
生徒が悩みをもって教師に相談するとき、たまに生徒を叱咤激励する意味で非難したり、叱りつけたりする教師がいます。
あるとき、私はわが子を連れて海水浴に行きました。
ものすごく太陽の陽射しが強く、気をつけていましたが、かなり日焼けをしました。
皮膚が真っ赤になり、ヒリヒリして病院に行ったとき、「歳を考えろ。こんなになるまでなぜ日に焼けるのだ!」と、医師から強い口調で叱られました。
私は二度とその皮膚科にはいきませんでした。
窮地におちいった相手に優位に立ち、説教する人は嫌われ、二度と相談しまいと思われます。
ここからわかるように、助けを求める人は、叱責や命令を求めているのではありません。
お前のこれがいけない、その点が悪いと言われて気分が晴れるはずがないのです。
叱る側の気分が晴れるだけです。
アドバイスを求める人には、ふつう以上に親切にするべき相手です。
自ら相談にくる生徒は、弱って、困って、行き詰まって助けを求めています。
相談を受ける教師だって、悩みをもつ人間です。相手と同じく、弱い、悩みをもつ人として、謙虚に接することができる教師に、生徒は心を開き、「先生に相談してよかった」と思ってくれます。