よつ葉のエッセイ (河出文庫) | |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
☆☆☆☆
ふたたび短歌に親しもうと、積読の中から俵万智さんの本を引っ張り出す。
俵万智さんが「サラダ日記」で注目され始めたころで、まだ高校教師をされていた時代のエッセイ。そこには歌壇とは違う一般の世の中でうけいれられていく嬉しさ、喜びに、初々しく満ちている。
短歌について、改めて読むと、身の引き締まる箇所があったので抜き書きしておきます。
さて、五七五七七というこの型は、万葉の昔、1300年前から受け継がれてきた、魔法の杖である。五音七音のリズムの快さは、日本語を表現手段とするとき、たいへんな武器であることは間違いないだろう。自分の思いを、この定型に収束してゆくこと、それが短歌による表現ということである。定型のリズムを獲得した言葉は、生き生きと動きはじめ、私の手から泳ぎ出し、うまくすれば、読む人の心までたどりつく。
自分の中のごちゃごちゃを切り捨てて、表現のぜい肉をそぎ落とし、最後に残った何かを捕まえる。その時の〈網〉の役割を、定型は担ってくれる。そこには、切り捨ててゆく緊張感がみなぎっている。あるいは、切り取ってくる充実感、ともいえよう。
短歌は、短い。短いが、歌である。そして短いがゆえに、短歌なのである。
短歌の原点ですな・・・五七五七七という定型のリズムを活かした歌。
肝に銘じて、詠みたいですな。
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