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抜き書き帳『黄昏旅団』(その9/完)

2016年09月07日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
【140ページ】
あ~あ、惜しいなあ。この黄金の足ともおさらばか。
タイゼンが消えていきます。悠然としきれないあたりがタイゼンです。世界のゆくすえに寄り添いながら、正道か邪道か、彼我の区別もなしに歩いてきた男。わたしやぼくよりもそれ以外の人々の世界のほうが広大であるに決まっている、グンにそう教えた男。けれどもその千四百年の〈道〉を歩き抜いてグンが強く感じるのは、この上もない道連れと旅ができてよかったな、という純粋な喜びの方でした。
お前も、道連れを探しな。
「ああ、俺も----一人で〈道〉を歩くのはしんどいもんな」
わかっただろ、誰かいるほうがいいって。

[ken] 人の道行き(人生)において、環境面からみると住む家は最大のポジションを占めると考えられます。そんな日々の思い出に満ちた家々が、日本では800万戸(2013年度)を超えるほどの空き家数になっているそうです。
ちなみに、空き家にしているわが家のある栃木県は、全国空き家ランキングの12位になっています。100当たり15.0戸が空き家ですから、わが家のマンションにおける空き家数と同じくらいでした。栃木県の総戸数が840千戸で、そのうちの126千戸が空き家とは驚きました。人口減少のスピードを加味すると、空恐ろしい数字といえますね。
さらに、野村総合研究所の予測では、2018年、2023年、2028年、2033年における日本の総住宅数・空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)、住宅の除却・減築などが進まない場合、2033年の空き家数は約2,150万戸へ増加すると見込んでいます。
また、生まれ故郷の「塙町議会だより」135号によれば、同町の空き家数は322軒(平成27年度調査)、そのうち立ち入りできなかった99軒を除く223軒について、「良好」76軒、「要修繕」100、利用不能47軒と分類しています。今後は、今年度中に「空き家バンク」を立ち上げ、売却や貸家を考えている15件を中心に、空き家の再利用を推進するとしています。
なお、空き家のまま放置される要因としては、更地にすると固定資産税が6倍程度に急増するからですね。そろそろ、私も終活を考えなくてはいけない年齢になりましたが、本書の「道連れと旅」を意識しつつ、栃木県の空き家の処理や終の棲家を含めて、じたばたしながら生きていこうと思います。(終わり)
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