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『バタをひとさじ、玉子を3こ』(石井好子著、河出文庫)

2015年04月28日 | O60→70(オーバー70歳)
4月20日、『バタをひとさじ、玉子を3こ』(石井好子著、河出文庫)を読み終えました。3か所ほどいたく感動し、記憶に留めたい記述がありました。一つ目は、かつお節オムレツ、ぜひ自分も作ってみたいレシピです。二つ目は、母へのお詫びをテーマにしたシャンソンの歌詞です。思わずもらい泣きしそうになりました。三つ目では、レーズンウィッチで有名な「小川軒」の由来を知りました。

【13ページ】
夫の父を田舎に案内して、数日いっしょにすごした事がある。
朝、「玉子は何にしましょう」ときいたら、「かつお節入りのオムレツを作ってほしい」というのでびっくりした。かつお節を玉子にまぜ塩、こしょうではなく、薄口しょう油で味をつけて焼いた。「おいしい」というので自分の分も作って食べてみたら、炊きたてのご飯にとてもよくあって、思わずおかわりをしてしまった。
料理というものにきまりはないのだから、いろいろ工夫して、自分の口にあうオムレツを発見するのも楽しいことだと思った。

【117ページ】
シャンソン『泣くなネリー』(クープレ)
母にいってくれ
僕は母を愛していたと
しかし僕は母には心配しか掛けなかった
心配しか掛けなかった
僕は母のやさしい微笑が
母の涙が 母の清らかな顔が 好きだった
母には 何もいうことが出来なかった
僕の心は あまりにも ひねくれていた

【186ページ】
「小川軒」は数年前まで、東京の新橋駅前に、小さい店を開いていた。オペラ歌手の藤原義江さんが日参されていたフランス料理の店で、メニューには今でも"フジワラ・ステーキ"というのがある。
「小川軒」のあった場所は、大きな駅前ビルが建ったので「小川軒」はお菓子の売り場だけ残して、本店を渋谷に移した。新しい店は並木橋を渡った静かな住宅街にあるが、「小川軒」ファンは、遠路をせっせと通っている。
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