一般的に、校長の話は長く、面白くないというのが生徒の感想です。
保護者の方も、自分の中学時代の校長の話は長くて、何が言いたいのかわからず、つまらなかったという経験があるのではないでしょうか。
私も最初は話が長くなりがちでした。
そこで、今では、できるだけ話の最初に、伝えたいポイントを短く提示するようにしています。
話が長くなる原因は、時系列で話してしまうからだと思われます。
たとえば、こんな話し方です。
「帰ろうと思っていたら、教員が相談にやってきて、深刻な話につきあいました。
遅くまで残ることになり、帰る途中に前の車が止まるので、何かと思えば警察が飲酒検問をしていた。
仕事で遅くなったんだ。飲酒なんてしているはずがないだろう。プンプン!
ヘトヘトになって、やっと家に帰ったら、『きょうは何の日かわかっているの』と妻に迫られたのです。
思い出した。今日は、結婚記念日だった。
忙しくて忘れていた。何も買ってこなかった。
そして、小言を言われ、ふてくされて、すぐに寝ました・・・」
このように、時系列で話して長くても、その話が面白いのなら、生徒たちは、興味津々で楽しそうに聞いてくれます。
しかし、多くの場合、時系列の冗長な話は生徒を飽きさせ、退屈にします。
もっとも、三中の子は、面白くない話でもよく聞いてくれるとは思っています。
それでも、話している私には、生徒が聴きいっているか退屈しているかは、その様子でわかります。
そこで、通常、私は結論を短くして先に伝えるようにしているのです。
ただし、いきなり結論から入るのではなく、話し始めには、生徒の注意をひく「しかけ」や「つかみ」を入れます。
たとえば、開口一番に「みなさんは、◯◯をどう思いますか?」と質問するのも一つの方法です。
これだけでも、生徒は「自分の場合は・・・」考えるので、それ以降の話に注目します。
あるいは、驚かすようなつかみを入れるときもあり、その上で、結論を言います。
そうすると、生徒にとっては、話の終着点がわかるので、それ以降のエピソードなども、頭の中でつながって聴きます。
また、細かい情報をたくさん詰め込んで話すのも、「長い話だ」という印象を与えてしまうようです。
だから、一つの話題には一つのエピソードと心得て話すようにしています。
生徒のみならず、人はたくさんの情報を提示されても、全部を覚えておくことはできないのです。
さらに、長い文章を読むような長文を話すのは、聞く方もしんどいです。
話す方も息継ぎをしなければならないからです。
その意味で、私は短文+短文で話すようにしています。
その方が、歯切れがよく聞きやすいし、生徒の頭の中にも、ポンポンと入りやすいようです。
生徒が校長の話を楽しみにしてくれる。
そんな話し手になりたいと願い、私も試行錯誤しながら話していますが、まだ道半ばだと思っている今日この頃です。