外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(7)~チュニス3日目・カルフールと夕食編~

2019-11-26 13:01:58 | チュニジア

 

今回はチュニス滞在3日目の後半、ホテルで昼寝して夕方再び出かけるところから。

 

近くのバルセロナ駅から市電(「メトロ」と呼ばれる)に乗って、リパブリック(=共和国、アラビア語では「ジュムフーリーヤ」)駅で降りた。その辺りにインターネット屋があるという情報を見かけたからである。私はイタリアやトルコ、シリア、エジプトなどに滞在していた時、スマホを持っておらず(昔のことだし)、家にネット環境がなかったので、日本語が使用できるインターネット屋に通っていた。今では、家でネットが出来ない生活なんて考えられない・・・

 

歩いてる途中に見かけた猫を撮っていたら、通りかかった若い男性が英語で「Don't you have cats in your country?」(あなたの国には猫はいないのか)と私の顔を見ずにつぶやいたので、「Of course,we have cats!」(いるに決まってるやん)と言い返したら、じゃあなんでわざわざ写真を撮ってるんだと言いたげな顔をされた。そういえば、かつてヨルダンのアンマンに住んでいた頃、街角のゴミ入れの中の猫を撮っていたら、やはり通りがかった男性に「何を撮ってるんだ。ゴミじゃないか!」と呆れられたことがある。よけいなお世話やねん。

 

 

市電のバルセロナ駅

 

リパブリック駅

 

 

駅の近くに仏系スーパー・カルフールがあるのが車窓から見えたので、寄ってみる。カルフールは中東各国に展開しており、品揃えが良くて安いのでアンマンでは日常的に通っていた。カルフールを見かけたら、素通りするわけにはいかない。

 

懐かしいトリコロールの外観。店名はアラビア語だけだが。隣りには同様に仏系の通信会社オレンジが肩を並べている。

 

店内の配置はヨルダンと変わらない。

 

多少こじゃれたケーキ類もある。

 

当然クスクスの種類が豊富。手軽に安くお土産を買うには、カルフールが便利だと思う。

 

 

私の目当てはキャットフードだった。カルフールならきっとあると思ったのだ。

 

 

 

案の定、ペットフードコーナーは存在した。しかしすごく狭い一角で、ドライフードは3キロ入りの箱しかなく、後は何種類かの缶詰と1種類のパウチ(映ってないが)のみ。あまり選択肢がない。3キロのドライフードは多すぎるのであきらめ、ビーフ入りのドロッとしたフードのパウチを4個購入。1個4.39ディナール(約170円)。チュニジアの物価水準を鑑みると、非常に高価だと言える。容れ物としてプラスチックの皿も買った。

 

カルフールの隣にインターネット屋があったので入る。デジカメで撮った写真をパソコンに転送するためのSDカードリーダーを忘れてきてしまったので、もしあれば買いたいと受付のお兄さん2人に聞いたら、店中を探してくれたが結局なかった(彼らはこれを「アダプター」と呼んでいた)。しかし、ここのパソコンを使ってSDカードからUSB(持参した)に転送することはできると言ってやり方を教えてくれたので、やってみたら出来た。お兄さんたち、親切でプロフェッショナルでステキだった・・・しかも45分ネットを使った代金は1.5ディナール(60円弱)。チュニジアに住みたくなった瞬間だ。

 

お世話になったのはこの店。他の客は地元の若者オンリーだった。

 

 

用事が終わったので、徒歩でハビーブ・ブルギバ通りに出て(すぐ近くだった)、前日入った食堂の周辺をうろうろして夕食をとる店を物色。「カプリ」という名前のピッツェリーアがあったので、小さな窓の中を覗き込むと、薄暗くてよく見えないながらも酒がある気配が漂っていた(酒の気配に敏感な私)。貼り出してあるメニューを見たら、値段も安いし、チュニジア料理もある。というわけで、この日はここで夕食をとることにした。後で見たら、ここも地球の歩き方に載っていた。どんだけ詳しいねん、地球の歩き方・・・

 

 

 

店内はこじんまりとして、そこそこお客が入っていた。iPodで音楽を聴きながらハーフボトルの白ワインを飲んで、サラダをつついている若い女性の1人客や、テーブルいっぱいにずらりと前菜を並べて、ボトルのロゼワインらしきものを飲みながら何か熱心に語り合っているおじ様2人組など。落ち着いた雰囲気だ。ちなみに、この時は「おや、この人たちロゼワイン飲んでる。おじさんとロゼって、妙な組み合わせだな」などと偏見に満ちたことをちらっと考えたが、チュニジアの赤ワインには色が薄いものが多いので、普通に赤ワインを飲んでいたのかもしれない。

 

陽気なコックさんの写真が印象的なメニュー。店主かな?

 

 

まずドイツのベックスビールを頼む。料理は、チュニジアのソウルフードだという「ブリック」とツナサラダに決める。パンは頼まなくても出てくる。

 

久しぶりに飲んだベックスビールは非常に美味しかった。「チュニジアにいるんだから地元ビールを飲まなきゃいけない」というプレッシャーのため、これまでセルティアばかり飲んでいたせいで、余計美味しく感じられのかもしれない。

 

ブリックはカリっと揚げた皮に卵・ツナ・ミント・玉ねぎ等の具が包まれていて、ナイフを入れると黄身がトロッと流れ出すのが特徴だ。安価でとても美味しい。サラダも野菜が新鮮だ。

 

きれいな半月形のブリック。サイズは大きいが、具はそれほど多くないので気軽に食べられ、ビールのつまみに最適だ。

 

これを嫌いな人ってあんまりいない気がする。嫌いになれる要素がない。

 

ツナサラダはてんこ盛り。オリーブが入っていて、地中海らしい雰囲気だ。

 

 

ベックスを2本飲んで、端数程度のチップを置いて、全部で18ディナール(700円弱)だった。満腹になったので、後はホテルに帰って寝るだけだ。

 

(参考)

ブリックについての記事

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20140220/384621/?P=1

 

ウィキペディアのチュニスの市電(メトロ)の項目

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%AD

 

(続く)

 

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2019年チュニジア・トルコ・イタリア旅行記(6)~チュニス3日目・猫好きピープルとスーパーのビール売り場編~

2019-11-09 18:39:13 | チュニジア

 

チュニジア滞在3日目は、観光以外のことを色々したような一日だった。

 

疲れのせいか時差ボケのせいか、前日よく眠れなかったので、朝食をとってから2度寝し、11時過ぎに出かける。

 

この日は朝食ルームで観光客らしき欧米人の女性客を見かけた。これまで外国人観光客らしき人を全然見なかったので、少し安心した。観光客、いるんだ・・・近年は大きなテロは起こっていないものの、2015年のバルドー博物館襲撃テロの衝撃が強かったためか、外国人観光客の数は非常に少ないように思われた。バカンスシーズン直後という時期のせいもあったかもしれないが。

 

 

チュニジアらしい青と白の装飾のホテルの廊下。掃除道具がアクセント

 

翌日からもう少し安いホテルに移ろうと考えていたため、この日はまず新市街でホテルを探した。

 

当初の計画では、チュニスに3泊してから南下して、サハラ砂漠のオアシスの街トズールかドゥーズ、あるいは古い穀物倉庫群「クサール」が残っているメドニンやタタウィン周辺で2,3泊するつもりだったのだが、どうも重い荷物を抱えてバスで7,8時間かけて移動し、短期間で慌ただしく観光する気合が出なかったので、今回はチュニスに腰を落ち着けて、のんびりすることにしたのだ。

 

メドニンのクサール。いつか見に行きたい…

Medenine Ghorfas.JPG

 

ウレド・スルタンにあるクサールはさらに魅力的。行きにくそうだが。世界の果てっぽい廃墟って、なぜこんなに心惹かれるのだろう。私の心象風景に重なるのかもしれない。心が荒んでるのかも・・・(この2枚はウィキペディアから拝借)

 

 

とにかくそういうわけで、また安ホテルを探して回ることになった。私の希望は、今のフランスホテルよりも宿泊料金が安くて、Wi-Fiが使えて、エアコン・テレビ・シャワー・トイレ付きのシングル。スマホにSIMカードを入れたとはいえ、パソコンがあるので、部屋でWi-Fiを使えないと不便なのだ。

 

路上でくつろぐ三毛猫さん

 

間近でよく見ると、けっこうな美猫だ

 

 

まず、地球の歩き方に載っていたジュネーブ・ホテルに行ってみる。欧米の国・都市名を冠したホテルが多いのだ。イメージ戦略か。ここはわたしの希望にぴったり合っていて、料金も朝食付きで1泊50ディナール(約1900円)と比較的安く、しかも清潔そうでフロントのお兄ちゃんも感じが良かった。しかし予約できるかと聞くと、「明日の朝8時に来て、空きがあるかどうか聞いて」と言われる。その近辺にある他のホテルで聞いてみても同様だった。チュニス到着の日の宿探しの時にうすうす察したように、ここの安宿は予約が出来ず、当日に直接行って確かめるしかないようだ。でも8時って、早すぎないか?

 

とにかく、ジュネーブホテルを第1候補、その近くのサランボホテルを第2候補にして(第3候補はイギリスホテル)、翌朝出直すことに決めてホテル探しは打ち切り、昨日と同様に旧市街に行く。またゼイトゥーナ・モスクに面した広場のスタンドでミックスジュースを飲み、その近くのアイスクリーム屋さん(たぶん)の前の猫スポットへ。そこで猫の写真を撮っていたら、毎日猫の餌付けをしているという老人や、猫好きの母娘たちに話しかけられた。

 

 

猫好きの老人

 

 

もう1匹寄ってきた

 

 

私も撫でさせてもらった。

 

 

くつろぐ白黒猫さん

 

 

このフレンドリーな母娘3人組も大の猫好き。家で2匹飼っているそうだ。

 

 

すぐ近所にある家から、飼っている子猫を連れてきてくれた。後ろの黄色いシャツを着たおじいさんも猫を飼っていると言っていた。猫スポットに猫好きあり。

 

子猫、逃げたそう

 

 

彼らと別れてから、またアーケード付きスークを通ってフランス門に向かう。もちろんスークも猫だらけだった。

 

猫は旧市街の建物によく似合う。富士に月見草が似合うのと同じだ。

 

 

 

子猫は石の床ではなく、ビニール袋の上に寝ていることが多かった。その方が寝心地がいいのだろうか。

 

 

 

 

この日は日曜で午後はスークが休みということで、もう店仕舞いを始めているところも多かった。金曜日はアルコールの販売が禁止で、翌日はイスラムの祝日(ヒジュラ暦の元日)でやはりアルコール販売禁止で、日曜日は日曜日で午後スークの商店等が閉まるって、キビシイ・・・

 

フランス門を過ぎて新市街に入り、両替所を探す。日曜日なので銀行は閉まっていたが、空いている両替所が見つかったので、手持ちの現金のうち1万円を両替する。窓口のお兄さんが日本好きで、いつもテレビで日本の番組を見ているそうで、非常に感じが良かった。中東は(イタリアも)日本好きの人が多い。

 

用事も済んだので、今日こそスーパーで酒を買うぞ!ということで、モノプリに行く。過去2日間は無駄足だったが、三度目の正直だ。

 

あった~!!!(感動の嵐) でもビールがないぞ。ワインは前日買ったものが残っているので、ビールだけ買いたかったのだが。ちなみに、前日30ディナールで買ったワインが、ここでは3分の1近い値段で売られていた。ふっ・・・

 

 

その辺を歩いていたおっちゃんに、ビールはどこで買えるのか尋ねたら、「外にある」と言う。外? 店員さんにも聞いてみたが、「いったん店から出て、右側にある」と言われた。店を出て右って、なんのナゾナゾなんだ。

 

言われた通り外に出る。店内から見て右ということは、店を正面に見て左側ということだ。

 

この倉庫の入り口らしき扉を通って中に入るようだ。

 

入ってみると、係の人が「ビールはあっちだ」と奥のブースを指さす。そこにカウンターがあって、若者たちが並んでビールを買っていた。なぜワインや蒸留酒が店内で売られていて、ビールだけが倉庫でこっそり売られているのか謎だったが、とにかく私も並んでビールを買う。料金表が張られていて、分かりやすかった。小さい缶のセルティアを2缶買う。約5ディナール(約190円)。小さいわりに安くはないし、冷えていないが、まあいいとしよう。ビールをスーパーで買えただけで満足すべきだろう。

 

ホテルに帰ってビールを2缶とも飲み干し、クーラーをつけて夕方まで昼寝することにする。暑い中を歩き回ると疲れるのだ。体が弱いから、休憩しないと行き倒れるかもしれないし・・・

 

 

長くなったので、3日目の後半は次回。なかなかサクサク書けない、しくしくしく。

 

(続く)

 

 

 

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