父が退院してから10日あまりが過ぎ、昨日も父の様子を見に高齢者住宅へ行ってきた。
退院当日はぐったりとして、果たしてこのまま退院させてもよいものだろうか?と思ったが、その後、父をみてくださる高齢者住宅の職員さんのお話によると、食事はいつも完食しているとのことだった。
また、退院後に行った妹も「お父さん、にこにこと笑っていた。要望に応えてピースサインもしてくれたよ」と言っていたので、まったく心配はしていなかった。
さて父の病名は「腸重積」だが、その原因となっていた腫瘍は検査の結果、やはり「大腸がん」だった。
幼児のこぶし大ほどの癌で、ステージⅡとのことだが、幸いきれいに切除できたことと、術後の経過が順調だったことから、今後は通院はしなくてもよいことになった。
これがもう少し若い人ならば3か月ごとに検査をするそうだが、父は86歳と高齢なうえに、自力では動くことができないほど弱っている為、通院する事は父の体力をますます消耗させるので、これにて病院は終了となった。
さて昨日の父だが、行った時にはベッドに横になっていた。
職員さんが「もうそろそろ起こしてもよいので」と言って、父に声をかけてくれた。
職員さんの手を借りて起き上がった父は、しっかりとした顔つきで私たち家族の顔を見るなり笑ってくれた。
また私の夫の顔を見ると、片手をあげて挨拶をした。
片手をあげて挨拶をするのは、私たち娘にはしないのだが、その伴侶たちには必ずする挨拶で、父がちゃんと理解している証拠だとわかって嬉しくなった。
医師からは「喉に詰まらせないものであれば、好きなものは何でも食べさせてください」と言われていたので、持って行ったジュースとプリンを出すと、父は美味しそうにそれらを完食し、まだ何か食べたそうな顔をした。
父はもう中身がなくなってしまった空き容器を手にして、「まだ残っているんじゃないか」と底をスプーンでつつくので、それを見ていた夫が「かわいそうだから、何か買ってくる」と言って、さらに飲み物を買いに行った。
父を見ていると、食べる欲はものすごい。
ついこの前、腫瘍を含めて20センチも腸を切ったとは思えない食べっぷり。
与えれば与えるだけ食べてしまうので、身体のことを考えると、かわいそうだが途中で止めさせなければいけない。
「次に来るときに、また持ってくるから。今度は何がいい?」
そう聞いたのだが、父は無言でうなづくだけだった。
ただ入院前よりも弱ったという感じはなく、もう二度と立つことは無理かもと思ったほどやせ細った足だったが、昨日は職員さんに支えられて立っていた。
父の生命力は本当にすごい。
人間そう簡単には死なないものだと思った。
というわけで、三度目の復活を果たした父であった。
あぁ、私も父のピースサインが見たかった・・・
退院当日はぐったりとして、果たしてこのまま退院させてもよいものだろうか?と思ったが、その後、父をみてくださる高齢者住宅の職員さんのお話によると、食事はいつも完食しているとのことだった。
また、退院後に行った妹も「お父さん、にこにこと笑っていた。要望に応えてピースサインもしてくれたよ」と言っていたので、まったく心配はしていなかった。
さて父の病名は「腸重積」だが、その原因となっていた腫瘍は検査の結果、やはり「大腸がん」だった。
幼児のこぶし大ほどの癌で、ステージⅡとのことだが、幸いきれいに切除できたことと、術後の経過が順調だったことから、今後は通院はしなくてもよいことになった。
これがもう少し若い人ならば3か月ごとに検査をするそうだが、父は86歳と高齢なうえに、自力では動くことができないほど弱っている為、通院する事は父の体力をますます消耗させるので、これにて病院は終了となった。
さて昨日の父だが、行った時にはベッドに横になっていた。
職員さんが「もうそろそろ起こしてもよいので」と言って、父に声をかけてくれた。
職員さんの手を借りて起き上がった父は、しっかりとした顔つきで私たち家族の顔を見るなり笑ってくれた。
また私の夫の顔を見ると、片手をあげて挨拶をした。
片手をあげて挨拶をするのは、私たち娘にはしないのだが、その伴侶たちには必ずする挨拶で、父がちゃんと理解している証拠だとわかって嬉しくなった。
医師からは「喉に詰まらせないものであれば、好きなものは何でも食べさせてください」と言われていたので、持って行ったジュースとプリンを出すと、父は美味しそうにそれらを完食し、まだ何か食べたそうな顔をした。
父はもう中身がなくなってしまった空き容器を手にして、「まだ残っているんじゃないか」と底をスプーンでつつくので、それを見ていた夫が「かわいそうだから、何か買ってくる」と言って、さらに飲み物を買いに行った。
父を見ていると、食べる欲はものすごい。
ついこの前、腫瘍を含めて20センチも腸を切ったとは思えない食べっぷり。
与えれば与えるだけ食べてしまうので、身体のことを考えると、かわいそうだが途中で止めさせなければいけない。
「次に来るときに、また持ってくるから。今度は何がいい?」
そう聞いたのだが、父は無言でうなづくだけだった。
ただ入院前よりも弱ったという感じはなく、もう二度と立つことは無理かもと思ったほどやせ細った足だったが、昨日は職員さんに支えられて立っていた。
父の生命力は本当にすごい。
人間そう簡単には死なないものだと思った。
というわけで、三度目の復活を果たした父であった。
あぁ、私も父のピースサインが見たかった・・・