニフォームを着たイタリア人で混雑していた。

 

そばにいたイタリア人の女の子に聞いたら、この日チャンピオンズリーグの決勝戦のインテル対マンチェスター・シティの試合がイスタンブールのスタジアムであったらしい。だからイタリアからサポーターが大挙して押し寄せているのだ。インテルのユニフォームを着た日本人男性もいた。日本から来たんだろうか。

 

街のあちこちにイタリア人のグループがいて、楽しそうに騒いでいた。

 

インテルが負けたから、帰りはお通夜みたいになったと思うが。

 

タクシムからイスティクラール通りを下って、両替屋でイラクディナールがあるかどうか確認し(なかった)、本屋でイラクのガイドブックを探した(なかった)。やれやれ…歩き疲れたので、安食堂でランチ休憩にする。

 

 

 

レンズ豆のスープ(メルジメッキ・チョルバス)とサラダとパンで50リラ。スープはイマイチだがサラダは新鮮だった。

 

それにしても、立ち寄った本屋のどこにもガイドブックコーナーがなかったんだが、どういうこと…?トルコ人はガイドブックを使わないのか??

 

 

食後はイスティクラール通りをさらに下って、テュネル(地下鉄)駅に向かった。

 

バイク猫さん達発見

 

 

路地のお店の外のテーブル席の猫さん

 

さわらせてくれた~

 

遊んでくれた~

 

片隅でまったりする猫さん

 

トルコの路上は犬も多い

 

 

テュネルに乗る前に、パブで一服

 

ハッピーアワーだったので、ツボルグの生の大を飲んだ。ツボルグの生は旨い。店内にはトルコ人も外国人も、一人客もグループ客もいて、皆が明るいうちからビールやカクテルなどを楽しんでいた。このイスタンブールの飲酒文化、愛おしい…

 

夕方になり、翌日に備えて早めにホテルに帰ろうかとも思ったが、せっかくイスタンブールに来たんだから、やはりカドゥキョイの岩場でビールを飲んで、猫にエサをあげなければいけない気がして、フェリーでアジア側のカドゥキョイに出た。

 

 

カドゥキョイの桟橋に着いたら、猫のいる岩場へ直行

 

岩場に沿って広がる草地で、ピクニックしている人たちもいた。

後ろから忍び寄る猫さん

 

カラスさんたちもおこぼれを狙っている

 

岩場を巡回する猫さん

 

ビールはさっきパブで飲んだばかりなので、ここではペットボトルで持参したワインを飲みつつ猫を愛で、エサを振りまいた。

 

まんぷくで寝そべる猫さん

 

遅くならないうちにフェリーとトラムを乗り継いでアクサライに戻り、前夜と同様、食堂でサンドイッチを買って帰った。

 

ドネルケバブのチキンのピデサンド

 

ちら

 

オーロラソースのようなものがかかっていた。ピデのバンズは柔らかくて薄めで美味しい。

 

飲み物はツボルグのサマーバージョン缶

 

 

1年ぶりにイスタンブールに来て、空を飛ぶカモメのギャーギャーという鳴き声を聞き、様々な国の外国人の姿、街の喧騒、ホテルのカオス、美味しそうな食べ物屋さんなどを眺め、フェリーに乗ったりしていると、なんだか懐かしい気分になった。ホテル代も物価も高くて厳しいけれど、この街をかなり好きなのかもしれない。特にアクサライから以前住んでいたイェニカプにかけての地域は、トルコの池袋という感じの賑わい方で(イェニカプ、飲み屋多いし)、私の狭いストライクゾーンを突いて来る。もし将来またイスタンブールに住むことがあれば、その時もこの辺りに住みたいと思う。

 

 

翌日はいよいよイラクに移動するので、ちょっと緊張する…と言いつつ、普通に寝た。

 

 

(続く)

 

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2023年トルコ・イラク・イラン・フランス4か国へなへな旅行記(3)~アシアナ航空で出国編~

2025-02-18 16:11:12 | 海外旅行

 

 

準備編で書いたように、出国・帰国のフライトには、今回初めて韓国のアシアナ航空を利用した。仁川(インチョン)経由の成田・イスタンブール往復の便で、仁川空港での乗り継ぎ時間がやたらに長かったが、その分安めだった。

 

私が乗った出国便は、成田19時25分発。当日は朝11時頃に起きて、ぶつぶつひとり言をつぶやきながら、よろよろと荷造りの続きをやった。荷造りは前日に始めたが、終わらなかったのだ。私は、苦手な作業は喋りながらゆっくりとしか出来ない(えっと、これをこっちに入れて…あ、あれも忘れないようにしないと…うう、行く前からもうしんどい…がんばれ私…etc)。いつもギリギリになるので、なるべく夕方発の便に乗るようにしている。朝10時発とか、もうムリっすよ…

 

電車を乗り継いで成田空港に向かい、17時過ぎに到着。チェックインでスーツケースを預け入れる際、係員にモバイルバッテリーが入っていないか確認され、入っていると答えたら、取り出して手荷物に入れるように言われた。そういえば、モバイルバッテリーは発火する危険があるから、預入荷物に入れちゃいけなかったっけ…さっそくポンコツ発揮。スーツケースは9.4キロだった。思ったより重い。

 

この後、スマホの充電ケーブルを忘れてきたことに気づき(またポンコツ)、ローソンで買った。空港にコンビニがあるって、素晴らしいことね…ついでにおにぎりや酎ハイなども買って、ベンチ飲みしてから出国ゲートに向かった。

 

出国前の最後のベンチ飲み

 

 

成田発仁川行きの機内では、2列席の廊下側で、隣は髪の毛がピンクの韓国人の若い女の子だった。乗客の大半は東アジア人だったが、日本人か韓国人か中国人か、一見しただけでは私には見分けがつかない。

 

離陸してから1時間くらいして、お弁当のような軽い食事が供された。

 

 

全員一律のメニュー。肉じゃがのじゃがいも抜きのような、牛肉と玉ねぎ、にんじん、インゲンの甘辛煮をご飯に乗せたもの。コチュジャンを混ぜて食べる。普通に美味しかった。卵豆腐とワッフル付き。

 

問題は、料理の内容や味ではなく、飲み物だったのでございますよ…

 

時間帯的には夕食だと思うのだが、なんとアルコールはないと言われたのだ。

 

あ、アルコールがない??

 

 

心象風景:表題「衝撃」

 

 

ないものはしょうがないので、オレンジジュースで食べた。夕食を酒なしで食べるなんて、なんてことだ…アルコール類を一切提供しないことで有名な(私の中で)エジプト航空じゃあるまいし、まさか韓国のアシアナ航空に裏切られる(?)とは思わなかった。知っていたら、成田で何か買ってきたのに…痛恨の下調べミスだ。仁川・イスタンブール間も酒が出なかったらどうしよう~

 

不安に慄いているうちに、仁川空港に到着した。22時過ぎなので、時間通りだ。

 

 

仁川空港は広くて綺麗だが、深夜だから飲食店や売店はもう閉まっていた。かろうじて免税店は開いていたが、酒類はどれもお高くて、私には手が出せない。なんてことなの、仁川空港…

 

 

心象風景:表題「絶望」

見た目はヤマンバ(ギャルじゃない方)でも心は子猫の私

 

 

イスタンブール便は翌朝10時25分発なので、待ち時間は12時間あまり(その間禁酒~くらくら)。ネットで見た仁川空港情報では(これとか)、トランジットが長い利用客の為の無料ツアーが催行されたり、無料のシャワーや仮眠スペースなどがあったりするとのことで、それなりに快適に過ごせそうに思えたが、到着した時間が遅かったため、ツアーはもちろんやってなくて(別にいいけど)、シャワーも利用できず、仮眠スペースのシートは全てふさがっていた。

 

フリーWi-Fiは使えるので、床に座ってパソコン作業をして過ごしたが、アダプターをスーツケースに入れてしまったので(どこまでもポンコツ)、バッテリーが切れたら終了。少し歩き回って探したら、寝心地が良さそうなベンチが見つかったので、そこで朝まで寝た。

 

朝になったら、しだいに人が動き出して、店も開き始めた。

 

ダンキンドーナツ、美味しそう

 

 

しかし、買い物したり店に入ったりする気力はもうなかったので、早めにゲートに行って搭乗手続き開始を待つことにする。搭乗手続きは、予定時刻に開始した。

 

 

イスタンブール行きの機内も、東アジア人の乗客が大半で、私の隣りは韓国人の夫婦だった。

 

 

最初の機内食

 

仁川・イスタンブール線にはアルコールの提供があった。

 

 

心象風景:表題「安心」

(友情出演:ヨルダン猫のふぁーちゃん)

 

 

成田から禁酒していた分を取り戻すため、ビールとワインの両方を頼み、さらにワインをお代わりした(いつも通りや)。ビールは韓国産で、ワインはたぶんチリ産。どこ産でもいいのよ、酒でさえあれば(アル中すぎる)。

 

食事はチキンを選んだ。フライドチキン的な味付きの衣をまとったチキンカツにオニオンスライスがのせてあって、下には薄味のチャーハンが敷いてあり、甘辛いたれがかかっている。サラダもチョコムースも美味しかった。隣の韓国人の夫婦は焼肉セットを選び、エゴマの葉で焼肉と白ご飯を巻いて、手で食べていた。キムチとスープ付き。彼らの注文はいつも私のと違い、いつも私が選んだものより美味しそうだった…

 

機内では大体寝て過ごし、たまに本を読んだり、ウォッカのロックをもらいに行って、ちびちび飲みながら考え事をしたりした(人生についてね、うふふ)。

 

スナック

 

夜食に箱に入った熱々のピザが供された。サクサクのパン生地にトマト、オニオン、チーズ、オリーブオイルがかかっていて、味付けが濃くて美味しい。水やジュースなども回ってきた。

 

最後の機内食

 

なんだか食べてばかりだ。ポークを選んだら、白ご飯の上にキノコとポークの薄切りの甘辛炒め(?)が乗っていて、錦糸卵が散らしてあった。ビールによく合う。隣の夫婦はシーフードをチョイス。甘酸っぱい匂いが漂ってくる。

 

着陸態勢に入る少し前、機内で座ってできる体操の映像が流れ、周りの韓国人が一斉にやり出した。韓国人って、見た目も文化的にも日本人にすごく近く思えるのに、はっきりと違うところも結構多くて、興味深い。皆さん機内放送に従ってシートベルトを締めたり、降りる前にゴミをまとめたりして、きちんとしていた。

 

イスタンブールには、予定通り16時過ぎに到着した。

 

 

(続く)

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2023年トルコ・イラク・イラン・フランス4か国へなへな旅行記(2)~旅の準備編~

2025-02-15 17:11:51 | 海外旅行

(SNSで時々出回るイランを猫に見立てた地図。イランは「カスピ海の下に横たわる猫」ですから)

 

 

今回は2023年の海外旅行の準備編だ。

 

2023年は、6月上旬に旅を開始したのだが、「そういえば、ずっと家の近所から出てないな。そろそろまた旅に出るべき時期かな~」と思い始めたのが4月後半で、本格的に準備を始めたのは5月の連休が明けた頃だったので、出発まで結構慌ただしかった。仕事をしながら準備するわけではないので(無職だから)、1か月もあれば十分なようなものだが、なにしろ年齢が高くなっている上、長い引きこもり生活で心身ともにポンコツになっているので、何をするにも時間がかかるのだ。

 

ともあれ、旅に出るにあたって、私がポンコツなりにやったこと(やらなかったことも一部)を以下にまとめてみる。

 

 

<訪問する国・経路の決定>

 

トルコ・イラン・イラクの位置関係のわかる地図

やっぱイラン、まあまあ猫だよな…

 

私の海外旅行は自主的な語学研修を兼ねるので、専門言語のアラビア語・トルコ語・イタリア語を使うため、トルコとイタリアにアラブ諸国のうちどこか一国を組み合わせて回ることが多かった。しかし、今回はそこにイラン、フランスを追加して、5か国を巡ることに決定した。なぜなら、2022年の夏の旅行の後、暇に任せてペルシア語とフランス語の勉強を始めてしまったから。1年近くじみじみと勉強を続けた成果を確かめるには、一度現地に行ってみなくては。

 

3か国でも十分しんどかったのに、5か国周遊なんて私に出来るのか??と疑念を抱きつつ出発したが、案の定、途中で時間とお金と体力が足りなくなって、イタリア行きは断念し、結果的に4か国周遊となった。なんならフランスも省いてトルコでゆっくりしようかとも思ったが(イスタンブール・パリ間のフライトが結構高かったから)、パリ郊外の友人の身内の家に滞在させてもらうことになっていて、ドタキャンしにくかったから、予定通り行くことにしたのだ。

 

アラブの国はどこにしようか迷ったが、思い切ってイラクにした。治安上の問題のため、イラクにはこれまで行ったことがなかったが、近年は治安が概ね安定していたし、トルコ・イランと陸続きで、空路での移動も比較的安かった。しばらく前に観光ビザの規定が変更になり、日本人は入国後にアライバルビザを取得できるようになったのも大きい。イラク北部のクルド人自治区は、以前からアライバルビザでOKだったので、訪れる人もちょくちょくいたが、首都バグダッドを含むそれ以外の地域は、これまで事前のビザ取得が必要だったのだ。このアライバルビザ効果で、バグダッドなどを訪れる日本人旅行者が増え、SNSで現地の情報が出回るようになった。

 

しかし中東諸国では、長い間治安が安定していた国・地域でも、突然悪化することがあるし、外務省はイラクに関して、クルド人自治区の国境・県境付近等を除く地域だけをレベル2(不要不急の渡航中止)に指定し、それ以外はどこもレベル4(退避勧告)かレベル3(渡航中止勧告)としているので、イラクへの渡航は推奨できない。なお、東京のイラク大使館に電話をかけて、ビザについて問い合わせても「お答えできません」と言われるので、そのつもりでね(普通かけんやろ)。

 

経路としては、トルコからイラクに空路で入り、イラクからイラン・トルコは陸路で移動して、さらにトルコから空路でイタリア入り。イタリアからフランスもLCCで移動し、最終的にフランスからトルコに飛ぶつもりだった。結局イタリアは脱落したが。

 

 

<イラン入国ビザ申請>

イランだけ入国ビザが必要だったので、ネットで見た情報を参考にして取得した。まずイラン外務省のHPからビザ発給を申し込む。翌日には承認メールが届いたので、プリントアウトして、これとパスポートを持って大使館に申請に行った。ビザ発給の手数料として、収入印紙2900円分を館内の自販機で購入して添える。1週間後に出来上がるので、受領しに行って終わり。最初にオンラインで申し込みをする時、証明写真をアップロードする必要があって、サイズなどの問題でなかなかアップロードできず、泣きそうになったが(にゃ~にゃ~と)、それ以外はスムーズに行った。

 

なお、イランは2024年2月から、日本を含む28か国の国民に対し、観光ビザ取得を免除(15日間)している。但し、これは空路入国の場合のみなのか、陸路入国もビザなしでOKなのかは不確かなので、陸路で入国する人は、イラン大使館に確認した方がいいだろう。

 

 

在東京イラン大使館(遠くにちらり)

 

 

在東京イラク大使館(行ってないから、ウィキから取った写真)

普通のマンションにしか見えないよな…

 

 

<航空券購入>

私は基本的に予定通りに行動するタイプの人間なので、通常旅の行程に含まれるフライトは全て出発前に日本で取っておくのだが、この時はイランとイラクという初めて訪れる難易度が高い2国が含まれていたため、予定通りに移動できない可能性があると考え、成田・イスタンブール間の往復とトルコ発イラク行きの片道のみチケットを購入しておくことにした。でも今考えると、全てのフライトを事前に取っておいた方が良かった気もする…

 

成田・イスタンブール往復の便はアシアナ航空、イスタンブール発アルビール(エルビル)行きの便はイラクのLCC、フライバグダードにした。どちらも初めて利用する航空会社だ。

 

アシアナ航空のチケットは、パソコンでHPから購入しようとしてもなかなかできず、電話をかけて質問したら、スマホで試してみてと言われたので、やってみたら出来た。やれやれ、めんどうな…

 

フライバグダードはパソコンでHPから購入できたが、イラクの航空会社だから、案の定カード会社にブロックされ、解除してからようやく買えた。やれやれやれやれ、ホンマにめんどくさい…

 

フライバグダードのHPの写真

ウィキペディア(英語版)によると、フライバグダードは2024年1月、イラン革命防衛隊および親イラン武装組織を支援したとの名目で米国の制裁対象となり、同年12月にはEUの飛行禁止航空会社リストに載せられちゃったらしいが、今も健在なんかな…

 

 

<海外旅行保険>

むりむり~

 

一応いくつかの保険会社の海外旅行保険のオンライン見積もりサービスを試してみたが、やはりイラクが行程に入っている段階でダメだった。海外旅行保険は、「安全な地域」しかカバーしないのだ。

 

 

<外貨購入>

イランは経済制裁を受けているため、クレジットカード・国際キャッシュカードが使えない。一方、イラクはカードが使えて、ATMで現金が引き出せるはずだが、初めて行く国だから、使えるATMを見つけるのに時間がかかるかもしれない。というわけで、ドルとユーロの現金を多めに用意した。新宿西口に外貨両替所が集まっている一角があるので(こことか)、店の為替レート表示版を見て回って、レートのよさそうなところで両替した。

 

 

<ガイドブックの用意>

してない。

 

イランのガイドブックは、古い地球の歩き方(2017~2018版)があるにはあったが、もはや書店には置いてないし、私はネットで買い物をしない人間なので(航空券とPC除く)、買えなかった。今は良さそうなイランのガイドブックが出ているので、次に行くときはこれを買いたい。書店で見つけたら。

 

イラクに至っては、ガイドブックが存在しなかった。英語のガイドブックなら、ロンリープラネットが出しているが、書店で買えないので、これもムリ。トルコ、イタリアは、私にはガイドブックは不要だし、フランスもネット情報でなんとかなると思い、結局何も用意しなかった。

 

イランとイラクでは、ホテル探しや移動などでかなり苦労したので、「ああ~ガイドブックがあればよかったのに~」と思うことが多かった。めそめそ…

 

 

<旅の語学学習>

フランス語は、図書館でCD付きの旅行会話集を借りて練習した。ペルシア語は、ユーチューブで旅行に使えそうなフレーズや単語を教える動画を観て、暗記するよう努力した。どちらもあまり身につかず、大して役に立たなかったが。

 

アラビア語イラク方言も少し勉強したが、行ったのがクルド人自治区だったので、使う機会はなかった。みんなクルド語を喋ってたんだもん。クルド語なんて分からないんだもん~

 

<その他>

スーツケースを買ったり、家賃を前払いしたり、なんかそういうことをやったような記憶がぼんやりと…

 

 

 

(おまけの室内園芸写真)

キャンドゥのミニトマト栽培キット出身のトーマさん、気づいたら6つ目の小さい実を付けていた。どこまでがんばるのん…?

(見苦しい写真ですいません)

 

 

(続く)

 

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