ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

歌集 乱反射~小島なお

2017-12-25 05:04:03 | 本の少し
歌集 乱反射
クリエーター情報なし
角川書店

☆☆☆

歌集「乱反射」・・・・・第50回 角川短歌賞 受賞歌集

1986年生まれだから、2007年、もう10年前に出された初めての歌集。
当時20才過ぎ、17才~20才までの274首納められています。

生々しい感性、今スポーツ界でも将棋の世界でも、若い方の活躍が
目覚ましいですが、短歌の世界でも、この様な素晴らしい歌が詠めるなんて。

ご存知のように、お母様は歌人の小島ゆかりさん。

やはり、蛙の子は蛙なんですな。



例によって、お気に入りの歌を

噴水に乱反射する光あり 性愛をまだ知らないわたし

なにもないことはないけどなにもない 或る水彩画のような一日

靴の白 自転車の銀 傘の赤 生なきものはあざやかである

講堂よりオルガンの音のもれるとき 秋はゆたかな深呼吸をする

ぼんやりと季節濃くなり 傘がいるようないらないような雨の日

沈黙の多いきみとの電話では 遠い蜩の声ばかりする

ほしいものがありすぎて少しあきらめて 落ちてる柿の数を数える

バスとバスすれちがいたる一瞬に 十月の風は光ってみえる

たくさんの人がたくさんの願いをしている真上大きな月




コメント
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