~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

田島征三さん

2011-05-28 23:17:15 | 日記
今日は田島征三さんのお話を聴きに行きました。

田島さんの展覧会は、20代の頃から事あるごとに行っていました。

そんなことを人に言うと、「田島さんのファン?追っかけ?」と

言われますが、どれもピンときません。

田島さんの作品は、私のとってもっと深いところにあるのです。

息子を生まれて初めて展覧会に連れて行ったのも、田島征三さんの

個展でした。

その時、田島さんの作品と一緒に展示してあった、信楽の

知的障害者の作った土鈴が気に入り買ってきました。

今、その土鈴は息子の祭壇に置いてあります。

2001年に息子が亡くなり、2003年の田島さんの伊豆高原の個展に

私は初心者マークを3つも付けて、死ぬ思いで行ったのです。

その展覧会は、それまでの田島さんのものとは全く違う、

気が遠くなるほどの木の実を使った作品でした。

驚きと共に、元気をもらいました。

今日の田島さんのお話は、やはりあの大震災のことから始まり

ました。

田島さんは、深い深い胸の痛みを「砂の墓標」という作品に

したそうです。

「僕はボランティアにも行けないし…」と、その思いを作品に

したそうです。

誰もが、あの震災に胸の痛みを感じ、どうしたらいいのだろうと

思っていたのですね。

田島さんの「砂の墓標」は3月14日には出来あがっていたそうです。

きっと作品を創ることが、田島さんの祈りだったのでは

ないでしょうか…

今日は懇親会まで参加させてもらいました。

「地球の木」というところの主催でしたが、その会の活動を

全く知らない私を、本当に快く迎入れてくれました。

この心は初女先生の講演会にも!と思いました。

自己紹介の時、田島さんの震災の話しが心に響いたので、

思わず、初女先生が「死ねない」と言ったことを言ってしまい

ました。

帰る時、田島さんに「息子を亡くした後、伊豆高原の展覧会に

行って、木の実の作品を観て本当に元気をもらったんです。

木の実のいのちと作品が私に元気をくれて、生きて行こうと

思えたんです。」と言って、息子の祭壇にある土鈴のことを

話すと、「あれ創った人、きのこ採りに行って山の中で寝ちゃって

亡くなったんだよ」と…

あの土鈴を喜んだ息子も亡くなり、作った人も亡くなっていたのか

と思うと、生とか死とか関係のない繋がりを感じました。

別れ際、田島さんに握手をしようと手を差し出したら、ハグして

くれました。

田島さんの気持ちが、すごく温かく有難く私の心に伝わってきました。

「さよなら」のかわりに「元気でいて下さいねー」と言うと

いたずらっ子のように笑いながら「死んでられなーい」と

言って私を見送って下さいました。

子供達が小さい頃から、田島さんの絵本をどれほど読んだか…

この出会いも息子からのプレゼントでしょうか…

何だか、すべてが繋がっていると思えた、今日と言う日でした。





コメント
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