外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2022年イタリア・ヨルダン・トルコ周遊記(7)~ローマ2日目・モスクと猫編(前半)~

2022-11-17 20:22:31 | イタリア

 

 

ぼんやり暮らしているうちに、気が付いたらもう11月も後半。前回のブログから1か月も経ってしまっている。その間に早めの里帰りをしたりもしたが(正月は感染拡大が懸念されるので)、ほんの数日だったのに、どうしてこんなに日にちが経っているのだろう。時を駆けたのかな。(時を駆けるおばちゃん)

 

というわけで、久しぶりに旅行記の続き。東京からローマに到着した翌日、ローマモスクを訪れた時の話だ。ずっとサボってたから、書き方を忘れてしまった気がするが、なんとか思い出さなければ…

 

今回の旅行ではローマに3泊したのだが、それはローマ観光のために意図したものではなかった。格安のライアンエアーを使ってヨルダンに移動しようと思ったら、ローマ・アンマン間が週2便しかなくて、結果的にそうなっただけなのだ。ライアンエアーは他の航空会社の半額以下なので、宿泊費を入れても安くついた。(片道でスーツケース1個預けて7千円弱だった)

 

ローマは過去に何回も訪れているし、いまさら観光する気もしなかったが、どこにも行かずにホテルでゴロゴロしているわけにもいかない。どうせ行くなら、私の関心事項である中東や猫関連のスポットがいいと思い、ネットで色々検索した結果、まずローマモスクに行ってみることにしたのだ。

 

 

ローマに唯一残ったピラミッドにも行こうかと思ったが、気合が足りなくて行き損ねた。だって暑かったんですもの…でも、そばに猫スポットもあるそうなので、やっぱり行けばよかったかも(くよくよ)

 

 

「ガイウス・ケスティウスのピラミッド」(ネットから拝借した写真)

 

このピラミッドについて書かれた興味深い記事

https://serai.jp/tour/1021365

 

 

さて、ローマ2日目のこの日、私は朝8時半頃に目覚めた。日本で昼夜逆転生活を送っていたのが良かったのか、時差ボケもなかった。しかし、のんびり洗濯やツイッターなどをしていたら、出かけるのが11時を過ぎてしまった。

 

11時半頃にようやくホテルを出ようとしたら、フロントにいたエリザベッタさんが「コーヒーを淹れましょうか?」と声をかけてくれた。遅くなるので遠慮したら、「じゃあ、明日は必ず飲んでいってね!」と念を押しつつ送り出してくれた。素泊まりの安ホテルなのに、妙にサービスがいい。チップちょっとしか置かなかったけど、悪かったかしら…

 

まずテルミニ駅に出て、売店でバス・トラム・メトロ共通券(1枚1.5ユーロ・100分有効)を買い、メトロに乗った。ネットで見つかった数少ない情報(これとか、これとか)によると、ローマモスクはメトロで「Flaminio(フラミーニオ)」まで出て、そこでトラム(市電)に乗り換えて、「Campi Sportivi」(カンピ・スポルティーヴィ=運動場)で降り、徒歩5分のところにあるはずだった。この日は火曜日で、見学可能日ではないはずだったが、一応行ってみることにした。ここは日本じゃなくてイタリアだから、融通を利かせてくれる可能性があるのだ。

 

イタリアでは当時、公共交通機関でのFFP2マスク着用が義務付けられていたが、メトロには違うタイプのマスクをしている人が多く、ノーマスクの人もちらほらいた。チェックが甘いのだろう。後で乗ったバスでは、運転手がノーマスクの人に「Mascherina!」(マスケリーナ=マスクのこと)と叫んでいたが。

 

 

メトロでフラミーニオ広場に到着。

 

 

ここでトラム(2号線)に乗り換えようと思ったら、いつまで経っても来ない。よくみたら、停留所に「6月14日からトラムは休止、フラミーニオ広場から代替バスが出る」と書かれた張り紙があった。6月14日は、まさにこの日だった。なんてこった…

 

とりあえず、広場のバールでカプチーノとコルネット(クロワッサンっぽいパン)を頼んで朝食を取ることにした。

 

甘いパンとカプチーノはイタリアの朝食の定番

 

 

食べ終えてから、店員のお兄ちゃんにバスが出る場所を確認して、礼を言って出ようとしたら、日本語で「アリガト、サヨナラ」と言ってくれた。あ、一応日本人に見えたんだ…

 

 

バスに乗車

 

 

「Campi Sportivi」の停留所で降りるべきだったが、気が付いたら通り過ぎており、終点の「Mancini」(マンチーニ)というバスターミナルまで行ってしまった。なお、途中には「Ankara」というバス停もあり、その付近に青空マーケットが出ていた。

 

バスターミナルで、チケット売り場のおじさんたちに聞いたり、スマホでグーグル先生に聞いたりしたところ(SIMカードを買って正解だった)、168番の「deviato」(迂回)と書いてあるバスが、Campi Sportiviに行くことがわかった。しかし、そのバスがいつやってくるかは、おじさんたちも知らないという。30度を超える気温の中、屋根のないバスターミナルで1時間以上待ち、もう諦めようかなと思ったタイミングでそのバスはやってきた。イタリアのバスは、諦めようとした時にやってくることが多い気がする。狙いすましたように。

 

バスの乗り込んで、運転手さんにローマモスクに行きたいからCampi Sportiviで降ろしてほしいと頼んだら、慣れた感じですぐ頷いてくれた。ローマモスクに行く人によく頼まれるのだろう。欧州最大規模のモスクなので、訪れる外国人も少なくないに違いない。

 

バスを降りてから、グーグル先生に導いてもらって10分ほど歩き、途中で道端に停車していたトラックの中に座っていたファンキーな感じの陽気そうなおばあさんにモスクの場所を尋ねたら、そばに立っていた体格のいい女性(たぶんtravestito=トランスジェンダーの人)に声をかけて聞いてくれた。彼女は「あそこに塔が見えてるでしょ」と言って、近くに見えている鉄道駅の高架の向こうのミナレットを指さして、「高架橋を渡っていくといいわよ!」と教えてくれ、おばあさんと一緒に手を振って見送ってくれた。

 

この写真では分かりにくいが、高架の向こうにミナレットが見えていた。

 

 

この階段を通って上に出る。

 

 

高架の上に出たら、モスク本体が見えた。

 

 

「Viale della Moschea」(「モスク通り」)という標識があった。読みにくいけど

 

 

欧州最大というだけあって、ローマモスクはかなり大きく、そして現代的で無機質な印象の建物だった。

 

入口の方に回ったら、門は閉まっていて、門番らしき男性(たぶんソマリア人)が出てきたところだった。時刻は14時半頃。声をかけたら、彼は当番を終えて帰るところとのことだった。代わりの当番が来る予定だが、いつ来るかは知らないとそっけなく言われ、待とうかどうしようか迷っていたら、別の男性が登場した(国籍不明)。彼が交代要員らしい。

 

その男性に声をかけて、モスクを見学したい旨伝えると、「今日は一般客が入れない日だから、明日の午前中に来なさい」と冷たく言われる。取り付く島もない感じだった。しかし、そこをなんとか、建物の外側からでいいから写真を撮らせてもらえないかと必死で頼み込んだら、中に入らずに外からさっと写真を撮ってすぐ帰るならいいと言ってくれたので、通用門から敷地内に入って、モスクの周りを早足で歩き回って撮影した。

 

 

前景

 

 

このコンクリートの階段を上る

 

 

とっても現代建築

 

 

モスクの入り口

 

 

噴水には水がなかった

 

 

宿泊施設らしき建物

 

 

一通り写真を撮って満足したので、入口のところに戻って門番氏に礼を言い、帰る前に少しだけお布施をしたいと申し出たら、彼は初めて笑顔になり、「寄付金?それは猫のエサ代か?」と聞いた。

 

猫のエサ代?

 

 

(続き)

 

コメント (2)
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