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Kが薬を手に入れた話(2)

2011-03-08 19:41:13 | ダブダブ姐さんの聞き書き
ダブダブ姐さんからお便りが届きました。

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地元では今、梅林祭りがされていて、今日行ってきました。

今年は寒さが長く残るようですので、あたたかくしていてくださいね。

R子さんから、前のはがきへの返事を頂いたので転載します。

(R子さんはNさんの妹)

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私もおぼえています。薬を頼んだ話は。

串本ではもう、薬も、注射もないということでした。

空爆があって、
病室にも機銃掃射のバラバラという音が
しばらくは聞こえるのです。
先生も防空壕に走っていきました。

私らは、母の布団にもぐりこみました。
母が「防空壕に行かな危ないで」と言うから、
撃たれて死ぬか、病気で死ぬか
どっちかで死ぬんやなと思ったものです。
あたらへん、あたらへんと口では言いました。

母がうちに帰りたいというので、
手当の方法もないから、
家の舟に乗せてギッチラ、ギッチラと大人が漕ぎました。

幾日かは生きました。
生きているのに手が冷たくて、
おじいさんが息を引き取っても
体は温かだったのを思い出しました。

兄にも知らせて、一時、軍から帰ったときは、
とても元気が出て、隊に帰ってしまうとまた元に戻ってしまい、
親心やなあと思いました。

家の者が何人もまわりに集まっていました。
慶応生まれのおばあさんがいました。
母のSには、言いたい放題の人でした。

その祖母が、母が亡くなったとき、
声を上げて泣いたのです。

「この年寄りをおいて何で先に逝ってしまうだよう」と
涙を流して取りすがる姿は、
このおばあさんは優しい人やったんやと
思わされたと言うことなのでした。

(R子さんより)

2011年3月6日

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