ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

歌集・短歌になりたい~絹川柊佳

2023-08-04 06:06:06 | 本の少し
 ☆☆☆

青春の歌っていいですよね。どこか初々しく、幼くて、そこが魅力。

兄のものだった机をひらいたら一円玉がいっぱいあった
君の目が泣きだしたことに触れないで話し続けた駅のドトール
眠るだけ眠くなくても眠るだけ眠れなくても目を閉じるだけ
カフェオレを服にこぼしたそのことが雨の火曜にちょうどよかった
明日から無口と決めて花を買う財布の中に二万円ある
自転車で前を通ればたっぷりと角度を変えたタワーマンション
悩みごと溶けたみたいに降る雨がぬかるみにまた水を与える
無印良品のカーディガン 思っても黙っていることが増えてきた
そば屋の前の大きな甕を覗きこむ金魚がいることを期待して
すき間から電車が走るのが見えてなぜだかとても懐かしかった
忘れられない 限られた時間の中でうまく選べた駄菓子の感じ
四つ葉かと思ったら三つ葉が重なってそう見えただけ プレゼントだよ

青春って、いいですよね。



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