外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

日付不明まとめ書き日記 2015年8月~アレッポ石鹸と鰹のタタキなど~

2015-08-26 16:24:40 | 日記

厳しい夏がようやく終わったと思ったら、今度は急にさむくなった。
天気のやつめ、秋を飛ばしていきなり冬に突入する気じゃないだろうな・・・

では、久しぶりに日記を書きます。まとめ書きですが。


8月某日
残り少なくなったアレッポのオリーブ石鹸の、外側が茶色で内側が緑色の断面を眺めていて、何かに似ているとふと思った。
あれに似ている、あれに・・・

そう、鰹のタタキに似ているのだ。
みどりと赤の違いはあるが。


ほら アレッポ石鹸



鰹のタタキ そっくりでしょう?



8月某日
日本では、季節ごとにビールのパッケージが変わるので楽しい。
今は秋なので、秋バージョンだ。秋バージョンのビールの缶は、赤くてにぎやかだ。
しかし今日、「金麦」の秋バージョンだと思って飲んでいたビール(発泡酒)が、よく見たら「円熟の秋」という名前の別の商品だったことに気づいた。
そういえば、金麦にしてはやけに茶色で、麦茶っぽい味だと思った。
どちらもサントリーの製品で、缶の佇まいが似ているから違いに気がつかなかった。
ちょっとショック・・・


金麦 これは夏バージョン



円熟の秋 秋のビール類はややアルコール度が高めなのでお得(?)



8月某日
去年の11月にヨルダンから帰国して以来、初めて豆腐を箸で食べた。
豆腐はほぼ毎日食べているが、いつもスプーンですくっていたのだ。
だって、あんな柔らかくて崩れやすい食べ物を、あの細くて先の尖った棒ですくうなんて、難易度が高すぎる。

でも、やってみれば、あんがい苦労せずにできた。
私の箸技術もだんだん進歩しているのかもしれない。
なんたって、ネイティブジャパニーズですもの。ふふっ・・・


8月某日
「日本に帰国した中東長期滞在者あるある」について考えてみた。

・公園でゴミを捨てようとしたらどこにもゴミ箱が見あたらない、それなのにどこにもゴミが落ちていない、という状況に衝撃を受ける。

・すぐその辺の人に道を聞く。

・少しぐらいの雨なら、傘をささない。

・花火大会の打ち上げ音を聞くと、条件反射で空爆や爆破テロ事件などを連想して、青ざめる。

・ムスリムでもないのに、豚肉を食べるときになんとなくやましい気分になる。

・肌がむき出しの格好で歩いている女の子たちを見ると、「なんてハラームな」とつい非難がましい目つきをしてしまう。

・車が来なかったら、赤信号でも渡ってしまう。

・電車の中の注意を呼びかけるアナウンス(携帯電話で喋らない等)や、バスの内部に貼ってある注意書き(降車の際、バスが完全に止まってから立ち上がってください等)のあまりの多さに、圧迫感を感じる。


とりあえず思いつくのはこれだけ。しかも私の個人的なリアクション、という気がしないでもない。
中東長期滞在者の皆さん、他の「あるある」を思いついたら教えてね~



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猫椿公園の猫たちと猫おばさん

2015-08-23 16:30:32 | 
シャ~~!


前回の記事の終わりにも書いたが、うちのアパートの近くにある猫椿公園(仮名)は、野良猫が常時2、3匹待機している猫スポットだ。


春に撮影した公園の様子 椿てんこもり



ここに引っ越してきたのは去年の12月だが、この公園の存在に気がついたのは今年の3月後半。
もっと早く気がつけばよかった・・・と自分のトロさを悔やんだものだ。

今回は、当時ここに出入りしていた猫たちをご紹介しよう。

ものすごいダミ声だが人なつこくて、いくらでも撫でさせてくれる茶トラの大猫
「そらちゃん」という名前だと、子連れで公園に来ていた若いお母さんに教えてもらった



戦闘態勢



左は、そらちゃんと同時期にここに出入りしていた美猫



このこも綺麗 背景の椿がよく似合っている



猫スポットには猫おばさんがもれなくついてくると、相場が決まっている。
猫おばさんとは、野良猫に餌付けする中年以上の女性のこと。
私も一応そのはしくれだが、毎日欠かさず餌付けするのではなく、
2、3日に一度、出来る時にしかやらないので、猫おばさんヒエラルキーの中ではかなり低い位置にいると思われる。

以前この公園で出会った女性は、大きな薬の空き容器に3種類のドライフードを詰めて持ち歩き、
ミックスして配っていた。いかにもこの道のプロっぽい、しっかりした感じの小柄な年配の女性。
彼女は毎日ここに通っているようだった。

しばらくご無沙汰したある日、久しぶりに公園に行ってみたら、猫が1匹もいなかった。
あら~と残念がっていると、その猫おばさんがやって来て、片隅にエサを置きつつこう教えてくれた。
「ここにそらちゃんっていう猫がいたでしょう。あの子、殺されたらしいよ」

え・・・とショックを受けている私に、彼女は説明してくれた。
「保健所の人に聞いた話だけどね、かなり残酷なやり方で殺されたらしいのよ。
そらちゃんは人なつこいから、子供たちにも人気があったのに。ひどい話でしょ」

そういえば、そらちゃんのダミ声が聞こえないなあと、私も思っていたのだ。
以前はそらちゃんが他の猫と喧嘩している声が、うちのアパートまでよく聞こえていたのに・・・
やはり、野良猫はあまり人に慣れてはいけないのだ。
この世界には危険がいっぱいだから・・・


そらちゃんの冥福を願います




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ババロアと蓮根とアラクと猫

2015-08-21 21:08:25 | グルメ


しばらく前、ババロアっぽいものを作ろうと思いついて適当に作ったら、ほんとにババロアができたので驚いた。

材料は生クリームと牛乳と卵黄と砂糖とゼラチン。
紅茶のティーバッグを使ってロイヤルミルクティー味にし、カルダモンで風味を付けた。


生クリームや卵黄の泡立てに活躍してくださったのがこの方だ



見た目はこんなだが、味はれっきとしたババロア



生クリームを入れすぎたので(牛乳2:生クリーム8の割合)、少々しつこくなった。
しかも豆腐1丁分くらいあったので、3日かかってようやく食べ終えた。

でもお菓子作りって、たまにはいいですね。
そういえば、小学校の卒業文集に書いた私の将来の夢は、「手作りケーキ屋さん」であった。
あのころは自分という人間を全然わかっていなかったのね・・・ふ


ババロアを作った日は、妙に料理意欲が高かったので、夕食に珍しく蓮根のキンピラも作った。
切った蓮根をごま油で炒めて、砂糖と醤油で味付けしただけだが(うちにはみりんがない)、
こういう普通の料理を作ると、「私にもちゃんとした和食が作れるんだ」という妙な自信が湧き上がってくる。
錯覚ですかね・・・


蓮根のキンピラ、まあまあ美味しかった。左はキュウリとトマトのマスタードヨーグルト和え。こちらはかなりマズかった・・・



話は変わるけど(いや大して変わらないけど)、最近ヨルダン帰りの友達に「アラク」をもらった。
アラクはクセのあるアニス風味の透明な蒸留酒で、水で割ると白濁する。
いただいたのはヨルダン製の50%の強いやつなので、だいぶ薄めて飲んでいる。
これを飲みながらネットでトルコの恋愛ドラマなんかを見ていると、すぐにでもイスタンブルに飛んで行きたくなって、いてもたってもいられなくなるので困る。
そういう危険な酒なんです、アラクは。


アラクの瓶はあまり畳に似合わないと思う



見れば見るほど美しい瓶だ うっとり



最後に、うちのアパートの近所の公園の常連猫たちの写真をちょっと。
彼らについては、また詳しく報告したいと思う、いんしゃーあっらー。


窓からみた公園 2匹で何を相談しているのか



この子も最近いつもいる。自分が納得したエサしか食べないグルメ猫



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シリア北部のクルド人地域ROJAVA(ロジャヴァ)って、どこ?

2015-08-18 02:47:03 | クルド


最近、日本はますます秋めいてきましたね。
涼しい風が吹くし、夜は虫の鳴き声が聞こえるし。
よかった、今年もなんとか夏を越せたようだ・・・
うちの実家では、今年も鈴虫が大量に孵化して、りりりり鳴いているそうだ。
鈴虫はいかにも虫ってかんじで、気味が悪いと私は思うが、両親はこよなく愛しているらしい。


ウィキペディアから取った鈴虫の写真。虫だなあ



私の好きな「秋味」も発売された。日本のビールの季節感はだいすきだ



最近トルコ情勢が激しい展開を見せているので、ニュースをチェックするのに忙しかった。

トルコのTVは概して政府寄りで、ISを放置してPKKの方を熱心に叩くというエルドアン大統領の方針にツッコミを入れる報道などにはお目にかかれない。
PKKについて言及するときは、必ず「terör orgütü」(テロ組織)という枕詞を付けるのがお決まりだ。
「テロ組織といえばPKK、PKKといえばテロ組織」という図式を、トルコ国民の潜在意識に刻み込もうとしているかのよう・・・
もちろんPKKはテロ組織だし、やってることはテロなんだけど、それを一方的に非難して、彼らがテロを行っている理由であるトルコ政府の政策には一切触れないっていうのもどうかなあ~と思う。

こんな偏ったニュースばかり見ていたら洗脳されかねないので、、私はTRTなどの王道トルコニュースを追うと同時に、クルド系サイト「Bestanuce」(のトルコ語ページ)の定時ニュースの録画も見るようにしていた。このサイトでは、「エルドアン率いるファシスト政党AKP」とか、「罪のないクルド人の一般市民を虐殺し、国家テロを行うエルドアン政府」などという、これまた極端な報道がなされている。くらくらくら

これ以外にも、アラブニュースも追わなきゃいけないし、トルコドラマも見ないといけないし(どっちも趣味ですが)、なんだかいくら時間があっても足りない・・・なにしろ10時間近く寝ているので、起きている時は妙に忙しいのだ。ハトや猫の餌付けもあるし。
やっぱりアラブニュースに専念しようかなあ・・・

私はこれまで、あまりトルコやクルドのニュースを追ってこなかったので、知識が非常に乏しい。
シリアのクルド関係のニュースでよく出てくる「ROJAVA」(ロジャヴァ)がどこかも知らなかったのだが、ふと気になって調べてみた。

ロジャヴァとは、シリア北部のクルド人多数居住地域で、ここに独立国家を建設するのがクルドの悲願のようだ。
シリアのクルド人部隊YPG(クルド人民防衛隊)は、近隣諸国から派遣されたクルド諸部隊やアメリカの率いる有志連合の支援を得てISと戦いつつ、着々と支配地域を広げて自治を行っている。つまり、悲願達成にかなり近づいているわけだが、それを何が何でも阻止したいトルコ政府は、このロジャヴァを2つに分断する形で、クルド人部隊不在の「安全地帯」を設置しようと画策している。YPGのバックにいるアメリカが、そのトルコの動きに水を差したりしているが。


ロジャヴァは3区域に分けられる。東からジズレ、コバニ、エフリン(「Anarchist Writers」という怪しいサイトで使われていたトルコ語の地図)



トルコ政府が設置しようとしている「安全地帯」は、「KOBANE」と「AFRIN」の間の黒いシマシマんとこ



ついでに、ウィキペディア英語版に載ってた1976年当時のシリアの民族・宗教分布図



クルドの野望、どうなるんですかね~・・・
個人的には、クルド人に独立国家を持たせてあげたいと思う(私がなにかするわけじゃないけどさ)。
歴史的にこの地域に住んでいて、人数も全然少数じゃないわけだし、その権利は十分あると思う。
でも、独立国家を作る場合、その地域に住むアラブ人やトルクメン人などの他民族を追い出したり、差別したりしないで欲しいよな、とも思う。
現在YPGは制圧した地域から、アラブ人やトルクメン人を強制退去させているとよく聞くし・・・


みんなで仲良く暮らそうよ~・・・





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ハトと少女と私

2015-08-14 18:25:34 | ハトやスズメなど


先日も書いたが、私はハトを餌付けするのがだいすきだ。

日暮れ前、近所の某スーパー前広場の片隅のベンチに座って、チューハイか発泡酒を飲みつつハトにパンくずをばらまくのが、私の娯楽のひとつだ。

手順としては、
1.まず近所の安惣菜屋で買った耳付きのサンドイッチを食べる。その際、耳部分と具の入っていない部分のパンをハトのために残す。
2.残したパンを、ハトが食べやすいようになるべく細かくちぎる。
3.そのへんを徘徊しているハトにパンくずを投げる。
4.それをどこかから見ていた別のハトたちが、わっと集まってきて奪い合う。
5.なるべく均等に行き渡るよう注意しながら、少しずつパンくずを投げる。
6.パンくずがなくなったらゲームオーバー。
という具合だ。

ハトの餌付けはタイミングがむつかしい。
日がとっぷり暮れて暗くなったら、ハトたちはおうちに帰ってしまうので、エサをあげる相手がいなくて寂しい思いをすることになる。
(彼らはおそらくスーパーの屋内駐車場の最上階辺りに住んでいる)
一方、あまり早い時間に行くと、ベンチに日が照って暑いし、しかも犬の散歩の人が多過ぎてハトが落ち着かない。
現在は大体17時半から18時くらいに開始するのがベストだ。
それにしても、犬の散歩中の女の人たちは、どうやったらあんなに長い間立ち話ができるのか。
疲れて座りたくなったりはしないのだろうか(余計なお世話か)

私がハトを餌付けしていると、周りで遊んでいた子供が寄ってくることがたまにある。
子供という生き物には、ハトの群れを蹴散らして楽しむというシャイターン(悪魔)のような習性があるので、彼らが寄ってくると私は人相が悪くなりがちだ。
しかし、中にはハトをいじめず、魅入られたようにその食事風景を凝視する子もいる。
そういう見所のある子供たちにはパンくずを分けてあげ、一緒にエサやりをすることにしている。
将来のハト好きを増やすための、啓蒙運動の一環である。


これは全然関係ない近所の猫たちの餌付け風景 中休みに~



まだ暑くなる前、いつものようにハトの餌付けを楽しんでいたある日、小学校中学年くらいのおかっぱ頭の可愛らしい女の子と出会った。
その子はきみどり色の地に白い水玉の入ったワンピースを着て、明るい赤のカーディガンを羽織り、チェックの肩掛けカバンを斜めがけしていた。

しゃがみ込んでハトに見入るその子に、私はパンくずをひと握り渡してあげた。
女の子は嬉しそうに受け取り、「食べてるねえ。可愛いねえ~」とつぶやきながら、1個ずつていねいに投げていた。

しばらくしてその子は、私の顔を見ずに、唐突にこう言った。
「お父さんはウシクに住んでるの」

ウシク?
ウシクってどこ?
東京都牛区?
牛区とか馬区とか犬区とか猫区とか、聞いたことないけど・・・
(後で調べたら、茨城県牛久という地名を発見したので、そこかもしれない)

私は質問してみた。
「ウシクってどこ?東京?」

女の子はそれには答えず、少し沈黙した後、さらに言葉を重ねた。
「お母さんは埼玉に住んでるの。
お母さんはめったに家に帰ってこないの。
お母さんは忙しいの」

子供って、突然語りだすことがあるんだよな・・・

話を総合すると:
女の子はお父さんと一緒にウシクに住んでいる。
お母さんは別居中もしくは離婚済みで、埼玉在住。めったにウシクには行かない。
女の子は一時的にここ埼玉の母親の許に来ていて、お母さんが留守の間1人で遊んでいる。
という状況だと推測できた。

女の子はこういった身の上話を、ハトたちを眺めながら見知らぬ私に淡々と話すのだった。
その小さな背中からは寂寥感がじわじわとにじみ出て、私のそれと混ざり合う。

何も言うことが見当たらないので、引き続き一緒にハトと戯れていたら、
やがて、30代後半くらいの小柄な女性が現れ、猜疑心に満ちた表情で近づいてきた。
「○○ちゃん、お母さんが呼んでるよ。おうちに帰ろう」
どうも彼女は女の子の母親の知り合いで、女の子を呼びに来たようだった。
女の子が明るいうちから酒を飲んでいる怪しい女(私)と一緒にハトにエサをやっていることが、あまりお気に召さなかったようだ。
まあ、そりゃ無理もないですが。

女の子は素直にうなずいて立ち上がり、「ばいば~い!」と私とハトに手を振ってから、その女性に連れられて行ってしまった。

私はエサやりを終了して再びベンチに座り、チューハイの続きをちびちび飲みながら、少しの間女の子の人生に思いを馳せた。


これはイスタンブルのかもめ かもめの餌付けはハト以上に楽しい






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