8月某日
お盆に先立ち、数日間帰省する。
実家は京都府なのに案外涼しかったが、猛暑の波が全国を襲っている最中だったので、どこにも出かけず。毎日午後遅くまで寝倒して、起きてからも居間でごろごろだらだら過ごしていたら、父親に「あんた、生産性低いな~」と笑われた。80近い父親にそんなことを言われるなんて、が~ん・・・でも見事に真実を突いているので、一言も言い返せない。
8月某日
すずめさんたちのために米屋に有機米を買いに行くと、若旦那に「アボカドの糠漬け、よかったらサービスしますよ。明日からお盆休みで、余ったら漬かりすぎちゃうんで」と言われたので、ありがたく頂戴する。お盆って、素晴らしい。晩御飯に食べてみたら、非常に美味しかった。歯ごたえのあるアボカドがほどよく漬かっていて、日本酒が進む味だ。若旦那も「これはお酒に合いますよ。お客さんはお酒はお好きですか?え、アル中?ははは…(軽く流す) でも、お酒をやらないと一日が終わらないってのはありますね~。一日我慢して頑張って働いて、終わってから一杯やるっていうのがいいんですよね」と言っていた。なんと健全な飲酒観であろうか。スーパーではないお店で買い物すると、色々興味深いものだな・・・
8月某日
夜中にふと魔が差してプリンを作る。卵と牛乳、砂糖に生クリームとラム酒少々を加え、ガラスの器に入れて鍋で蒸しただけ。分量が適当だったから、固まらないかもしれないと思ったが、奇跡的に固まった。100均のミニ泡だて器で表面をちょっとくるくる混ぜただけだったので、砂糖が溶け残って沈殿していたが、些細なことである。冷やしてから、ラム酒をかけて食べたが、美味しいとはお世辞にも言いがたい出来栄えだった。お菓子を作ると、いつも「手作りの無添加のお菓子が美味しいとは限らないのだな」と再確認する。当分作らないでおこう。
のっぺらぼうプリン。カラメルソースを作るべきだったか
8月某日
「すっごく面白いのよ~」と友人に誘われて、新宿三井ビルディング会社対抗のど自慢大会の決勝戦なるものに出かける。新宿三井ビルに入っている会社の職員たちが出場するらしい。私の友人はこれを毎年見に行っているそうだが、年々観衆が増えているらしい。会場に着いてみたら、案の定すごい人出だった。人垣に遮られて良く見えなかったが、舞台の上ではいろんな会社の代表者が「宇宙戦艦ヤマトのテーマ」だの、槇原敬之の「どんなときも」だの、私でも知っているような懐メロを歌っていた。周りの観衆は幸せそうな笑顔でうっとり聴き入ったり、声援を送ったりしている。企業に勤めたこともなく、猫やすずめを相手に浮世離れした暮らしをしている私には、この大会の面白さが今一つ理解できなかったのだが、なんだかよい社会勉強になった気がする。ちなみに私は職業柄(?)、こういう野外の音楽イベントに参加する際に、頭の片隅でちらっとテロの可能性を想定する癖があるのだが、もちろん杞憂に終わった。日本って、安全でいいですね。
がんばって手を高く上げて撮った写真
舞台では不思議な光景が繰り広げられていたようだ
8月某日
8月も終盤だというのに、残暑が厳しい。日本の夏の暑さに関する私の認識は、「毎年7月に10日から2週間くらいの猛暑の波が来て、その後は数日から1週間程度の小波が1,2回来る程度で、お盆が終わったら急に秋めいてくる。やがて秋の使者『キリン秋味』が発売されたら、夏は終わり!」という感じなのだが、今年は暑さのピークの時の気温が連日異様に高く、その後の残暑も長くて厳しい。秋味に再会した喜びも束の間、また熱中症で倒れそうな日々だ。私の中の「秋味神話」が崩れつつある…
君は秋の使者じゃなかったのか
(参考)
新宿三井ビルディング会社対抗のど自慢大会のまとめ情報
https://matome.naver.jp/odai/2153503423404265201
(終わり)