ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

疲れすぎて眠れぬ夜のために

2011-11-23 05:58:53 | 本の少し
疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店



なかなか最後まで、読了できなくて、沢山の本に追い越された本
内田樹の「疲れすぎて眠れぬ夜のために」をなんとなく、読了。

心耳を澄ませ、働くということは、身体の感覚を蘇らせよ、らしく生きるとは、家族とは、
多岐にわたって問題提議している・・・「我慢はダメだよ」、「無理はいけないよ」
自分自身に大いなる期待を期するな、リラックスして、外部の声、気の流れを感知せよと。

心耳(しんじ)を澄ませて無声の声を聴く。

やや、宗教じみてますが、内容はなるほどという事柄に満ちている。

ビジネスとレイバーの違いでは、それは「リスク」と「責任」とに関わってくると、
優れたビジネスマンは「リスクを取る」というが、凡庸なサラリーマンは「リスクを負わされる」という。
リスクを取らない人間は同時に決定権をも回避することになり、そういう人はビジネスには参加出来ないだけではなく、きわめて日常的で「人としての基本」と言いきる。

らしさでは、実年齢より少しオーバー目に「老けてみせる」というのが老人「らしさ」の
基本的マナーと、「できるけど、やらない」というのが「らしさ」の節度であり、そこから滲んでくるものが、「身の程をわきまえている」人間だけが醸し出す「品格」というもだと、「品がよく」踏みとどまることのふるまいの大切さ・・・日頃若く見られたいと思っている私には耳の痛いおことばですな。

家族については、「愛情がなくなればすぐに離婚する夫婦」や、「子供が可愛く思えないので暴力をふるう親」なんぞは、公共性を失った核家族であり、自分の家族だけ、しいては自分だけを守るというピュアな愛情だけの結果である。

「おはようさん」「おはようさん」
「雨、降ってるね」「ええ、雨降ってますね」
「今日、どうしよう」「・・、どうしましょうか」と、家庭内のコミュニケーションは、こういう「ほわん」とした他愛のない言葉の行き来が、家庭をいつまでも温かく優しく保つ礼儀ですな。

まずは、妻に優しくなろうと想っただけでも、私には価値ある本でおました。


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