外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

なんでまだ蚊がいるん?

2012-11-30 16:26:52 | イタリア
ネットで見つけたイタリアのVAPEの写真




フィレンツェに来てからというもの、毎晩蚊と親密にお付き合いしている。

フィレンツェに蚊が多いのは、もちろん知っていた。
街をゆるやかに流れる美しいアルノ川が、ボウフラさんたちにとってよほど住み心地がいいのだろう。
夏は蚊がうるさくて、ベープ(イタリアにも売っていて、“VAPE”と書いてヴァーペと発音する。リキッドもマットもある)なしでは眠れないくらいだったと記憶している。
しかし11月の終わりにもなって、まだいるとは思わなかった。
私がここに住んでいた頃は、奴らは秋の終わりには姿を消していたように思う。
世界的な気候温暖化と何か関係があるのかもしれない。
あるいは、いつのまにかイタリアの蚊は全気候対応型に進化していたのかもしれない。

私の綿密な観察によると、こちらの蚊は黒一色で固太りしていて(?)、その羽音は大きい。
最近の日本の蚊は羽音が小さくて、気がついたら刺されているという感じだが、こちらの蚊は「ぷう~ん」という、あの昔ながらの羽音を響かせながら、にぎやかに飛び回る。
さすがイタリアの蚊である。

私はアトピー性皮膚炎なので皮膚が弱く、蚊に刺されると赤く跡が残る。
また刺されたかゆみに誘発されて刺されていない部分までかゆくなり、掻きむしった結果皮膚が月面のようになるという、二次災害も発生しやすい。
だから早くVAPEを買ってこなければいけないのだが、つい面倒で、「明日になったら氷河期が到来して、地球上の全ての蚊が消滅するかも(その場合、人類も消滅するのだが)」などと夢想して、先送りしてしまう。
そして毎晩蚊をやりすごすため、布団にすっぽりもぐり込んで窒息する羽目になるのだ。

ああ、一刻も早くVAPEを買わなくちゃ・・・
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関空からフィレンツェまでの長くて重くてしんどくて愉快な旅を振り返る

2012-11-29 23:42:24 | イタリア
上海の地下鉄風景



私が乗ったのは、中国東方航空の関空発上海経由・ローマ行きである。
フライトスケジュールの関係で上海に1泊し、ローマからフィレンツェへは電車で移動したので、やたら時間がかかった。
大荷物(スーツケース、リュックサック、ショルダーバッグ)を抱えての長時間移動なので、路上で行き倒れることも想定内だったが、意外なことに無事に目的地に到着してしまった。
これも私の人徳のおかげかもしれない・・・すいません、冗談です。

<関空の思い出>
JRの関西空港駅の改札を出ようとして、切符がないことに気がつく。
どこでなくしたか、さっぱり見当がつかない。
ブラックホールにでも吸い込まれたに違いない。
幸いなことに駅員さんは優しい女性で、「次回からは気をつけてくださいね」と微笑みながら通してくれた。

出国手続きをしてから、友だちに頼まれたタバコを買うために免税店をうろうろしていたら、店員さんに、「May I help you?」と笑顔で話しかけられる。
動揺を隠しつつ、「マイルドセブンの6mmを探しているのですが」と日本語で答え、差し出されたものをレジで購入する。
しばらくのち、飛行機の座席に腰を下ろして一息ついたとき、タバコを入れた袋が消えていることに気づいた。
またブラックホールに吸い込まれたらしい。
・・・どうも今日の私はブラックホールに付きまとわれているようだから気を付けようと、キュッと心を引き締める。


<上海でのトランジットの思い出>
半年前に初めて訪れた時、私は上海に一目惚れをしたが、今回惚れ直した。
到着した日、上海には細かい雨が降りしきっていた。
霧雨にけぶる上海はうつくしい。
人々は声が大きくて親切で、食べ物は安くて美味しく、ビールは安くてまずい。
ああ、愛しの上海よ・・・

地下鉄の駅で電車を待っているとき、観光客らしき日本人の老紳士に、「Can you take a picture of us?」と話しかけられる。
黙ってうなずき、その男性と奥さんの写真を撮ってあげたら、「Thank you!」とお礼を言われた。
今日の私は国籍不明らしい。
切符やタバコだけではなく、国籍もブラックホールに吸い込まれたのだろうか?


<ローマ・フィレンツェ到着時の思い出>
ローマの空港からローマ・テルミニ駅まで電車に乗り、そこから別の電車(特急フレッチャ・ロッサ)に乗り換えてフィレンツェへ向かった。

空港の入国審査係のお姉さんが、同僚のおじさんとおしゃべりするのに忙しくて、ろくにパスポートも見てくれない!
駅のスタンドで飲んだエスプレッソが濃くて美味しい!
電車の中でナポリ人実業家がずっと携帯片手に大声でしゃべり散らしながら、車内を行ったり来たりしている!
特急にはドリンクサービスがあって、スプマンテ(イタリアの発泡ワイン)が選べる!

こういったことにいちいち感激し、イタリアに帰ってきたことを実感するうちに、ようやくフィレンツェに到着した。
もう夜の10時近かったが、居候先の友達が駅まで迎えに来てくれていた。

ちなみに声の大きさだけで言えば、上海で見かけた中国人たちの方がイタリア人に優っていた。
しかし中国人はしゃべりながら動き回ったりしないのに対し、イタリア人はひっきりなしに手を振り回したり、歩き回ったりせずにはいられない。
総合的に判断すると、引き分けというところか。


上海の屋台で朝食べたもの。食べ始めてしばらくしてから、「はっ!」と気づいて写真を撮った・・・
熱した鉄板に小麦粉の生地(油と塩入り)を伸ばし、卵を落としてテンメンジャンと唐辛子ペーストで味付けし、香菜を散らしたもの。




ユースホステルの近所の人気のない食堂で食べた小豆粥。
ほんのり甘くて、胃に優しい味だった。
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日本を出てイタリアへ

2012-11-28 15:12:36 | イタリア
フィレンツェ中心地のデパート、リナッシェンテのテラスカフェ



1週間くらい前、日本を出発してイタリアにやってきた。
以前5年ほど住んだことのあるフィレンツェに、3ヶ月たらずの間滞在する予定だ。

ここで自分が何をするつもりなのか、私にはよくわからない。
たぶん昔からの友だちに会ってお互いに歳を取ったことを確認し合ったり、スーパーめぐりをして他の客の選ぶ商品をさりげなくチェックしたり、目的もなくバスに乗って終点にたどり着いたらバスを降りずにそのまま引き返したり、カメラとキャットフードをカバンに入れて近所を歩き回って猫スポットを探し回ったけど1匹も見つけられずにがっかりしたり、猫は諦めてその代わりに川辺にいる鴨たちを餌付けしてそれなりに満足したり、あるいは引きこもってネットでアルジャジーラやアルアラビーヤやBBC(アラビア語版)の中継を見て中東情勢のあまりの激しさに平らな胸を痛めたり、酒を飲んだり酒を飲んだり酒を飲んだりして過ごすことになるだろう。

イタリアにいなくても出来ることばっかりやんけ!と思われるかもしれないが、全く同感である。
私が私である限り、どこに行ってもやることはあまり変わらないようだ。
ともあれ、せっかくイタリアにいるのだから、こちらで見聞した物事をなるべくこまめにお伝えしようとは思うのだ。

がんばる~



カッシーネ公園の木立
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