外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

うちの猫たちのご紹介~母猫ふぁーちゃん編~

2014-07-26 14:17:43 | ヨルダン(猫中心)


現在、うちの家には猫が4匹いる。
母猫と子猫3匹だ。
出産日は今年3月1日だったので、もうじき5ヶ月たつ。
7月半ばくらいまでは授乳が続いていたが、最近さすがに終了したようだ。

月日が経つのは早いが、猫の成長はそれに輪をかけて早い。
すでに母猫とほぼ同サイズまで成長した子もいる。
そして、全員むくむくと太ってきている。
要求されるままにエサをあげていたらこうなった。
エンゲル係数、上昇中。

うちのアパートは建物の一階にあり、猫たちは台所の窓の網戸の破れ目から、好きな時に出入りしている。
それなのに、帰宅してすぐにトイレに行ったりするのが、どうも解せない。
4匹もいるとトイレの砂代も馬鹿にならないので、できれば外の広大なトイレで済ませてきて欲しいんだが…。

母猫の名前は「ファーティハ」。
愛称は「ふぁーちゃん」、ヨルダン生まれのヨルダン育ち(私は現在ヨルダン在住)です。
「ファーティハ」とは、アラビア語で「開ける者」という意味。
ふぁーちゃんは窓を開ける能力を持つので、こう名づけた。



寝室の窓から入ってくるところ




獣医に連れて行ったことはないので、年齢は不詳。
よく見るとけっこう歯がなかったりするので、わりとお年寄りなのかも?と思ったするのだが、
そのわりに異常なくらい食欲旺盛で、男遊びも盛んなので、詳細不明だ。

ふぁーちゃんは(子猫たちも)毎日うちで、昼食(缶フード)とおやつ(ドライフード)と軽食(缶フード)と夕食(チキンや魚とパスタなど)を食べる。
その上、隣に住んでいるインド人男性のところで、朝食としてミルクなどをもらっているらしい。
当然かなり太っているのだが(うちには体重計がないので、何キロかは不明)、
なぜか顔だけ全然太らないのでバランスがヘンだ。



どう見ても、体型がヘン




最近は、子猫が近寄ると「ううう~~!!」と、猫離れした恐ろしい声で唸ることが多い。
この唸り声が私には、「私の半径1m以内に近寄らんといてや!」と言っているように聞こえる。
子猫たちがまだ小さい頃は、あんなに慈愛に満ちた、献身的な母親だったのに・・・
これは子供を自立させようとする、母猫の本能なのかもしれない。
でも、ついでに私も怒られたり、叩かれたりすることがあるので、うっかりちょっかいをかけないよう気を使う。
おかしいな、なんでこんなに気を使わなくちゃいけないんだろう・・・



子猫たちが窓から入ろうとするのを、「うお~!」と唸って威嚇している。その後ろ姿はちょっとヤマンバのよう




ふぁーちゃんは普段台所の、子猫の届かない背の高いタンスの上を寝場所にしている。
よっぽど熟睡しているときは、私が台所に入っても気がつかないが、
そうでないときは、「おや、何か食べ物をくれる気かしら?」とスタンバイ状態になって、私の動きを目で追う。
そして、冷蔵庫を開けようもんなら、「ごはんくれるの?お腹減った~!」と催促の叫び声をあげ、
タンスからドスっと飛び降りて、冷蔵庫に突進してくるのだ。
冷蔵庫の警報装置か、君は…
だから私は、うかつに台所に近づけなくて困っているのだ。







以前の記事にも書いたが、ふぁーちゃんは去年の4月にうちに住み着き、その2ヶ月後には出産した。
その時生まれた子猫は5匹(全員ミケ)だが、その消息は不明。
子育て中のある日、ふぁーちゃんが子猫全員を連れて家出し、しばらくしてから1人で戻ってきたからだ。
その時の父猫は、うちの庭の常連「ひめさん」(茶トラ)ではないかと、私は思っている。
今回の父猫は、やはり庭によく出入りしている「しろさん」という白猫だと推測される。
その他にも、ふぁーちゃんの恋猫は大勢いるようだ。
ちなみに、この辺は野良猫だらけです。

ふぁーちゃんは猫だけではなく、人間との付き合いも如才なくやっているようだ。
その証拠に、私と隣のインド人だけでなく、近所のフィリピン人宅等からも、よく焼き魚や手羽先などを頂いてくるのだ。
この生活力、見習いたいものだ。


どこかから運んできた肉




考えるに、ふぁーちゃんの一番の特徴は、「コミュニケーション能力が高い」ことではなかろうか。
言い換えると、すっごくよく鳴く猫なのだ。
「この近所で一番さわがしい猫」だと断言して、間違いないと思う。
ご飯を催促するとき、子猫を叱りつけるとき、外でお相手を見つけて愛を囁くとき…
なんやかんやと鳴きわめいている。
特に鳴く理由などなさそうなときでも、鳴いている。
居場所がすぐわかって便利といえば便利だが、時々、「もしやちょっと気が狂ってるのでは…」と心配になる時もある。
そんなとき、晩年の病んだ智恵子を眺める高村光太郎のような気分で(全然違うかもしれんが)、
「気が狂ってても好きだよ」と囁きながら抱きしめてあげる。
でもふぁーちゃんは嫌がって、私の腕からぬらりと逃げてしまうのだった。


「ふぁーちゃんは学習能力も相当高い」と私は思うけど、
それは親バカかしら。
親じゃないから、「ねこ煩悩」かしら。



色っぽいポーズ? これは洗濯機の上。うちの洗濯機の主な機能は「猫用ベッド」。








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子猫のしまちゃんの冒険

2014-07-12 19:07:58 | ヨルダン(猫中心)


うちには現在4匹猫がいる。
母猫と、生後4ヶ月半くらいの子猫3匹の母子家庭。
父猫は同居じゃないけど、よく庭をうろついている。


こんなん。いまだに授乳が続いている。母親はいつも「ちっ、しょうがねえな」とでも言いたげな表情で授乳しているが…



子猫2匹は白猫、残り1匹は黒っぽい縞っていうか斑点っていうか、なんかそういった模様入りだ(わかりますでしょうか)。

今回はその黒っぽい子のおはなし。

この子は、一応「しまちゃん」と名づけた(一応ってなに)。
縞が入ってるからだ。わかりやすいでしょ。
しまちゃんは女の子で(たぶん)、しろちゃんたちに比べて身体が小さいけど、
一番度度胸が座っている。
得意技は、ミルクキープ。
おやつのミルクを皆で奪い合うとき(いっぱいあげるとお腹を壊すので少しだけあげる)、
しまちゃんは前足を1本ぐいっとボウルに突っ込んで自分の方に引き寄せ、独り占めして飲むのだ。
可愛い顔して、あなどれない。




そんなしまちゃんは昨日、昼食時にもおやつの時間にも姿を見せなかった(私が起きるのは昼なので、朝食は普通出さない)。
夕方、庭に探しに行くと、「みゃおうみゃおう」という、いかにも子猫らしい声が聞こえた。
しまちゃんだ。

声をたどって探すと、まもなくしまちゃんの所在地が判明した。
塀のむこうの、隣りのアパートの貯水タンク(たぶん)の上で鳴いていたのだ。
塀から落ちてしまったらしい。
こちらとはだいぶ落差がある。
しまちゃんのジャンプ力では戻ってこれない状態。
しまちゃんは、「うええん、どないしよう~」とでも言いたげな顔で鳴いている。





私も困った。
塀をよじ登ってからあそこまで飛び降り、しまちゃんを抱えてまた戻ってくるような芸当は、
私には一生できない。
どないしよう?

母猫ファーちゃんも心配そうに、しまちゃんの声に答えて、ワアワア騒いでいる。
塀の上には父猫しろさんの姿も見える。
娘の窮状を見て心配になったのかどうかは、その無表情からは読み取れないが・・・

(母猫ファーちゃん。この写真ではアサッテの方角を向いているが、きっと心配してたはず)


(父猫しろさん、何を考えているのかさっぱり読めない男だ)



私は何か使えるものがないかと庭を探し、片隅に打ち捨ててあった木材を拾ってきて、
塀のこちら側から給水タンクの方へ渡した。橋渡しだ。
これを登ってきたら、戻れるかも?と思ったのだ。
でもちょっと細すぎるし、安定も悪いから、失敗したら地面まで真っ逆さまかも・・・

しまちゃんはすぐに私の意図を理解し、果敢に棒渡りに挑戦した。


「よし、行くか」


「猫は気合が大事や!」


「あっ…」



しまちゃんが危険にさらされているというのに(さらしたのは私か)、しろさん退場



木材が安定しなかったせいか、しまちゃんは一瞬ぶら下がり状態になり、慌てて元へ戻った。

…あかん。
やはりしまちゃんには自力救出はまだ無理だ。
これは助けを呼ぶしかない。

私は階段を上り、大家さんの孫たちを呼びに行った。

しかし、戻ってきたとき、しまちゃんはファーちゃんと一緒に庭にいた。



あれ?
どうやって戻ったんだろう?
自力でジャンプして戻ってきたとか?
突然3mくらいジャンプできるようになったというのか?
ましゃか…

私は腑に落ちない気分でいたのだが、今日思いがけなく謎が解けた。

今日もまた、しまちゃんは隣りの給水タンクの上でわあわあ騒いていたのだ。
「またかい。君は二日連続で、同じ過ちを繰り返したのかね」と、あきれつつ見守っていると、
しまちゃんはしばらくうろうろした後、昨日私が降ろした木材をスルスルと伝って戻ってきたのだ。
残念ながら、登ってくるところは撮り損ねたが(だって一瞬だったんだもん)…





なるほど。
私が降ろした木材は役に立っていたわけだ。
しまちゃんは登るコツを飲み込んだのだな。


そういえば、しばらく前にはしろちゃんの1匹が、うちの大家さんの給水タンクの上に登って降りられなくなり、
「みや~みや~みや~」とさんざん助けを求めて心配させた後、しばらくしてからあっさり自力で降りてきたのだった。

こうやって子猫たちは、行動範囲を少しずつ広げていくのだろう。
わかってはいるけど、なんだかいちいち心配だわ~



(おまけ)
今日、しまちゃんが騒いでいる近くで、お構いなしに昼寝してた白猫(父猫しろさんとは別の猫)


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