『ワイフ・プロジェクト』(「The Rosie Project」)で、登場人物ロージーがいうセリフ。
「シーフードは大丈夫よ。サステナブルであれば」
「サステナブル(sustainable・サステイナブル)」は「持続可能な」という意味。環境保護の用語として聞いたことがあるのではないでしょうか。
ただ、ここで言っているのは「シーフード」。「水産物・魚介類」のこと。
「持続可能なシーフード(sustainable seafood)」という意識はまだまだ日本人には馴染みがないものですが、魚をたくさん食べる日本人にこそ必要かもしれません。
「持続可能な」という言葉は、「将来にわたって利用・維持することができる・未来でも続けることができる」ということ。
「持続可能な水産物(sustainable seafood)」と言ったら、狭義では「将来にわたって利用することができる水産物」の意味ですが、広義では「過剰漁獲や水産資源の枯渇を防ぐために、海洋の生態系を守りながら行う漁業でとれた水産物」という意味も含んでいます。
ロージーのセリフを「シーフードは大丈夫よ。生態系を傷つけないものであれば」と言い換えたら意思が伝わるでしょうか。
このセリフでロージーのキャラクターが分かるような気がしますよね。環境問題にも関心があって、自分の考えをきちんと伝えられる女性……、ちょっと手ごわそうでしょ?
これは「海のエコラベル」=「MSCエコラベル」です。持続可能な漁業(海の環境・生態系を壊さずに将来も漁業や水産物加工業を続けることができるように配慮された漁業)で獲られていることを示す認証ラベルです。
(写真はドイツのスーパーで買った加工食品のパッケージに印刷されていたもの)
「持続可能な漁業(sustainable fishing)」は「海の恵みを守る漁業」。
欧米では、広く普及している考え方のようです。スーパーでもよく見かけますし、ケンタッキーやマクドナルドのような有名企業も配慮しているそうです。
このマークを認証している「MSC(Marine Stewardship Council)(海洋管理協議会)」は、海の環境と資源を持続可能にするための取り組みをしている非営利団体。イギリスに本部がありますが、日本にも事務所があり、世界中で「海の恵みを守る漁業」を提唱しています。
・MSCの活動 - MSC(海洋管理協議会)
ドイツではツナ缶にもスモークサーモンにも「MSCエコラベル」が付いていましたが、まだまだ日本のスーパーではあまり見かけないようです。それでも、イオンや生協などで取り扱いが始まったようなので、今後広まっていくかな?
「京都府機船底曳網漁業連合会のズワイガニ、アカガレイ漁業」「北海道漁業協同組合連合会のホタテガイ漁業」もMSC認証を取得しているそうです。
漁業資源の乱獲、とくに近隣の海の違法な操業は日本にとっても大きな問題になっています。アジア中で、世界中で、「海の恵みを守る漁業」という考えが広まることは日本にも有益なはず。
近隣諸国はもちろん、世界の国々と一緒に考えていきたい課題ですね。
『ワイフ・プロジェクト』でドンが作る「持続可能なシーフード」のメニュー・「ロブスターとマンゴーとアボカドのサラダ」のレシピは、下記のページで見ることができます。
・Life, Love and Lobster on Tuesdays - Ezard
『ワイフ・プロジェクト』(「The Rosie Project」)の著者シムシオン氏が参考にしたという、「Contemporary Australian Food」というレシピ本の作者ティーグ・イザード(Teage Ezard)氏のホームページ上で「The Rosie Project」の本と一緒に紹介されています。
「Life, Love and Lobster on Tuesdays」という見出しがオシャレですよね。
「人生、愛、そしてロブスターを火曜日に」って感じかな?「Life」「Love」「Lobster」、全部「L」から始まってるの、気が付きました?
<関連記事>
・『ワイフ・プロジェクト』(「The Rosie Project」) - MOONIE'S TEA ROOM
グラム・シムシオン著『ワイフ・プロジェクト』に関する記事です。
<参考サイト>
・持続可能な漁業の推進 - WWFジャパン
WWFのサイト。海の水産資源について、また現在の問題点についてとても分かりやすいです。日本の状況についても書かれています。
・МSCについて - WWFジャパン
・ASCについて - WWFジャパン
もう一つの海のエコラベル「ASC」について書かれています。いわば、「養殖版 海のエコラベル」。養殖の水産物消費量も多い日本ですから、こちらの活動も大切になってきますね。
・海のエコラベル - Wikipedia
・「食卓から海を守る」 - 日本生協連
日本生協連のMSCに関する取り組み紹介ページ。なかなか詳しく説明されています。
・トップバリュ MSC認証 - AEON
AEONのMSC認証の紹介ページ。
<追記>
今年、日本沿岸のカツオが記録的な不漁なんだそうです。海水温が低いことのほかに、黒潮の源流・太平洋中西部の海域での巻き網漁による漁獲量の急増も原因ではないかと言われています。
一年中安価のカツオがスーパーに並び、「○○県産」でなく「太平洋産」というものがたくさん出回っていたのに、自分が何も考えずに買っていたことを反省しました。
どこの海で獲れたカツオなのか、どこの国の船が獲ったカツオなのか、どんな漁法で獲ったカツオなのか。
海のエコラベル付きのカツオが増えるといいですね。
「シーフードは大丈夫よ。サステナブルであれば」
「サステナブル(sustainable・サステイナブル)」は「持続可能な」という意味。環境保護の用語として聞いたことがあるのではないでしょうか。
ただ、ここで言っているのは「シーフード」。「水産物・魚介類」のこと。
「持続可能なシーフード(sustainable seafood)」という意識はまだまだ日本人には馴染みがないものですが、魚をたくさん食べる日本人にこそ必要かもしれません。
「持続可能な」という言葉は、「将来にわたって利用・維持することができる・未来でも続けることができる」ということ。
「持続可能な水産物(sustainable seafood)」と言ったら、狭義では「将来にわたって利用することができる水産物」の意味ですが、広義では「過剰漁獲や水産資源の枯渇を防ぐために、海洋の生態系を守りながら行う漁業でとれた水産物」という意味も含んでいます。
ロージーのセリフを「シーフードは大丈夫よ。生態系を傷つけないものであれば」と言い換えたら意思が伝わるでしょうか。
このセリフでロージーのキャラクターが分かるような気がしますよね。環境問題にも関心があって、自分の考えをきちんと伝えられる女性……、ちょっと手ごわそうでしょ?
これは「海のエコラベル」=「MSCエコラベル」です。持続可能な漁業(海の環境・生態系を壊さずに将来も漁業や水産物加工業を続けることができるように配慮された漁業)で獲られていることを示す認証ラベルです。
(写真はドイツのスーパーで買った加工食品のパッケージに印刷されていたもの)
「持続可能な漁業(sustainable fishing)」は「海の恵みを守る漁業」。
欧米では、広く普及している考え方のようです。スーパーでもよく見かけますし、ケンタッキーやマクドナルドのような有名企業も配慮しているそうです。
このマークを認証している「MSC(Marine Stewardship Council)(海洋管理協議会)」は、海の環境と資源を持続可能にするための取り組みをしている非営利団体。イギリスに本部がありますが、日本にも事務所があり、世界中で「海の恵みを守る漁業」を提唱しています。
・MSCの活動 - MSC(海洋管理協議会)
ドイツではツナ缶にもスモークサーモンにも「MSCエコラベル」が付いていましたが、まだまだ日本のスーパーではあまり見かけないようです。それでも、イオンや生協などで取り扱いが始まったようなので、今後広まっていくかな?
「京都府機船底曳網漁業連合会のズワイガニ、アカガレイ漁業」「北海道漁業協同組合連合会のホタテガイ漁業」もMSC認証を取得しているそうです。
漁業資源の乱獲、とくに近隣の海の違法な操業は日本にとっても大きな問題になっています。アジア中で、世界中で、「海の恵みを守る漁業」という考えが広まることは日本にも有益なはず。
近隣諸国はもちろん、世界の国々と一緒に考えていきたい課題ですね。
『ワイフ・プロジェクト』でドンが作る「持続可能なシーフード」のメニュー・「ロブスターとマンゴーとアボカドのサラダ」のレシピは、下記のページで見ることができます。
・Life, Love and Lobster on Tuesdays - Ezard
『ワイフ・プロジェクト』(「The Rosie Project」)の著者シムシオン氏が参考にしたという、「Contemporary Australian Food」というレシピ本の作者ティーグ・イザード(Teage Ezard)氏のホームページ上で「The Rosie Project」の本と一緒に紹介されています。
「Life, Love and Lobster on Tuesdays」という見出しがオシャレですよね。
「人生、愛、そしてロブスターを火曜日に」って感じかな?「Life」「Love」「Lobster」、全部「L」から始まってるの、気が付きました?
<関連記事>
・『ワイフ・プロジェクト』(「The Rosie Project」) - MOONIE'S TEA ROOM
グラム・シムシオン著『ワイフ・プロジェクト』に関する記事です。
<参考サイト>
・持続可能な漁業の推進 - WWFジャパン
WWFのサイト。海の水産資源について、また現在の問題点についてとても分かりやすいです。日本の状況についても書かれています。
・МSCについて - WWFジャパン
・ASCについて - WWFジャパン
もう一つの海のエコラベル「ASC」について書かれています。いわば、「養殖版 海のエコラベル」。養殖の水産物消費量も多い日本ですから、こちらの活動も大切になってきますね。
・海のエコラベル - Wikipedia
・「食卓から海を守る」 - 日本生協連
日本生協連のMSCに関する取り組み紹介ページ。なかなか詳しく説明されています。
・トップバリュ MSC認証 - AEON
AEONのMSC認証の紹介ページ。
<追記>
今年、日本沿岸のカツオが記録的な不漁なんだそうです。海水温が低いことのほかに、黒潮の源流・太平洋中西部の海域での巻き網漁による漁獲量の急増も原因ではないかと言われています。
一年中安価のカツオがスーパーに並び、「○○県産」でなく「太平洋産」というものがたくさん出回っていたのに、自分が何も考えずに買っていたことを反省しました。
どこの海で獲れたカツオなのか、どこの国の船が獲ったカツオなのか、どんな漁法で獲ったカツオなのか。
海のエコラベル付きのカツオが増えるといいですね。