外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

カスピ海の下に横たわる猫

2015-04-15 17:10:46 | 日本における中東


先日、日本語ペラペラのイラン人通訳の男性と言葉を交わす機会があった。
彼は仕事の合間に日本語の新聞を読んで暇をつぶしていた。
日本在住歴ウン十年だろうか・・・

以下、彼との会話を適当に要約して再現してみます。
「み」は私、「ぺ」はペルシャのぺ、イラン人通訳さんのことです。( )内は私の心のつぶやき。


み「私はシリアやエジプト、ヨルダンに住んだことがあるけど、イランは行ったことないです。いつか行ってみたい」
ぺ「今挙げたアラブのどの国よりも、イランのほうが発展した都会ですよ」
み「え・・・」

(いきなりこういう出方をするとは・・・イラン人ってあなどれない)

み「え、え~と、でもヨルダンの首都アンマンはけっこう都会ですよね(と、一応アラブを弁護してみる)」
ぺ「そうね、まあヨルダンはね」

(ほ。よかった、同意してくれて・・・)

み「イラン(ペルシャ)は昔から文化が発展しているんですよね」(高校や大学の歴史でそう習った)
ぺ「そうなんですよ。でもアラブにはあんまり文明がない」
み「う・・・ま、まあ、それはそうですね」

(また出た・・・イランとアラブって、ホンマに仲悪そうや~。
 しかし実際、ペルシャ人の方がアラブ人よりずっと文化度が高そうだから、反論できない。イラン映画レベル高いし)

み「で、でも、イエメンには古代文明がありましたよね(まだアラブを弁護する努力を捨てない私)」
ぺ「あ~、そうですね。イエメンは昔、イランの領土だったから。バーレーンもそうですよ」

(ええ~、バーレーンはともかく、イエメンがイランの領土??初耳だわ・・・)
後で調べてみると、確かにウィキペディア日本語版の「イエメン」の歴史の項目に、
「575年 - サーサーン朝ペルシャの支配を受ける」と書いてあった。

み「じゃあ、イランは昔広かったけど、小さくなっちゃったの?」
ぺ「そうです」
み「今からまた大きくすればいいんじゃない?(アラブ諸国が抱いている疑惑について、遠まわしにさぐりを入れる私)」
ぺ「いやいや、それはないです」

というわけで、イランの中東覇権の野望は、少なくとも彼にはないようだった。
ちなみに、「トルコには文化がありますよね?」と訊いたら、「そりゃあ、もちろんあります」と即答してくれた。
よかった、「トルコにも文化がない」とか言われたらどうしようかと思った・・・。

そういえば、「日本についてどう思いますか?」と質問するのを忘れたな~

ちなみに、表題の「カスピ海の下に横たわる猫」は、イランのあだ名です。
かつてフィレンツェで出会ったイラン人留学生の男の子が教えてくれたのだ。
そう言われてみれば、なんとか猫に見えないこともない・・・かな?耳のあたりとか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする