外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2017年10月のトルコ旅行のこと~シリア国内教育支援プロジェクト「Little help is enough」

2017-11-28 17:42:28 | トルコ

10月にトルコに旅した際、友人の田村佳子さん主宰の「みんなで作るシリア展」からのお金を預かって、トルコでシリア国内支援をやっている団体・個人に寄付金として届けたと前回の記事に書いた。(前回の記事はこちら

トルコ南東部のガジアンテプでは、ここを拠点としてアレッポ県を中心にシリア国内の教育支援を行っているウサマ氏(アレッポ出身)を訪ねていき、寄付金を手渡した。

ウサマ氏は「Little help is enough」というプロジェクト名で個人的に活動しており、現在は主に日本の2つのシリア支援団体、「イブラワハイト」と「Piece of Syria(ピースオブシリア)」からの寄付で活動資金を賄っているとのこと。私が彼を訪ねたのも、友人の山崎やよいさん(イブラワハイトの発起人)の紹介による。国際協力NGO「NICCO」からの援助を受けたこともあるそうだ。

説明によると、彼はシリアで紛争が始まってから、教師としてアレッポの学校で英語などを教える傍ら、色々な学校を見学して歩いたという。その結果、支援が必要であることを理解して、活動を開始。学校教育関連の燃料、冬物衣料、食料(おやつ)、ヒーター、発電機、授業用コンピューターなどを購入して配布。教師の給料も一部支給し、安全対策としてタクシーによる生徒の送迎サービスなども提供している。また、学校以外では、7つの診療所に発電機を寄付した実績がある。

現在は、空爆があっても安全な学校づくりを目指して、アレッポ郊外の地下洞窟内で、学校設備を整えるのに力を入れているそうだ。





「Little help is enough」のフェイスブックのページ
https://www.facebook.com/Little-help-is-enough-1601143873430865/?fref=ts


(終わり)
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2017年10月のトルコ旅行のこと~シリア支援協会ウィファーク

2017-11-24 20:02:38 | トルコ


10月にトルコに旅するにあたって、友人の田村佳子さんから、彼女が主宰しているシリア支援プロジェクト「みんなで作るシリア展」で集まったお金の一部を預かり、トルコを拠点としてシリア国内支援をやっている団体・個人に寄付金として届けることになった。つまりインターナショナルな飛脚をやったわけだ。

イスタンブルでは、ダマスカス郊外東ゴータへの支援を行っている「ウィファーク」という団体に寄付金を渡しに行った。トルコ人の友人Aさんがここで働いている関係で、彼がフェイスブックで発信する記事や動画を通して活動内容は概ね把握していたが、事務所を訪ねて直接話を聞くのは今回が初めてだった。


ウィファークの事務所は、敬虔なムスリムが多いファーティハ地区にある。今回の写真は全てカメラ女子(?)の妹がごつくて重いカメラで撮影したもの



現地での支援の様子を記録した動画を見せてもらったりしながら、活動状況の説明を受けた



ウィファークは、ダマスカス郊外東ゴータの現地で活動している9つの人道支援団体を傘下に置いて統括し、活動のコーディネート、事務や経理、SNSでの情報発信、寄付金集めや現地への送金などを行っている。9団体が全く別々に活動するよりも、連携したほうが効率がいいし、かかる費用も軽減できるとの考えから生まれた組織らしい。Aさん以外のメンバーは全員シリア人。9団体のうち3つはシリアで反体制運動が始まる以前から活動している。現地では約200人が活動に携わっており、イスタンブル事務所に勤務しているのは10人。そのうち6人はボランティアだ。

東ゴータは反体制派支配地で、2012年からずっとシリア政府軍とその同盟勢力の封鎖を受けており、国連等の支援物資が届かない。最近、東ゴータで食糧・医薬品等の欠乏のため死に直面している子供達や病人の様子がメディアで取り上げられることが多いので、シリアに関心を持っている人はこの状況をご存知かもしれない。


封鎖のため、電気やガス、水道の供給が止められ、あらゆる物資が不足しているが、この地域を統治する地方評議会には学校教育や貧困家庭への支援を提供するための予算も組織力もない。このため、地元の民間団体が支援活動を担っている。東ゴータの人口は約35万人といわれ、資金も物資も極めて限定されている中で、支援が全体に行き渡るのは不可能だろうが…

説明によると、ウィファーク傘下の諸団体は、14の学校の運営、孤児約1500人への教育支援、2歳以下の乳児約7000人への粉ミルク支給と妊婦のケア、貧困家庭の女性の就労支援、貧困家庭への食事支給、障害者の作業所運営、栄養失調の子供約1500人へのミルクやビスケットの配給などを実行している。砲撃や空爆のため負傷したり、手足を失ったりした障害児を元気づけるための料理コンテスト等のイベントを実施する団体もあり、その動画を見せてもらった。

ロシア・イラン・トルコの主導(っていうか、プーチン大統領の主導)によるシリアの「和平」をめぐるアスタナ協議で、東ゴータは緊張緩和地帯のひとつとされたが、政府側の空爆や砲撃は止むことがなく、むしろ激化している。10月6日には、粉ミルク配達時に空爆があり、作業をしていた5人が死亡、3人が負傷したという。


お茶とシリアのお菓子をいただきつつ話を聞いた。サクサクした胡麻クッキーは「バラーゼク」。もうひとつの方の名前はなんだっけ…



それにしても、周りを政府軍・民兵集団に取り囲まれている地域に、どうやってお金や物資を運び込んでいるのか? 私が前々から抱いていた素朴な(?)疑問を口にしてみたら、こういう答えが返ってきた。

「活動資金や物資の搬入に長さ8kmの地下トンネルを使っていた時期もあるが(ガザみたいに)、トンネルの出口があるダマスカス北部バルゼ地区が政府軍支配下に入ったため、ほぼ使用不可能となった。使える区域のトンネルは軍事用とされ、民間団体は使用できない。しかし、ヨルダン、ダマスカス等の各地のマネートランスファー・サービスなどを利用して、なんとか資金を届けることができる。物資の搬入のために、政府軍の兵士に賄賂を渡すときもある」

なお、ウィファークの関連組織は全て民間団体で、現地を支配している反体制派武装勢力とは無関係。但し、必要に応じて協力を求めざるを得ない状態だ。そうしなければ支援は成立しない。

彼らの話では、日本のJICA(ジャイカ=国際協力機構)は、反体制運動が始まる以前、2002年に東ゴータでの障害者用の作業所創設に向けて、資金を提供している。また、日本政府は、2006年に貧困家庭の女性の就業支援のため、ミシンを送付している。これらの作業所やミシンは現在も使われており、ウィファーク関係者たちは日本に非常に感謝している。そして、できれば現在の東ゴータの窮状を理解して、今後も支援を行ってほしいと願っている。

日本から送られたミシンを使って制作した衣料品を用いて、過去にトルコの人道支援団体IHHと協力して貧しい女性や子供に服を贈るキャンペーンを行い、1200着を子供に、1500着を女性に渡したこともあるそうだ。服を渡す際は、あらかじめ選んで配るのではなく、ひとつのスペースにずらりと並べて、そこから好きなものを選んでもらうよう計らった。そうすることにより、もらう側はお店で服を買っているような気分になり、喜びが増すからだ。

訪問の終わりに、「みんなで作るシリア展」からの支援金を渡したら、きちんと領収書をくれた。そして、約3週間後、Aさんからこんな動画が届いた。


彼らが東ゴータで実施していた貧困家庭のための食事の炊き出しキャンペーンにシリア展からの寄付金を使ってくれ、それがはっきりとわかるように、調理場などに「みんなで作るシリア展」の寄付に感謝する旨英語・日本語で書かれた紙を張り出した上で、現場の様子を撮影して動画を作成してくれたのだ。まさかここまでやってくれるとは思わなかったので、その配慮と組織力、仕事の速さにびっくり。嬉しいサプライズだった。

現在彼らは、活動資金を賄うためにトルコや欧州の各種人道支援団体から寄付を募っているそうだが、日本でも寄付を集められればいいなあ…。

事務所のある建物の下のフロアで、シリア難民の女性たちが手作りした衣類や装飾品、食品などが販売されているということだったので、帰り際に覗いてみた。


なんと、そこではクッベが私たちを待っていた…クッベは挽き割り小麦ベースの皮でひき肉などの具を包んだ料理。いなり寿司っぽい外観の揚げクッベと大きめの焼きまんじゅうみたいな焼きクッベがあった。ちなみに私は焼きクッベ派だ(誰も聞いてない)



懐かしいシリアのお菓子も並んでいた。シリア菓子ファン垂涎の光景か



食べ物以外の手芸品も充実



アクセサリーも色々揃っている。意外に色合いがシックだった



なんと、ウエディングドレスまであった。いつか結婚するときに着たいものだ(いつやねん)




「クッベを食べるか」と聞かれて頷いたら2種類の両方が差し出され、代金を払おうとしても受け取ってもらえなかった。「シリアあるある」な展開だ。苦境においても笑顔と優しさを忘れない人達。



日本の人たちの来訪を心待ちにしているとのことなので、イスタンブルにお越しの際には、ぜひウィファークにお立ち寄り下さいませ。トルコにいながらにしてシリアを満喫できます。


フェイスブックのウィファークのページ(アラビア語)住所や地図が見られる
https://www.facebook.com/Wifak.ARD/?fref=ts


トルコ語のページはこちら
https://www.facebook.com/pg/samkardeslik/about/?ref=page_internal


東ゴータの状況に関するAFP日本語版の記事
http://www.afpbb.com/articles/-/3147789



(終わり)









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日付不明まとめ書き日記2017年11月

2017-11-21 14:19:04 | 日記

トルコ旅行記を書き始めたばかりだが、それはさっそく脇に置いといて、久しぶりにまとめ書き日記をどうぞ。


11月某日

うちの安アパートの壁紙がますます剥がれてきていることに改めて気づく。

剥がれているのは、台所スペースの壁紙。入居した当初から糊付けが弱く、ぶよぶよと壁から浮き上がっていたのだが、次第にそれが進行して、べろんと剥がれて換気扇に覆いかぶさるようになり、換気扇を使用する度にひっかかって、不吉な音を立てるようになった。最近では、換気扇を通り越してもっと下に落ちてきたので、騒音問題は解決したが…

うちのアパートを管理している不動産会社(家族経営)は親切なので、頼んだらきっと張り替えてくれるだろうが、業者の人に来てもらうためには、まず掃除をしなきゃいけない。そう思うとつい面倒になり、結局ずっと放置している。

もう「これはこういうインテリアなのだ」と思って諦めようかと思う。


壁紙べろ~んの図。今はもっと進行している。地球の自然な重力に抗わない諦念系インテリアのキッチンなのよ、これは(マインドコントロール中)




11月某日

夕方出かけて、駅前のデパートに散歩に行った。

在宅の座り仕事が多くて運動不足になるので、なるべく歩いて体を動かすようにしているのだ。運動が主な目的なので、エスカレーターやエレベーターは使わず、階段を使うようにしている。最近はもう階段の場所を覚えたので問題ないが、始めの頃は近くにいる店員さんに質問して、以下のような会話をしていた。

み:すいません、階段はどこにありますか?
店:エスカレーターなら、あちらにございます。
み:いや、エスカレーターじゃなくて、階段を登りたいんです~
店:はあ…? 外に出るための階段なら、向こうにございますが…
み:外に出たいわけじゃなくて、建物の中を階段で上まで登りたいんです~
店:はぁ…………少々お待ちくださいませ。

結局、勤続年数が長いベテランさんに質問しにいってくれて、階段の位置を教えてくれるのだが、「なんだかめんどくさいお客」だと思われたことだろう。

この日は行った時間が遅かったので、ユニクロと本屋を観光しているうちに閉店時間の8時になった。慌ててエスカレーターに乗って降りていくと、各階に店員さんが待機していて、お客が通るたびに深々とお辞儀をして、「ありがとうございました。またお越し下さいませ」と挨拶している。ジムがわりに利用して、ユニクロと本屋を眺めただけで何も買っていないのに、そんな挨拶をされるといたたまれない。

逃げるようにエスカレーターを駆け下り、建物の外に出て深呼吸する。



11月某日

久しぶりに会った友人に、「しばらく掃除をサボると、畳の上が抜け毛やホコリでいっぱいになって辛いが、精神修養だと思ってじっと我慢している」と話したら、100均で売っているクイックルワイパー用のペーパーシートの類似品を使えばいいと教えてくれた。ラクして床が綺麗になるそうだ。

翌日さっそくダイソーでそれらしき商品を購入して、畳を拭いてみたら、ペーパータオルの表面が真っ黒になった。ホコリも抜け毛もよく吸い付くではないか。

文明開化を目の当たりにした明治時代の人のような感動に身を任せながら、家中の床(大した面積じゃないが)を拭きまくる。


こういうやつのドライの分




ちなみに、この水切りネットを使い始めた時も、「おお、ゴミをちゃんと取ってくれるのに流しが詰まりにくい」と感動した覚えがある。




11月某日

バナナとヨーグルトと牛乳をフードプロセッサーにかけて、バナナラッシーを作っている最中に、ふと冷蔵庫にパクチーがあったことを思い出し、投入したい衝動に駆られたが、ぐっと我慢した。大人ですもの。

最近巷にはパクチー製品が増殖しているが、あまり美味しくない商品もあるらしい。パクチー自体に恨みはないが、やはり甘いものには合わない気がしてならない。


この商品を開発したのは、どんな人なのか気になる



これも微妙そう



甘くないものは大丈夫かも…




11月某日

料理本研究活動の一環として、図書館で「発酵食レシピ」という本を借りる。

初めの方のページの「世界で見られる発酵食」のコーナーに、カナダ北部で食べられる発酵食として「キビヤック」が挙げられていた。「アザラシの腹の中に海鳥を詰め込んで土の中で発酵させたもの」というワイルドな説明が付いている。

あ、アザラシの腹の中に海鳥を詰め込んで土の中で発酵させる??

ウィキペディアにキビヤックの項目があったので読んでみると、製法や食べ方の説明がホラー映画っぽくて頭がクラクラした。世界には私の想像力を遥かに超えた食べ物が色々あるようだ。

キビヤックに興味がある方はぜひご覧下さいませ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%93%E3%83%A4%E3%83%83%E3%82%AF



(終わり)


おまけのネコ写真。身づくろい中のノラさん



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2017年10月のトルコ旅行のこと

2017-11-20 13:17:26 | トルコ

またまたご無沙汰していました。ぺこり
前回記事をアップしてから、4ヶ月も経っていたとは…魔法??
今年ももうじき終わりだし、なんだか焦る…毎年同じこと言ってる気がするけど。


さて。

10月に2週間ほどトルコを旅してきたので、これからしばらく向こうで撮影した写真を載せて、覚えていることを書こうと思う。帰国してから観光疲れを取るためにひたすら寝たせいか、もはや記憶はオブラート(懐かしい)に包まれているし、去年の旅行記と同様、途中で挫折する可能性も高いが…

今回は成田・イスタンブル間の往復と、トルコ国内のイスタンブル・カイセリ間の移動に使ったトルコ航空の機内食の写真が中心。


本当は、サウジ・UAE・バーレーンによる理不尽な上空封鎖のせいで大変苦労しているカタール航空に乗ってあげたかったのだが、所要時間とチケット価格を考慮した結果、トルコ航空を使うことにしたのだ。カタール航空、ごめんねごめんね~m(_ _)m


トルコ航空の機内で見られるアラブの衛星テレビ局のライブ中継は、アルジャジーラ・イングリッシュとスカイニュース・アラビア。アルジャジーラがアラビア語で、スカイニュースが英語だったら良かったのにぃ



最初に出た機内食(夕食)はこれ。鱈のグリルがメインの洋食を選んだ。「美味しい食事を出したい!」という強い意志が感じられる味ではなかったが、ポテトは美味しかった。



こっちはイスタンブル到着前に出てきた朝食にあたる食事。鯖がメインの和食を選んだ。味は普通。写真が暗くてすみませんねえ~



食事にはエフェスビールを合わせ、さらに赤白両方のワインを飲んだ。赤はフランス製。トルコの赤ワインも美味しのに、なぜ敢えてフランスワイン?



食後のヒマな時間には、ラク(アラブ圏での名称は「アラク」)もいただいた。ラクは水で割ると白濁するアニス風味の強いお酒。トルコではやたらに高いので買えず、往復の機内で飲んだだけで終わった。ちなみに、十条のクルド料理屋「メソポタミア」では、小さいグラスで1杯600円。高い…




トルコ航空でイスタンブルからカイセリに飛んだ時に出た軽食。日本からトルコへの航空便の機内食は全体的に今ひとつだったが、このサンドイッチはレベルが高かった。トマトもチーズも新鮮で、トーストしたパンからは香ばしい匂いが漂っていた。トルコ在住の友達はこのサンドイッチの大ファンで、国内移動でトルコ航空に乗るときは、冷めないうちに早く食べられるよう、席を指定して待機するそうだ。



トルコに着いたのは朝4時頃だった。今回は早朝着・深夜発で時間帯が悪くて大変くたびれた。次回はやはりカタールを利用すべきか…



(おまけ写真)
イスタンブルで私たちを迎えてくれた猫さん。猫町に着いたと実感する瞬間だ。





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