Miaou:猫と一緒にフランス語

長い道のりを猫と共に行きつ戻りつ

人としての権利(Les droits de l'homme)

2005-09-09 23:51:42 | Weblog
フランス革命後に発効された「フランス人権宣言」。
フランス語で書くと、「Déclaration des droits de l'homme et du citoyen」(デクララシオン・デ・ドゥロワ・ドゥ・ロム・エ・デュ・シトワイヤン)です。
世界史でお勉強しましたよね。「人は生まれながらにして自由かつ平等の権利を有する」ってヤツです。

この、「Les droits de l'homme」をレスペクトする精神が、アメリカには足りないのかな?ということを感じてしまう今日この頃のニュース。

これからたくさんの遺体が回収されるだろうルイジアナ州。
もう10日以上たっているわけで、水の中にいるのだから、身元の識別は大変です。ニュースによると2万5千の遺体回収袋が用意されたとか。

避難所を訪れたママブッシュは「ビンボー人にはこれで十分」(good enough for poor)って言っちゃったそう。「えぇ~~~~!!?」「はぁ~~~~!?」と開いた口がふさがらない、久々に味わったこの感覚。
自分の息子、もう2期目だから、何いってもいいと思ってるのかなぁ。

せめて、遺体の身元はしっかりと確定してもらいたいです。
まさか、肌の色で差別しないでしょうね!!! 

国民性の差だけではないんだね

2005-09-09 00:05:22 | Weblog
ニューオリンズを始めとする、ハリケーン・カトリーナで被災した方々の様子をテレビやインターネットで観ています。
日本のテレビでは絶対に映りませんが、フランスのテレビ局のサイトで配信される動画を観ていると、浸水した街並みを浮いて漂っているのは、瓦礫だけではないことがわかります。
日本でも、台風14号の影響が九州や中国四国地方で甚大です。
命を落とされた方もいらっしゃいます。
いくら、科学が進歩しても、ITだのスペースシャトルだと言っても、自然の前には人間は太刀打ちできません。

今日も「ル・モンド」記事を読んでみました。記事のタイトルは 「日本人は、自然災害に対しては注意深く準備をし、市民としての対応ができる」です。

そうだと思います。
少なくとも、コンビニやスーパー、小売店のウィンドウを割って、略奪に入る人は、いたとしてもごくごく一部だろうし、避難所では、皆が我慢して、協力して秩序を作り出すと思います。

これは、農耕民族だ(だった)ということが大きく影響していると思います。
いくら丹精して作物を育てても、台風が来ればそれがゼロになってしまうこともあるわけで、そういうことを「仕方ないよ、相手は自然だから」と受け入れてきたのですよね、日本は。

だから、自然災害の前にはみなが平等で助け合う必要があるのだと、もうDNAの中に入っているような気がします。

でも、アメリカは違うのでしょう。
自分のことは自分で守る、と家の中にライフル置いている皆さんだもの、素直に避難したり、避難所で自分を殺して協力体制に入るとは思えません。

でも、簡単に、農耕民族と狩猟民族の差、と言ってはいられない、わたしたちがあまり知らなかったアメリカの深い部分を、カトリーナは見せてくれたような気がします。

ニューオリンズ州は「ジャズの都」とか「フレンチクォーター」とか美辞麗句で飾っているけれど、やはりソフトだけれど揺るぎのない差別を受けた州なのではないでしょうか。
軽々しく言ってはいけないというのは分かっているのですが、政府の対応遅すぎです。
街中を覆っている汚染された水による感染症で亡くなる人が出てきてしまうくらい放っておく政府って・・・。

宇宙行ってる場合じゃないだろ~~~!!!イラクで武装キャンプしてる場合じゃないよね。

ところで、オランダは堤防建設のエキスパートを派遣するという形で復興支援に参加するそうです。なるほどなぁ~~~と激しく納得。

昔読んだ童話で、堤防に開いた穴に自分の腕を突っ込んで、街を救った男の子の話ありましたよね。