ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

落語と川柳~長井好弘

2014-09-09 05:05:05 | 本の少し
落語と川柳
クリエーター情報なし
白水社

☆☆☆

最初の方は、「鹿連会」と、昭和の4、5年頃、川柳作家の坊野寿山が
四代目小さん、五代目圓生等に川柳でもと、お声かけをした集まった噺家さん15人の会。

その会の様子と、詠まれた句を紹介・・・。

その後も、落語に何か影響を与えたようで、落語芸術協会でも「鹿川会」をおこし、
若手の「小鹿会」「鹿柳会」など若手の会もできたようで、やはり、噺家さんの川柳・・で。

芸風がそのまま

志ん生さんは自然流で「干物は秋刀魚は鯵にはかなわない」
色っぽいのは文楽さん、「春の宵妾同士で飲んでいる」
(文楽さんの住まいの路地に何軒かの妾宅があり通称「お妾横町」と)
皮肉屋の正楽さんは「真打の宵に上るは儲け口」
鉄火場の三木助さんは「競輪の帰り自転車を見ると腹が立ち」

など、失礼ながら、くだらないようなそれでいて
当時の噺家さんの生活ぶりがありありと浮かぶ。


後半は、落語のマクラなどで語られる川柳を紹介。
でも、東京の噺ばかりで、聞覚えのあるのは、

一声と三声は呼ばぬたまご売り・・・「孝行糖」(こちらでは物売りの噺の時に)

講釈師見てきたような嘘をつき・・・「くしゃみ講釈」「高尾」

噺家は世上のあらで飯を食い・・・(演目多数)

居候三杯目にはそっと出し・・・「紙屑屋」「湯屋番」「船徳」他

居候亭主の留守にし候・・・「紙屑屋」他



この本にはないですが、こちらでよく聴く定番といえば

上燗屋ヘイヘイヘイとさからわず・・・「首提灯(上燗屋)」

儲かった日も代書屋の同じ顔・・・「代書」

間男は亭主のほうが先に惚れ・・・「紙入れ」

沈香も焚かず屁も垂れず・・・「百年目」

酒なくてなんの己が桜かな・・・「寄合酒」など

一年を十日で暮らすいい男・・・「花筏」「大安売り」「幸助餅」あたりかな。



普段もっと聞いているようですが、でてきませんな・・・・。

最高は、笑福亭仁智さんの創作落語「川柳は心の憂さの吹きだまり」の
山ほどでてくる川柳でキマリですな。



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