外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

おじさんとハト

2015-07-30 17:58:50 | ハトやスズメなど


ハトにパン屑をあげるのは、私の趣味の一つだ。
でもこれを人前でやると、周りの人達に迷惑そうな視線を向けられたり、注意されたりするので、けっこう気を遣う。
近所に1ヶ所、良いエサやりスポットを見つけたので、そこではリラックスして堂々とやっているが、
それ以外の場所では、万引きのようこっそりやる。

例えば、ハトたちがお尻をフリフリ歩き回って、街ゆく人々を物欲しそうに見上げているのを路上で目撃した場合、
私は忍び足で近づき、携帯しているパンをカバンの中からサッと取り出して細かくちぎり、
ハトめがけて手裏剣のように投げつけるのだ。
ハトたちは一瞬驚いて飛びのくが、すぐにエサだと理解してついばみ始める。
すると、その様子を周辺の建物の上から観察していた他のハトたちがワッと集まってきて、2、30羽の群れになって奪い合う。
私はそれをチラッと確認しつつ、自分が犯人(?)だと周囲にバレないよう、足早にその場を去るのだ。
我ながら、とっても挙動不審だ。


ハト・ハーレムを楽しむ私(の脚)



以前公園でハトにエサをあげたとき、年配の男性に注意されたことがあるので、
おじさんは一般にハト嫌いかと思い込んでいたが、そうではないということに最近気づいた。
駅前や商店街の片隅のベンチなどで1人で食事をとっているおじさんが、ハトにおすそ分けをしている姿を何回か目にしたのだ。
これは嬉しい発見だった。

やっぱりハト好きのおじさんもいるのね。
そうよね、ハト、可愛いもんね。
あのよちよちした歩き方といい、ふっくらした体型といい、ひとなつっこさ(?)といい・・・
何かあげたくなるよね~

でも先日、行きつけのスーパー前の駐輪場で、特殊な方法でハトにエサをやっているおじさんを見たときは、少しの間凍りついてしまった。
彼は小袋に入った豆らしきものを食べていたのだが(距離があったのでよく見えなかった)、
まず豆(?)を自分の口に放り込み、数回咀嚼した後、足元に吐き出していたのだ。
すると、ハトたちがすかさず近寄って、それを食べる。
なくなったら、おじさんがまた豆を噛んで吐き出す。
それをハトたちが食べる。
その繰り返し。

・・・は、ハトよ、おじさんの唾液が混ざったエサでもいいのか?

ハトが選り好みせず、けっこうなんでも食べるのは知っていたが(いなり寿司の甘辛いお揚げさんは食べなかったけど)、
何となくショックな光景だった。
でもハトたちもおじさんも幸せそうだから、問題ないのだろう。
細かく噛み砕いてからあげるのは、きっとおじさんのハトへの愛情の現れ。

そんなわけで、ハトのエサやりも、あんがい奥の深い世界なのかもしれない。


ハトは人間にエサをねだりに行く時、ペアで行動することが多いようだ。夫婦?



ううっ・・・

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東京ジャーミイではイード・フェスティバルも盛り上がる

2015-07-23 17:56:53 | グルメ


日本では毎日毎日毎日毎日蒸し暑い日が続きますね。
この夏を無事に越せるのか、我ながら自信がない(毎年言ってるけど)。
もう、何をするのもしんど~い。へなへな~

しかし、東京ジャーミイでイード・ル・フィトル(断食明けの祝祭)のイベントがあると聞いたので、
18日、気力を振り絞って早起きして(午前11時起床)行ってきた。
その時の写真を載せますね。よっこいしょ・・・

東京ジャーミイに関する以前の記事はこちら
東京ジャーミイでイフタールに参加した時の報告記事はこちら

1時過ぎからモスクで「聖クルアーン朗唱とイスラミック寸劇&ナシード」を見学し、
その後階下の大ホールでバザーを眺めたり、買い食いしたりして過ごした。


イード仕様の東京ジャーミイ 紅白の飾りでめでたさを演出



モスクの中はいつも通り



クルアーン朗唱 トルコ人イマーム(宗教指導者)が朗唱し、日本人ムスリムの前野さんが通訳。その後2人でナシード(宗教歌)を斉唱



子供たちもおとなしく聴いていた



そのあと上演された素人ムスリム劇団による寸劇「ファジュル(夜明け)の礼拝の大切さ」は、この日のイベントの白眉であった。
早朝に起きて礼拝しようとするオマル君を、シャイターン(悪魔)があの手この手で邪魔しようとする、というストーリー。
当然最後にはオマル君がシャイターン撃退に成功し、爽やかに目覚めてファジュルの礼拝を行うのだ。
主役の2人の演技がかなり上手く、話自体もわかりやすいので、子供たちに大ウケしていた。
シャイターンを演じていたのは上述の前野さん。前野さん、大活躍。


このシャイターンのお面、ムンクの「叫び」の人の死神バージョンですかね・・・



劇が終了した後、1階の大ホールを覗いてみた。


ハラールフードやトルコ製品等のバザーの他、手の平にヘンナで模様を描いてもらうコーナー等もあって充実



こういった場に、トルコケバブは欠かせない



もちろんドンドゥルマ(トルコアイス)も必須



「本当に今日だけ」と書かれた張り紙付きの高級トルコランプ そう書かれると余計疑いたくのが人情なのでは



トルコ料理販売コーナー イチュリ・キョフテ(アラブではクッベと呼ばれるミンチ入りの揚げ物)を食べたかったが、値段を見て断念。た、高い・・・



その代わりに、ダマスカス出身のシリア人の好青年が売っていたアラブ風の丼ものを買う。オリジナル料理らしい



ミンチと野菜の炒め煮をご飯にのせたもの。塩分やスパイスが控えめで、ほんのり優しい味。これを買ったのは正しかった



ハラールの餃子や唐揚げなどを売っていた一角 チキンカツ(300円)を買って帰って晩御飯にした。ふつーに美味しかった



チキンカツはこの会社の製品。ハラールフードのケータリングキッチン
http://topamenity.co.jp/oishii-ichiran


アラビア書道コーナー。アレッポ出身のシリア人の若者が真剣な眼差しで書いていた。このイベントには、トルコ人に混ざってシリア人も参加していた



シリア製品も展示してあった。買いたかったけど、どれもお高くて・・・



常設の物販コーナーにはこんなものが。マレーシアのキューピーマヨネーズ



というわけで、東京ジャーミイのイード・フェスティバルは、予想以上に盛りだくさんだった。
出かけたときは、早起きのせいでテンションが相当低かったのだが(1人だったし)、気がついたら満喫していた。
皆様も機会があればぜひ参加してみてくださいませ。
次はイード・ル・アドハー(犠牲祭)ですかね・・・


右は物販コーナーで400g=600円で売っていたサウジ産デーツ、値切ったらあっさり500円にしてくれたので買った。
東京ジャーミイはトルコの飛び地なので、値切りが効くのだ。
左側はアラビア書道コーナーで成り行きで書いてもらった自分の名前の紙。どうしよう、これ・・・玄関ドアにでも貼ろうか




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モロヘイヤスープとバナナラッシーと扇風機

2015-07-18 00:51:39 | グルメ


世界の多くの国々と同様、日本でもイスラームの断食月ラマダーンが16日の日没に終了し、17日からイード(断食明けの祝祭)に入った。
ムスリムの皆様、イードおめでとうございます~。

さて。

日本は最近急に暑くなったが、皆様は如何お過ごしだろうか。
私は、暑さと湿気のせいでなかなか眠れなかったり、持病のアトピーが悪化したりして、
なんだかもう何をやる気もせず、いつも以上の無気力モードに入っている。(とか言って、ブログ書いてたりはするんだが・・・)
普段も相当だらだら暮らしてはいるが、ここ数日は「だらだらだらだらだらだらだらだら」くらいまでレベルアップしている。
起きる時間もだんだん遅くなり、午後3時とか4時頃になっている。
あ~だるい・・・

暑くなる前、若干気合を入れてアラブ料理のモロヘイヤスープを作った。
といっても、モロヘイヤの葉を乾燥させて、玉ねぎとニンニク少々と共にフードプロセッサーで粉砕し、鶏の胸肉の塊でとったスープで煮るだけ。
味付けは塩コショウとレモン汁(合成品)。茹でた鶏肉は細切れにして一部をスープに戻し、残りは中華風の胡麻だれをかけて食べた。
ひと手間で2品できると、かしこい主婦になったような気分になる。一瞬ですけどね、ふ。
モロヘイヤを干したのは、冷蔵庫で数日放置したら傷みそうになっていたから。応急処置としてとりあえず干してみたのだ。
新鮮なものをそのまま使ったほうが美味しいと思う。もしくは冷凍。


玄関の靴箱(食器棚として使用)の上で干されるモロヘイヤ 妹にもらった謎の動物のキーホルダーが見張り番


出来上がり図 アラブ風ピラフにかけて食べた



葉の乾燥が中途半端だったせいか、あまり細かく粉砕できず、本来のドロッとしたスープとは違うものができたが、味は美味しかった。
モロヘイヤってなんて素晴らしいんでしょう、うっとり・・・

モロヘイヤスープについては、ヨルダン在住の料理上手な私の友人もブログに書いている。
この友人はヨルダン人男性と結婚していて、アイドル並に可愛い4人の子持ち。「たま」というクラシックな名前のたぬきっぽい猫も同居している。
まっとうなモロヘイヤスープを作りたい人は、このリンクに載っているレシピを参考にしてくださいませ。
http://jordanseikatu.blog.fc2.com/blog-entry-16.html

モロヘイヤスープ作りを達成した勢いで、次はマクルーベ(肉や揚げ野菜をのっけたアラブの炊き込みご飯)に挑戦しようと思ったが、
ダラダラしているうちに日々が過ぎて、暑くなってしまったので、秋まで延期することにした。
もう野菜を揚げるどころか、プチトマトのヘタを取るのも億劫なくらいだ・・・

私は起き抜けにエスプレッソを飲むのが日課だったのだが、
こう暑くては熱いコーヒーを飲む気にもならない(起きる時間帯のせいもあるのだが)。
それで、昨日はバナナラッシーを作ってみた。
ラッシーは簡単に作れて美味しいと、友人が教えてくれたのだ。


バナナとヨーグルトと牛乳をフードプロセッサーで攪拌するだけ(この写真、どうして撮ったんだっけ・・・暑さボケか)



出来上がり図 例によって靴箱の上で謎の動物のキーホルダー同伴



牛乳とヨーグルトに対してバナナの量が足りないように感じたが、まあまあだった。
バナナはナイフを使わず、水洗いもせずに食べられるところがステキだ。
夕食の野菜のケチャップ炒めにもバナナ(とパイナップル)を入れてみたのだが、南国の香りのする一品となり、なかなかよかった。
これから当分、バナナと豆腐を主食にして生きていこうと思う。


暑さ対策として、扇風機も買った。
以前買ったきみどり色の小さいやつ(この記事参照)は、「それはおもちゃやろ」との姉の指摘通り、扇風機として何の役にも立たなかったので、やや大きめの黒いやつを買い直した(1000円弱)。羽を内蔵した部分がホットケーキサイズなので、これもパワー弱めだけどそれなりに涼しい。

扇風機対決 ぶう~ん



ああ、夏のない世界に住みたいな・・・

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自爆テロ現場に居合わせちゃった時どうする?

2015-07-15 17:43:41 | 中東ニュース


今回は、NESANNEWSというヨルダン発のアラビア語ニュースサイトの実用的な(?)記事を取り上げる。
タイトルは、「テロリストっぽい人がいると気づいたとき、どう対処すればいい?」。
http://www.nesannews.com/news?c=74&view=12375

ここ数年、シリアやイラクを中心に自爆テロ攻撃が飛躍的に増えている。
日本で発生することは当分ないかもしれないが、海外となると話は別だ。
特に中東地域では、ヨルダンのように今のところ治安の良い国であっても、その発生の可能性を常に念頭に置いて行動する必要が出てきている。
イヤな世の中だが、「備えあれば憂いが減るかも」という諺もあることだし(ちょっと違う~)、
一種の避難訓練だと思って、自爆テロ現場で取るべき行動をシュミレーションしてみるのも悪くないだろう。


(記事要約)
まず、自爆テロをしようとしている人物の見分け方:

1.緊張した面持ちで落ち着きがない。
2.汗をかき、不自然な歩き方をしている。
3.着用している爆弾ベルトが人目につかないよう、身体のサイズに合わないダボっとした服を着ている。
4.テロの標的に視線と意識を集中しているため、話しかけられても完全無視。


次に、テロリストを取り押さえた場合の注意点:

起爆装置のボタンを押すのを阻止するため、両手を上にあげさせて、しっかり掴んでおく。


最後に、最悪の事態(爆発)が起こってしまった場合の対処方法:

1.破片は上方に飛ぶことを考慮し、即座に腹ばいになって伏せる。その際、爆心地に足を向け、頭を反対側に向けること。
2.両手でなるべく首と頭部を覆う。
3.肺への圧力の変化を防ぐため、口を開ける。
4.第2の自爆攻撃が発生する可能性があるので、爆発が収まったら速やかにその場を離れ、あとは救急隊員や警察にまかせる。

(以上)


<おまけの猫写真>
かつてパレスチナの東エルサレムで下宿していた家の庭で撮影したもの。以前もアップしたかもしれないけど・・・
すさんだ話題の後は、猫を見るのが一番ですね~



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アラブ世界が誇る健康食品ハッバト・バラカ

2015-07-14 18:41:06 | グルメ


ハッバト・バラカは、アラビア語で「祝福の種」という意味だ。
ハッバト・サウダー(=黒い種)や、ブラック・クミンとも呼ばれる。どうやらクミンの仲間らしい。
小さい黒ゴマのような地味な見かけだが、その中には体に良い成分がみっしり詰まっていると言われている(主にアラブ世界やインド周辺諸国で)。


花はこれ。清楚なような邪悪っぽいような・・・キンポウゲ科クロタネソウ属の1年草で、和名はニオイクロタネソウ(写真はウィキペディアから借用)



私がハッバト・バラカの名前を初めて聞いたのは、ヨルダンの首都アンマンに住んでいる時だった。
アパートの前に座っておやつを食べていた大家さんが、通りかかった私にカアク(太めのグリッシーニみたいなビスケット)を分けてくれ、
「この上にまぶしてある黒い粒は、ハッバト・バラカといって、すごく体にいいのよ。
死以外のあらゆる病気を治すと言われてるのよ」と教えてくれたのだ。
「ハッバト・バラカは死以外の万病を癒す」という記述は、ハディース(預言者ムハンマドの言行録)に載っているそうだ。


これがそのときもらったカアク。カリッと香ばしくて美味しかった。ハッバト・バラカの味はよくわからなかったが



大家さんのファーティマさん(一番奥右のかわいいおばあちゃん)とその家族。アパートの建物の前庭的スペースでよく一家でお茶を飲んでくつろいでいた・・・この逆ハーレムな光景、懐かしい・・・



アルジャジーラ・ネットの記事に載っていたハッバト・バラカの医学的効果は、痛み止め・傷の治癒・抗ガン作用(特に腸のガン)などなど。
抗ガン作用に関しては、「米国のガン治療研究所の実験で明らかになった」との注釈付き。
こういう注釈をつけないと信憑性がないことを自覚しているあたりがステキ・・・
摂取の仕方としては、「パン類またはサラダの上に散らして食べる。細かく挽いて水に混ぜて飲んでも良い」とある。
いずれにせよ、ほんの少量のみを摂取するようにと指示されている。
・・・たくさん食べたらどうなるんだろう?

食用だけではなく、ハッバト・バラカの成分入りシャンプーや石鹸もヨルダンでは売られていた。
こちらは抜け毛や皮膚の不調等に効くらしい。私もヨルダンでは愛用していた。

以前、タムル(デーツ)に関する記事に登場してもらったヨルダン在住の友人佳子さんは、ハッバト・バラカをパンやケーキ、クッキーを作るときに使っているそうだ。

佳子さんのイメージキャラクター「忍たまの給食のおばちゃん」。本人はもっと若いんですがね


パンやお菓子以外にも、「白チーズと一緒に漬けると香りが出るし、一緒に食べても美味しい」とのことだ。
また、彼女はこれでマッサージオイルも手作りしているらしい。
「オリーブオイルに数週間漬けておくとマッサージオイルになるよ。膝、肩、腰にいいらしい。ミントも入れると爽やか!」
佳子さんちはオリーブオイルも自家製。このオイルを塗ったらお肌がつるつるになりそうな予感がする。


佳子さんお手製の、ハッバト・バラカを散らした手作りパン。うっ、食べたい・・・(佳子さんが撮影した写真を借用)



ハッバト・バラカは、日本ではAMAZONなどで購入できるようです。
「上野のアメ横にあるインド系スパイス屋さんで売られている(インド名はカロンジ)」という情報をネットで見つけたので、
アメ横に行った時に探したけど、見つからなかった・・・しくしくしく。


ハッバト・バラカ(=ニオイクロタネソウ)情報はこちら:
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/herb/db/plant/111_120/nigella_sativa.html







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