箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

自分の道

2019年02月03日 12時55分01秒 | 教育・子育てあれこれ




私が学級担任をしていたとき、自分のクラスに、両親が離婚して、お父さんと一緒に住むことになった生徒がいました。

揺れやすい中2の時期だったので、その子が両親の離婚で傷ついていないか、気を遣ったのを思い出します。

それから30年が過ぎ、いまや親の離婚は珍しいことではなくなりました。

教員のときの経験から今思いますが、子どもはそれほどやわではありません。おとなが心配するほど、子どもは弱くはありません。

いずれ子どもは、親の離婚を受け入れますし、受け入れなければなりません。

離婚そのものは、話し合って合意して「別れよう」となったのだから、ある意味で仕方のないことです。

というか、仲が良くない両親の間で暮らす子どもへの負担の方が、子どもにとってがまんをしなければならないので、日々抑圧がかかります。

不仲の両親のもとで育つ子どもは、中学生にもなると、親が仲良くないことに気がつきます。

その場合、「わたしがいるから、親はやむなくいっしょに住んでいる」と感じる子もいるでしょう。

だから、もし子どものためと思い、離婚を踏み止まるなら、夫と妻は仲良しの関係をなんとしても、取り戻すべきでしょう。

しかし、それが無理なら、離婚して夫は夫で、妻は妻で、それぞれ幸せな人生を送るべきでしょう。

それぞれが幸せに楽しく過ごしている様子に触れた子は、安心していつかは「これでよかったのかもしれない、仕方がなかったのだ」と感じることでしょう。

ただ、離婚しても、子どもにとっての母親は一人、父親は一人しかいないというのは事実です。
一生、子どもの親としての責任はあります。

離婚により、子どもと離れて暮らすことになっても、子どものことを気にかけ、日々を精一杯生きている姿を示す責任があるのだと、私は考えます。

親がいつまでも幸せにしていてくれると、安心した子どもは、自分の道・自分の人生を進むことができます。