フランスの物まねタレントのジェラール・ダァンという人が、入院中の大統領になりすまして電話
をかけました。
かけた相手はジデジーヌ・ジダン。
サッカーフランスナショナルチーム
のキャプテンで、つい最近、”フランスをワールドカップドイツ大会に行かせるために”代表チームに戻ってきた人です。
戻ってくると分かった日の新聞の見出しは「彼は戻ってくる(Il revient)」でした。
物まねタレントのムッシュー・ダァンが大統領になりすましジダンに言いました。
ここで、胸に手を当てている選手の写真が見れます。電話での会話も聴けます。
「私の頼みをひとつきいてもらえないかだろうか。
試合前の国歌斉唱のとき、チーム全員で胸に手を当ててほしい。
そうしてくれたら、わたしは98年のとき(フランスがワールドカップで優勝した年)のように幸せだ。」
すごい弱弱しい声。
シラク大統領の声なんて、サミットの共同記者会見や、フランス国民への呼びかけコメントのときしか聴く機会がないので、病気で弱った声なんてしるわけないけど、ぜんぜん違う印象。
でも、物まね(有名)タレントがやっているのだから、きっとそうなのでしょう。
で、ジダンは「わかりました。他のメンバーと話し合って、必ずやります。大統領も
」と答え、実際にチーム全員が胸に手を当てて、国歌を歌ったそうです。
結果フランス
アイルランドは1-0でフランスの勝ち。
普段、フランスチームのメンバーは国歌さえ真面目に歌わない
そうです。
旧植民地出身の選手が多いから。
なのに、今回はころりと騙されて、歌は真面目に歌うは、胸に手はおくわ。
選手の純粋さというか、「大統領」というフランスを代表する立場の人物と、また別の形でフランスという国を代表している自分たちの中に連帯意識のようなものを感じたのか・・・。
はたまた、病気で入院という政治家としてはネガティブな状態にいるムッシュー・シラクに、まだドイツ行きを決められないでいる自分をダブらせ、「お互い大変だよね、国民の視線が」というシンパシーを感じたのか。
とにかく、グッドタイミングにグッドな仕掛けでした。
からかわれた、とわかって選手たちはどういう反応を示したのでしょうか。
怒るような無粋な人はいないよね、きっと。