(SNSで時々出回るイランを猫に見立てた地図。イランは「カスピ海の下に横たわる猫」ですから)
今回は2023年の海外旅行の準備編だ。
2023年は、6月上旬に旅を開始したのだが、「そういえば、ずっと家の近所から出てないな。そろそろまた旅に出るべき時期かな~」と思い始めたのが4月後半で、本格的に準備を始めたのは5月の連休が明けた頃だったので、出発まで結構慌ただしかった。仕事をしながら準備するわけではないので(無職だから)、1か月もあれば十分なようなものだが、なにしろ年齢が高くなっている上、長い引きこもり生活で心身ともにポンコツになっているので、何をするにも時間がかかるのだ。
ともあれ、旅に出るにあたって、私がポンコツなりにやったこと(やらなかったことも一部)を以下にまとめてみる。
<訪問する国・経路の決定>
トルコ・イラン・イラクの位置関係のわかる地図
やっぱイラン、まあまあ猫だよな…
私の海外旅行は自主的な語学研修を兼ねるので、専門言語のアラビア語・トルコ語・イタリア語を使うため、トルコとイタリアにアラブ諸国のうちどこか一国を組み合わせて回ることが多かった。しかし、今回はそこにイラン、フランスを追加して、5か国を巡ることに決定した。なぜなら、2022年の夏の旅行の後、暇に任せてペルシア語とフランス語の勉強を始めてしまったから。1年近くじみじみと勉強を続けた成果を確かめるには、一度現地に行ってみなくては。
3か国でも十分しんどかったのに、5か国周遊なんて私に出来るのか??と疑念を抱きつつ出発したが、案の定、途中で時間とお金と体力が足りなくなって、イタリア行きは断念し、結果的に4か国周遊となった。なんならフランスも省いてトルコでゆっくりしようかとも思ったが(イスタンブール・パリ間のフライトが結構高かったから)、パリ郊外の友人の身内の家に滞在させてもらうことになっていて、ドタキャンしにくかったから、予定通り行くことにしたのだ。
アラブの国はどこにしようか迷ったが、思い切ってイラクにした。治安上の問題のため、イラクにはこれまで行ったことがなかったが、近年は治安が概ね安定していたし、トルコ・イランと陸続きで、空路での移動も比較的安かった。しばらく前に観光ビザの規定が変更になり、日本人は入国後にアライバルビザを取得できるようになったのも大きい。イラク北部のクルド人自治区は、以前からアライバルビザでOKだったので、訪れる人もちょくちょくいたが、首都バグダッドを含むそれ以外の地域は、これまで事前のビザ取得が必要だったのだ。このアライバルビザ効果で、バグダッドなどを訪れる日本人旅行者が増え、SNSで現地の情報が出回るようになった。
しかし中東諸国では、長い間治安が安定していた国・地域でも、突然悪化することがあるし、外務省はイラクに関して、クルド人自治区の国境・県境付近等を除く地域だけをレベル2(不要不急の渡航中止)に指定し、それ以外はどこもレベル4(退避勧告)かレベル3(渡航中止勧告)としているので、イラクへの渡航は推奨できない。なお、東京のイラク大使館に電話をかけて、ビザについて問い合わせても「お答えできません」と言われるので、そのつもりでね(普通かけんやろ)。
経路としては、トルコからイラクに空路で入り、イラクからイラン・トルコは陸路で移動して、さらにトルコから空路でイタリア入り。イタリアからフランスもLCCで移動し、最終的にフランスからトルコに飛ぶつもりだった。結局イタリアは脱落したが。
<イラン入国ビザ申請>
イランだけ入国ビザが必要だったので、ネットで見た情報を参考にして取得した。まずイラン外務省のHPからビザ発給を申し込む。翌日には承認メールが届いたので、プリントアウトして、これとパスポートを持って大使館に申請に行った。ビザ発給の手数料として、収入印紙2900円分を館内の自販機で購入して添える。1週間後に出来上がるので、受領しに行って終わり。最初にオンラインで申し込みをする時、証明写真をアップロードする必要があって、サイズなどの問題でなかなかアップロードできず、泣きそうになったが(にゃ~にゃ~と)、それ以外はスムーズに行った。
なお、イランは2024年2月から、日本を含む28か国の国民に対し、観光ビザ取得を免除(15日間)している。但し、これは空路入国の場合のみなのか、陸路入国もビザなしでOKなのかは不確かなので、陸路で入国する人は、イラン大使館に確認した方がいいだろう。
在東京イラン大使館(遠くにちらり)
在東京イラク大使館(行ってないから、ウィキから取った写真)
普通のマンションにしか見えないよな…
<航空券購入>
私は基本的に予定通りに行動するタイプの人間なので、通常旅の行程に含まれるフライトは全て出発前に日本で取っておくのだが、この時はイランとイラクという初めて訪れる難易度が高い2国が含まれていたため、予定通りに移動できない可能性があると考え、成田・イスタンブール間の往復とトルコ発イラク行きの片道のみチケットを購入しておくことにした。でも今考えると、全てのフライトを事前に取っておいた方が良かった気もする…
成田・イスタンブール往復の便はアシアナ航空、イスタンブール発アルビール(エルビル)行きの便はイラクのLCC、フライバグダードにした。どちらも初めて利用する航空会社だ。
アシアナ航空のチケットは、パソコンでHPから購入しようとしてもなかなかできず、電話をかけて質問したら、スマホで試してみてと言われたので、やってみたら出来た。やれやれ、めんどうな…
フライバグダードはパソコンでHPから購入できたが、イラクの航空会社だから、案の定カード会社にブロックされ、解除してからようやく買えた。やれやれやれやれ、ホンマにめんどくさい…
フライバグダードのHPの写真
ウィキペディア(英語版)によると、フライバグダードは2024年1月、イラン革命防衛隊および親イラン武装組織を支援したとの名目で米国の制裁対象となり、同年12月にはEUの飛行禁止航空会社リストに載せられちゃったらしいが、今も健在なんかな…
<海外旅行保険>
むりむり~
一応いくつかの保険会社の海外旅行保険のオンライン見積もりサービスを試してみたが、やはりイラクが行程に入っている段階でダメだった。海外旅行保険は、「安全な地域」しかカバーしないのだ。
<外貨購入>
イランは経済制裁を受けているため、クレジットカード・国際キャッシュカードが使えない。一方、イラクはカードが使えて、ATMで現金が引き出せるはずだが、初めて行く国だから、使えるATMを見つけるのに時間がかかるかもしれない。というわけで、ドルとユーロの現金を多めに用意した。新宿西口に外貨両替所が集まっている一角があるので(こことか)、店の為替レート表示版を見て回って、レートのよさそうなところで両替した。
<ガイドブックの用意>
してない。
イランのガイドブックは、古い地球の歩き方(2017~2018版)があるにはあったが、もはや書店には置いてないし、私はネットで買い物をしない人間なので(航空券とPC除く)、買えなかった。今は良さそうなイランのガイドブックが出ているので、次に行くときはこれを買いたい。書店で見つけたら。
イラクに至っては、ガイドブックが存在しなかった。英語のガイドブックなら、ロンリープラネットが出しているが、書店で買えないので、これもムリ。トルコ、イタリアは、私にはガイドブックは不要だし、フランスもネット情報でなんとかなると思い、結局何も用意しなかった。
イランとイラクでは、ホテル探しや移動などでかなり苦労したので、「ああ~ガイドブックがあればよかったのに~」と思うことが多かった。めそめそ…
<旅の語学学習>
フランス語は、図書館でCD付きの旅行会話集を借りて練習した。ペルシア語は、ユーチューブで旅行に使えそうなフレーズや単語を教える動画を観て、暗記するよう努力した。どちらもあまり身につかず、大して役に立たなかったが。
アラビア語イラク方言も少し勉強したが、行ったのがクルド人自治区だったので、使う機会はなかった。みんなクルド語を喋ってたんだもん。クルド語なんて分からないんだもん~
<その他>
スーツケースを買ったり、家賃を前払いしたり、なんかそういうことをやったような記憶がぼんやりと…
(おまけの室内園芸写真)
キャンドゥのミニトマト栽培キット出身のトーマさん、気づいたら6つ目の小さい実を付けていた。どこまでがんばるのん…?
(見苦しい写真ですいません)
(続く)