ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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江戸落語でおます~池袋演芸場

2012-04-11 23:39:27 | 江戸落語

この地下が、池袋演芸場・・・・中は、百席にも満たないこじんまりとした客席。

一、桂南なん・・・・・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」

南なんさん、前回は末廣亭で・・。

若旦那が、針を打たせてくれというまでの、太鼓持ちのヨイショ振りがおもしろい。
ゴルフ、野球、乗馬、それぞれにギャグ満載、ここらあたりは、東京の噺家さんらしくて個性的。

でも、太鼓持ちの、上方でいう金への執着心は極めて薄い。

針も、上方での上手いと言われて、ほっておいて肉が巻いてとれなくなるのではなく、
いきなり、打った針が折れて先が腹の中に、迎い針も同じくポキリ、
でも、血だらけになった一八をおいて、若旦那は逃げていくが、
上方での針を抜こうとして、お腹の皮が敗れてバリバリ・・・・最後の
「皮が破けて、鳴りません」の方が、理にかなっているような。

やはり、上方での「痛くない」と、誉められた若旦那がゆっくりと煙草を吸う
ゆったりとした安堵感が、嬉しいですが。


二、昔々亭桃太郎・・・・・・・・・・・・「唖の釣り」

殺生禁断の上野の池へ鯉を取りに行く与太郎と七兵衛さん。
こういう「唖」とかいう普段遠慮している言葉、ネタが聴けるのは、演芸場ならでは、

桃太郎さん、びっくりするほどギャグ満載で、愉しい。

びっくりする様なこと言ってみろ。
「○山○○は、カツラ」、「バカ、そんなこと、誰でも知ってら」
「○山○○○と○井○と○○は、オカマ」、「バカ、そんなこと、誰でも知ってら」

たった、12人しかいない客席だけに、言い放題なのか、それとも大勢の客の前でも同じなのか。
上方にはない、裏バナシ満載の高座でおました。


三、ナイツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「漫才」

おもしろい、かつてのヤスキヨを彷彿させるおもしろさ。
いつもテレビで見ている、言葉間違いだけに終わらず、ゆったりとした中でのボケギャグが連発。

「ダイエット気にしてるが、肥ってしまった」、「64㎏、肥ってしまった」
「・・・・・、生まれた時は。3650gだったのに」・・・・「それって、成長してんでしょ」

「身体を鍛えるため、今年、大きな大会が夏にあるのでに出ようと・・・倫敦とかの」、「それ、オリンピックでしょ」
「まだ、申しこみしていないけど、インターネットで・・・」

今年の、オリンピックネタに入る、
「田村で金(カネ)、谷でも金(カネ)」・・
「東京オリンピックでカール、ライスが走りましたが、100m9秒なにがし・・・・約10秒で走りましたが」
など、次々に炸裂・・・そして、イチローから、大好きな野球、巨人へ。

雑学クイズで、「土佐の藩士で、薩長同盟の橋渡しをし、・・・・・・・テレビドラマでは、福山雅治が演じ、●●龍馬という者。さて●●は誰」
「三択です。」、「一番~、坂本。 二番~、谷。 三番、センター長野」とラインナッップを気持ちよく紹介・・・・・。

二問目は、「日本のアニメ界の巨匠、宮崎駿監督が作ったアニメ、風の●のナウシカ・・・。」
「これも、三択です。」、「一番~、坂本。 二番~、谷。 三番、小笠原」と、またまたラインナッップ紹介。

30分でも、40分でも、ずっと聴いていたくなる、ナイツのお漫才でおました。
「一番~、ナイツ・・・・」


、三遊亭笑遊・・・・・・・・・・・・・・「愛宕山」

なかなか味のある、「愛宕山」。

東京のの太鼓持ちだが、旦那のお供で京都へ、「愛宕山」に登る。
特に、一八と繁八が唄を唄いながら、時間をかけて山を登っていく様は、秀逸。

かわらけ投げでは、お染久松とかの曲投げはなく。案外さっぱり。
傘を持って飛び降りる前で、おわり。

大ネタを端折ることなく、ましてや下げまでいかなくての途中で終わり、
こちらでは、日常茶飯事のことなのか。

でも、一時間で4本、15分で語れる噺となれば、限られてきますな。


五、桂歌春・・・・・・・・・・・・・・・・・・「元犬」

二回目の出会い。

こんな、上方では聴けない噺が、聴けるなんて、うれしいデスナ。

他愛のない話。犬が人間に・・・・。元犬が、くりなすナンセンス劇。
私達も、前世も人間とは限らないらしい。願かけをしてまでなりたかった人間とは、
犬から見て、どう見えてたのか、しろチャンにもっと聞いてみたいもんですな。

オチは、女中(おもと)を呼んで「もとは、いぬか(居ぬか)」・・・「先ほど、人間になりまシた」


六、松乃家扇鶴・・・・・・・・・・・・・・「音曲」

「ふぅ 、ひぃ、 はぁ」と、なんとも色っぽい、溜め息。・・・・・・・・・・・・・・この方も二回目。
粋でお洒落で、何とも江戸っぽい。・・・・・「新内、やりますよぉ」、三味線の音も小粋に響く。

呟く音曲・・・・扇鶴さん、この空気誰かに似ていると思いきや、ナオユキさんか。
「 はぁ、なんて、ひぃ、きもち、ふぅ、いいんでしょ、」・・・。


七、桂小南治・・・・・・・・・・・・・・・・「甲府い」

本日は、この人の一席で、十分堪能、入場料2500円の値打ちあり。

このかた、平成22年度の文化庁芸術祭の優秀賞受賞の噺家さん。鶴二さんが受賞した時と同じだ。
そのときのネタは「そば清」、「甲府ぃ」らしいが、そのとき評判の悪かった方を・・・。

喋りは、下町のいなせな兄さん。・・・・関西人には、そのがらっはち風が心地良い。

主人公が、この豆腐屋に奉公するきっかけとかが、日蓮宗、法華の信心。
オチも「おや、お揃いでどちらへ」「甲府ぃへ(豆腐ぃ)、お参り(ごまいり)、願ほどき(がんもどき)」

笑いも、涙も、少ないハナシだが、そんなところが関西人には特に江戸っぽく映るのか。
マクラの家事手伝いばかりの内弟子時代で、あとあと役に立ったこと、とか・・・・
間に挟んだ、「キンカンとムヒ」のハナシに、小南治さんのセンスを感じる。

でも、東京は大阪と違って、トリの値打ち、主任の重みは凄いみたい。

この貫禄と上手さの小南治さんと同じ、文化庁芸術祭の優秀賞受賞を受賞した鶴二さんって・・凄いんだと。
逆に、改めて、再認識した桂小南治さんの一席でおました。


池袋演芸場(夜の部)
2012年4月11日(水)
池袋演芸場

一、桂南なん・・・・・・・・・・・・・・・・「太鼓腹」
二、昔々亭桃太郎・・・・・・・・・・・・「唖の釣り」
三、ナイツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「漫才」
四、三遊亭笑遊・・・・・・・・・・・・・・「愛宕山」
五、桂歌春・・・・・・・・・・・・・・・・・・「元犬」
六、松乃家扇鶴・・・・・・・・・・・・・・「音曲」
七、桂小南治・・・・・・・・・・・・・・・・「甲府い」


12-16-81


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