舟を編む | |
クリエーター情報なし | |
光文社 |
☆☆
会社の者に借りた本、久しぶりの小説。
舞台は出版社、変人扱いされた主人公が、辞書編集部で新しい辞書の編纂に携わる。
15年の歳月を経た、地道な作業。その仕事ぶりは、こだわりと執念の塊である。
でも、その根底に流れるのは、言葉への愛情であり、心を伝える言葉へのこだわりである。
例えば、「おませ」と「おしゃま」の用例の違いをどう表現したら良いのかと。
「おませ」は子供の性別を問わず使うが、「おしゃま」は女の子に対してしか使わないと。
何気なく普段使っているいる言葉にも、微妙なる違いがある。
辞書に使われている紙にもこだわり。
厚さは、一平方メートルあたり、45グラム。辞書に使われる用紙は、いかに薄く、裏写りしないか、
そして、やわらかみのある色目、でも最後には、一枚一枚めくったときの、ぬめり感にこだわる。
絶妙なるしっとりした質感を追求、真のプロのこだわりはあなおそろしや。
仕事を通じての人間模様と、素敵な恋愛をも絡ましての、「大渡海」の辞書編纂作業。
最後に、出版にこぎつけて終わるが、読了とともにの達成感は清々しい。
知らない世界に放りこんでくれる、小説もたまには良いもんでおますな。
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