(古代の壁の脇で眠る猫たち)
今回はようやく旅行記の続き。成田からローマに到着して3日目の話だ。去年の6月半ば~7月半ばの旅行のことなのに、なかなか書き進めないでいるうちに、今年も1月後半に入ってしまった。いつ終わるんだろう、これ…
さて、ローマ滞在3日目は、ネットを検索していて見つけたトッレ・アルジェンティーナ広場の保護猫施設に行く予定だった。そこはローマの王道の観光名所トレビの泉やパンテオンに近いので、そちらもついでに回るつもりだった。
その日は朝8時半に起きた。我ながら早起きだ。しかし、洗濯したり、ツイッターを更新したりしていたら、いつのまにか11時を過ぎていた。時間が過ぎるのが速いのか、私の行動がとろいのか…(きっと前者ね)
前日フロントのエリザベッタさんに「明日はコーヒーを飲んで行ってね!」と念を押されていたので、コーヒーをもらいに行くと、ここで飲むか部屋で飲むかと聞かれたので、部屋に届けてもらうことにした。
届いたのはこちら。
カプチーノにチョコチップ入りのカップケーキが添えられている。カプチーノはインスタントではなく、ちゃんと淹れたものだった。イタリアの安ホテルの水準で言えば、これは朝食付きだとみなせるだろう。彼女がフロントの当番の時だけのサービスなのかもしれないが。私は普段朝は寝ているので何も食べないが、旅行中は朝食をとってから出かけた方が、落ち着いて行動できる気がする。
エリザベッタさんにお礼を言ってお盆を返してから、11時半頃に出かけ、テルミニ駅からメトロでバルベリーニ駅に出た。まず同駅の近くにあるトレビの泉とパンテオンを見て、それからトッレ・アルジェンティーナ広場まで歩くつもりだった。トレビの泉もパンテオンも過去に行ったことがあるのだが、パンテオンがとても良かったので、この機会に再訪しようと考えたのだ。トレビの泉は近くにあるからついで。
ネットから拝借したパンテオン内部の写真
仄暗い空間に一筋の光が差し込む、あの静謐な空間がハートわしづかみだ。
というわけで、まずトレビの泉に向かった。グーグルマップ先生に導かれるままに進む。
道端にけっこうゴミが落ちている。ローマだから。
アラビア語表記があれば、目が自動的に検知する。
トレビの泉はバルベリーニ駅から近かった。
予想以上に観光客が多い。
イタリアにはこの時すでに、コロナ前の水準近くまで観光客が戻っている様だった。太陽が照り付けて真夏のように暑く、熱中症が心配になるレベルの猛暑日だったが、誰もそんなことは気にしてないようだった。
かつて私がフィレンツェに滞在していた頃、両親と妹が訪ねてきた際にローマを案内し、一緒にトレビの泉を観光したことがある。今トレビの泉を両親に見せてあげたら、当時のことを懐かしく思い出して、喜ぶかもしれない。そう思った私は、初めてのLINEのビデオ通話を試みることにして、母親にかけてみた。
電話に出た母親は、喜ぶというよりは、むしろ当惑している様子だった。今までやったことないのに、突然ビデオ電話をかけたから、当然かもしれない。トレビの泉を見せたら、一応歓声を上げてくれたが。やっぱり、慣れない親孝行などをしようとしたら、スベるわね…と思いつつ、早々に切る。
トレビの泉を観光したら、周りの店でジェラートを食べなければいけない気がしたが(先入観)、どこも観光地価格でやたら高いので、あきらめてパンテオンに向かう。
なぜか秋冬の風物詩である焼き栗の屋台があった。当然誰も買ってなかったが。
パンテオンはトレビの泉から目と鼻の先だが、太陽が照り付ける中、観光客で混雑した通りを歩くのはけっこう大変だった。
こういう大道芸人、マドリードでも見たことある。
ブーゲンビリアがてんこ盛り
この手の土産物は世界中にありそう
へろへろになりながら、パンテオンに到着。
しかし、入口の前に行列が出来ていた。炎天下で行列に並ぶ根性と体力は私にはない。(炎天下でなくてもない)
テロ対策で配置された兵士たちもサングラス姿
パンテオンはスルーして、最終目的地であるトッレ・アルジェンティーナ広場まで歩く。意外なことに、迷わずにたどり着けた。
この広場は周りより一段低くなっていて、古代ローマの神殿の遺跡があるのだが、整備中なのか、この時は公開されておらず、周りに白いパーテーションがめぐらされていた。保護猫施設はその一角にあって、そこには入れるはずだった。
ローマには松が多い気がする。
「ローマの松」という交響詩もある。(さっき気づいた)
広場の周りを歩いて、その辺にいた地元民らしき男性2人に保護猫施設のことを聞いてみたら、この辺りは夜は猫だらけだが、今は暑いからいない、保護猫施設については聞いたことがないと言われた。しかし、ぐるりと回ってみたら、簡単に入口が見つかった。地元での知名度は低いようだ。ネットでは日本語でも情報が出てくるのに。(参考1)(参考2)
階段を下りて行ったら、こういうお出迎えサービスが
撫で放題。疲れが一瞬で吹き飛んだ。
ここが建物入口
中には欧米人観光客のグループがいくつか入っていて、係の人達から英語で説明を受けていた。私は1人だったせいか、放っておかれたが、そのおかげで自由に見て回ることが出来た。
中にも猫が落ちていた。
小耳にはさんだ説明によると、全部で90匹くらいいるらしいが、ほんとかな…猫たちは好きなように建物を出入りしたり、寝そべったり、ご飯を食べたりしていたが、仕切りの向こうでケージに入れられている子たちもいた。隔離中かな?
一番人気だったアイドル猫さん
寄付のための猫カレンダー(15ユーロ)をお土産用に一冊買ってから外に出た。
階段下の猫が増えていた。暑いから、寝ている猫が多い。
君は熟睡しすぎでは。
もうお昼時を過ぎ、お腹が空いていたので、広場を出てから安く昼食をとれそうなバールを探して歩く。しかし、観光名所のそばなので、高い店しか見あたらない。そうこうしているうちにテヴェレ川にたどり着いてしまった。
中州のティベリーナ島(参考)
橋を渡ってさらに少し歩いたら、ようやく良さそうな食堂に行き当たった。
ピッツェリアと書いてあるが、他のピザ以外のメニューも色々ある。
それはローマの郷土料理を出す食堂だった。店の前で椅子に座ったおばあちゃんが幼児をあやしていて、給仕の若者は無口だが親切、テーブルクロスは紙製だった。こういう店は安くて美味しいと相場が決まっている。いっぱい歩いた甲斐があったというものだ。
ランチタイムの終了間際だったので、客は少なかった。
壁には絵がいっぱいかかっていた。
店名は「Dar Buttero」。「Hostaria」はosteriaやtrattoriaのことで、つまり食堂だ。(インスタ)
コペルト(席料)はなしで、パンは1.5ユーロ。ハウスワインのデカンタ(250ml)が2ユーロだった。パンと前菜盛り合わと水とワインで計15ユーロほどだった。(チップ少々込み)
チーズも生ハムもサラミもオリーブも、見るからに美味しそうだったが、実際とても美味しかった。ここはアタリの店だ。
固いパンの耳は持ち帰って、帰り道でテヴェレ川のユリカモメさん達にあげることにした。橋のそばの階段を下りて、河原に出る。
パン耳に気が付いてくれなかったヒトたち
気が付いて食べてくれたヒト
橋の下にはテントが張ってあった。ホームレスの人達だと思われる。
この辺りはいつもおしっこ臭いんだよな・・・
トッレ・アルジェンティーナ広場まで戻ったら、テルミニ駅行きのバスがあったので、それに乗って帰り、ホテルでしばらく昼寝した。
(ここまで書いてエネルギーが切れたので、続きは後編で~)