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Kが薬を手に入れた話

2011-02-03 19:55:56 | ダブダブ姐さんの聞き書き
ダブダブ姉さんの聞き書き7

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寒中お見舞い申し上げます。


「Kが薬を手に入れた話」


戦時中のこと。

S(Nの母)さんは肝臓を患っていた。

夫のK太郎さんは肝臓によいというシジミを手に入れてSさんに食べさせた。

医者先生は「薬があれば」と言った。

K太郎さんは「親戚に看護婦がいるから」と薬の名前を聞いた。

先生は「医者でも手に入らんから」とはじめは言ってくれなかったが、
何とか聞き出し、それをKに連絡した。

Kは尾崎のH口さんの繋がりの人で、
ご主人が S製薬の研究室にいる人を
紹介してもらったのか、知っていたのか頼んだ。

ある日、会社に行きなさいと言われ、訪ねていったら、
薬が準備されていた。

それを持って串本に行った。

薬は2種類あった。

先生は「これが手に入るとは!」とびっくりしたが、もう遅い、と言った。

薬が使われたかは知らない。薬がどうなったかも知らない。

(2009年夏 Kより)
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昭和20年5月25日、母親の具合が悪いというので
軍隊から一時帰郷した。

そのときKが家にいた。薬を届けに来ていた。

小康を得て、いったん帰隊したが、母は亡くなった。

気分が変わるかも、と松山の部隊に異動になって終戦を迎えた。

(2010年暮れ Nより)
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K太郎さんがシジミを入手…。

シジミは淡水や汽水に生息する貝、

串本は太平洋に面した海辺のような所。

シジミを入手するにはさぞ苦労されたことでしょうね。

健康保険もない時代、しかも戦争のさなか。

さぞかし大変だったことでしょう!

今の時代に生きていられることに感謝、です。


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