![]() | 「おじさん」的思考 (角川文庫) |
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この「おじさん」的思考は、「ためらいの倫理学」(2001年冬弓舎より刊行)についでの
二冊目のエッセイである。
今日の内田樹があるエッセンス満載の本である(2002年晶文社より刊行)。
著者曰く、これが最後の本になるかもしれないと、思い切り好きなことを書かせてもらおうと
やけっぱちな気負いが滲んでいると、・・・題材も、多岐に渡り、憲法9条、買売春と自尊心、
別姓夫婦の先進性について、大学全入学時代、フリーターの隠れた社会機能とか、・・・
解ってはいるが、自らそれを認めたくはない、タブー視して、見ている振りだけしている事柄を
熱っぽく述べている。
でも、すべて、哲学的、思考法であり、「考える」、「自らに置きかえる」、「自分の立ち位置を決める」
など、「おじさん的」思考とは、おじさんになったからには、自ら思考することが大切であると教えてくれる。
「自分は、なぜ、ここにいるのか」「自分は誰なのか」、「自分は、何の為に、いまここにいるのか」、
「禅」の公案、「父母未生以前の我」(両親が生まれる前の私とは誰であるか)のごとく、
答えのない問いにどう対処すべきかというのが、「大人」的技法であると・・・・
「愛」を考え「倫理」とは「幸福」とはを考える。
この「おじさん」的思考という本、おじさんなら、日頃からこれぐらいは考えて欲しいという
内田樹的、「哲学」の入門書である。
