ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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鶴志さん、松鶴師匠そっくり~ゆとりーと寄席

2010-01-15 23:40:50 | 落語
お友達のTさんに誘われて、初めて八戸ノ里のゆーとり寄席ヘ。


立派な建物


ほぼ50名の会場にはいるなり、顔見知りの落語仲間がおられて、
初めての会なのに、なぜか、ほっとする。


明日は、朝5時起きで、金沢の為、感想は、明晩ヘ。
鶴志さんの、平の陰(手紙無筆)、絶品でしたおましたで。

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一、笑福亭笑子・・・・・・・・・・・・・・・・・「動物園」

マザコンの、何もせずにブラブラしている息子が主人公。
お母さんが探してきた仕事が、いつもの動物園の仕事。

主人公、なぜかひょろひょろとした頼り無さが目立つが、
虎の縫いぐるみを着る処、ライオンの動きなど
仕草でも笑わさなければ、この噺、笑いが半減。・・・勿体無い。、

最後は、ライオンが耳元で「心配しいな。お母ちゃんや」
虎の皮ではないが、笑いの虎の巻が、ほしいですな。


二、桂出丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」

冬の定番、「不動坊」
漉きなおし屋の徳さん、活け洗い屋の裕さん、東西屋の新さん
三人のドタバタ劇、そこに「軽田道斎」という講釈師が加わる。

風呂屋での、内輪げんかの下稽古から、おもしろい。
出丸さん、ざこば師匠でも、枝雀師匠でもなく、
大師匠米朝さんの正統派か。

サゲは、「講釈師、軽田道斎、さっきまで宙に浮いていて、
今は、井戸の底に沈んでるんかいな」
「あぁ、とかく芸人、浮き沈みの激しいもんでございます」と、
いつもの遊芸(幽霊)稼ぎ人とは違うサゲ。

サゲのスマートさで、、出丸さんの姿勢が窺えますな。

三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・「提灯屋」

最初に、じっくり落語家一門の紋を、スケッチブックに生喬さんが描いたのを
見せながらの説明、(大阪芸大美術学科卒だけに、素晴らしい出来)

笑福亭一門は、「五枚笹」、・・・・松冨久亭松竹の弟子が、笑福亭吾竹を名乗り、
「五つの竹」から、五枚笹を使用したと。
米朝、文枝一門の、「三つ柏」、これは江戸の文化年間から使用。「結び柏」は簡略型。
春団治一門の、「花菱」・・・・ただし「、菱三升に花菱」を使えるのは、三代目だけ。
露の一門は、「桔梗」、これは現在の露の一門が出来た時、五郎氏の家紋からと。
林家一門は「ぬの字」で二代目染丸氏が、卯年生れで、ウサギが好きで。
其の他、月亭一門の、月の月食みたいな紋と、
森乃福郎師匠がフクロウを図案化した紋。

一門の定紋があるのは、上方落語の特徴で、
東京は、いたって、自由、好きな紋を使っていると。

まあ、ルーツみたいなもので、大事にしてほしいですな。
でも、松之助師匠は「五枚笹」と思いますが、明石家のさんまさんは無くても、
のんきさんは、今、何を使ってるんですかな。

そして、昔はあまり大ぴらげに肉は食べなかったそうで、
猪を「ぼたん」、馬を「さくら」、鶏料理を「かしわ」、すっぽん料理を「まる」と
後で出てくる、内容、サゲを丁寧に解説。

サゲは、「丸に柏」の紋・・・「すっぽんにニワトリやろ」

この「提灯屋」を演じようとすれば、今日の生喬さんの様に、
客への啓蒙から始めなければと、骨の折れるネタですな。

でも、日頃、着物ぐらいでしか出会わないて、薄れていく「家紋」
この噺、日本人の心のルーツを守る為のにも、時々演じてほしいですな。


四、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・・・・・・「平の陰」

別名、「手紙無筆」、物知りと言われているおっさんが、実は無筆。
持ち込まれた手紙を、代読しようと、四苦八苦。

ごまかす、セリフ。
「あぁ、書いたある」、「もう、おしまい」、「思い違いやった」、「では、さいなら」
「グッドバイ、本当に、グッドバイ」・・・これらのセリフが、松鶴師匠にそっくり。

この、ストーリ性のない噺でありながら、腹の底から大爆笑できるなんて、
芸の力とは、おそろしい。・・・・・・・・凄い、鶴志さん、笑福亭の真髄、まっしぐら。

お誘い頂いた、Tさん、ありがとうございました、満足させて貰いましたで。
笑福亭の「骨太」を味わいに、又、ゆとりーと寄席、お伺いしまっせ・・・。


第180回・ゆとりーと寄席
2010年1月15日(金)午後6:30開演
ユトリート東大阪

一、笑福亭笑子・・・・・・・・・・・・・・・・・「動物園」
二、桂出丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」
仲入り
三、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・「提灯屋」
四、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・・・・・・「平の陰」

10-04-19

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