今回は、昨年の年末近くに西荻窪の看板猫がいるバングラデシュ料理店「ミルチ」(食べログ)に妹と行った時の話だ。この店は、私の中では「バングラ猫居酒屋」のイメージだが、お店のブログには「インド風居酒屋」と書いてあったりして、詳細不明である。
まず新宿に出て、駅の東口のミケちゃん(駅前ビルに設置された広告ビジョンの3Dの巨大猫)を見てから、タカシマヤ南館に入っている紀伊國屋書店・洋書専門店(HP)のイタリア語コーナーを覗き、そこから電車で西荻窪に移動して、本と雑貨の店「ウレシカ(URESICA)」(HP)に寄ってから、くだんの「ミルチ」で夕食をとるという充実したコースを辿った。
ミケちゃんに再会できてうれしい(2度目)
箱に入っているミケちゃん、初めて見た~
ミケちゃんはクリスマスプレゼントに車をもらったらしい。
この日はクリスマス(イブではない)だったので、キリスト教の聖書配布協会の人が、全国各地で見られる例の看板(「神と和解せよ」とか「悔い改めよ」とか書いてあるやつ)風のプラカードを掲げ、スピーカーで不穏な警告口調の説教を流していた。クリスマスシーズンから年末にかけて、毎年お馴染みの風景だ。
ニャーロ、「悔い改めなさい」って言われてるよ。
ニャ―ロは聞く耳持たなさそう。馬の耳に念仏的な(猫だけど)。
近くでデモをしていた反ワクチンのグループ
彼らは新型コロナの存在を信じていないようで、マスクを外すよう通行人に呼びかけていた。新宿は賑やかだな・・・
ちなみに、ミケちゃんのビルで流されている広告の中には、こんなものもあった。
この動画のほんの一部が映されただけだったが、一瞬流れたタイトルのアラビア語を私が見逃すはずはない(動画の0:20あたりから)。我ながら目ざとい。さすがプロだ(?)。 これは、声優の女の子のユニット「harmoe」とやらの3rdシングル「アラビアン・ユートピアン」の宣伝だった。たまに都会を歩くと、色々発見があるものだ。
ミケちゃんを堪能した後、新宿駅を通り抜けて新南改札側に回り、その近くのタカシマヤ南館の最上階に入っている紀伊國屋書店に行った。ここが洋書専門店で、その中にはイタリア語の本のコーナーがあることを最近知ったのだ。
思ったよりも充実した品揃え
イタリアで流行っている小説や、日本語からイタリア語への翻訳本、イタリア語の学習書など様々なジャンルの本があったが、私が欲しかったのは夏目漱石の「吾輩は猫である」のイタリア語バージョンだ。イタリアの書店で買おうかどうしようか迷って、結局買わずじまいだったやつだ。
「IO SONO UN GATTO」(直訳したら「私は猫です」=I am a cat)
結局今回も決断できず、買わずに終わった。次に行った時に買おうかな(優柔不断力が高い私)
新宿でやるべきことを済ましたので、JRで西荻窪に移動。電車に乗るまでに駅の中でウロウロ迷ったが、乗ってしまえばすぐだった。
まず妹が行ってみたかったという「ウレシカ(URESICA)」へ。ひっそりした佇まいの小さな店だが、けっこう名の知れた店らしい。
こじんまりとした店内には、興味深い本や可愛い雑貨がギュッと詰まっていた。
猫と暮らしたいのはやまやまだけど、色々あってね・・・
私は基本的にナチュラル系のお洒落ショップが苦手なのだが、ここは猫関係のものが多いし、店主も話しかけずに放っておいてくれたので、落ち着いてゆっくり品物を眺めることが出来た。色々迷った挙句、ツイッターでいつも見ているイラストレーター・絵本作家の山田美津子さん(@yamadamitsuko)の週めくりカレンダーを友達へのプレゼント用に買った。
店を出てから、いよいよこの日のメインの目的地であるバングラ猫居酒屋「ミルチ」に向かう。
グーグルマップを眺めつつ、その辺の人(10人くらい)に道を聞きつつ店を目指したが、同じところをグルグル回るだけで、どうしてもたどり着けない。結界があるのか?? (私たちが方向音痴なだけ)
途中でウズベキスタンのワインショップだという「キャラバン」という店に通りかかった。駅の近くだ。
店頭にはサモサやノン(パン)などもあった。なぜかスコーンなんかもあったけど。全て手作りしているらしい。
駅前には、物怖じしないハクセキレイさんがいて、すぐそばで若い男の子がスマホで写真を撮っているにもかかわらず、全然気にせずに何かをついばんでいた。
分かりにくくて恐縮だが、このハクセキレイさんだ。
さんざん道に迷って歩き疲れ、最終的にグーグルマップのナビを使って、なんとかたどり着いた。
あ、いる~
カウンターにのってる~
ミルチのことは、ツイッターで知った。店内でビールを飲むお客の男性の向かいの椅子に大きな茶トラ猫がしゃがみ込んでいる写真に、「相席というお仕事」というキャプチャーが添えたツイートがバズっていたのだ。(これ)
何しろ相手は猫なので、行った時に必ずお店にいるとは限らないと思っていたが、いきなり会えて舞い上がった。私たちが店内に入ると、すぐに逃げてしまい、奥の階段のところに避難してしまったが。
不審者入店につき、警戒警報発令中
手を出したら、はたかれそうになった(うれしい)
バングラデシュ人の店主に聞いたら、この猫は女の子で、名前は「ちゃいろ」だそうだ。そのまんま~
店内は狭くて、小さなカウンタースペースと2人掛けのテーブルが2つだけだった。ちゃいろちゃんのいる急勾配の階段の上にも、もしかしたら席はあるのかもしれないが、店主が何度も上り下りしての物を取りに行っていたから、単なる物置かもしれない。
私たちの他に客はいなかったが、ローストチキンをテイクアウトしに来た人は1人いた。クリスマス用だろう。この店のローストチキン、どんな味なのか気になる・・・
店主は物静かで、客にあれこれ話しかけるタイプではないが(常連じゃないせいかも)、愛想が悪いわけではなく、私たちが何か質問すると、微笑んで穏やかに答えてくれた。そして、彼はちゃいろちゃんとも時々会話していた。ツーカーの仲なのだ。
カウンター周りは物が多くて家庭的。
生はちみつ?
妹は豆カレーとはちみつパラタを注文
美味しかったらしい。生はちみつ使用かな。
私はマトンティッカとベンガル風卵焼きをつまみに、生ビール(アサヒプレミアム)とインドワインを飲んだ。
マトンティッカの残骸と赤ワイン
マトンティッカは串刺しの状態ではなく、バラバラにしたものを小皿に入れ、割りばしを添えて運ばれた。まさか割りばしが出てくるとは思わなかったわい。さすがバングラ居酒屋だ(?)。食べてみたら普通にスパイシーで味わい深かった。インドワインも美味しかった。ちゃんとしたワインの味だ。
ベンガル風卵焼き
これは全然スパイシーではなく、炒めた玉ねぎなどが入った日本っぽいオムレツだった。添えてあるのはたぶんスイートチリソース。ビールに合う。
長居したかったが、狭い店だし、私たちがいるとちゃいろちゃんが店主に甘えられないので、食べ終わったら早めに店を出た。また行きたいが、今のオミクロン株の感染爆発の状況を考えると、当分行けない気がする。
西荻窪に行ったのはこの時が初めてだったのだが、とても興味深い街だと感じた。西荻窪ファンの友達もいるので、彼女と一緒にいつか再訪しようと思う。いつになるかな・・・
(おまけのリンク)何かの参考になるかもしれないし、ならないかもしれない。
キリスト看板、産み落とされる瞬間を見た 聖書配布協力会の制作現場
https://withnews.jp/article/f0211223003qq000000000000000W00b10101qq000024059A
西荻窪と荻窪は全然違う
https://note.com/onomiyuki/n/nc7293fe8e8d0
(終わり)