~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

いのちが教えてくれたこと

2014-04-12 14:36:53 | 日記
昨日の朝、突然の訃報が飛び込んできました。

職場の若きイケメン君です。

彼は、1年半近く病気療養で、作業所には来られなくなっていました。

治療方法が確立してなく、進行が早い病気なので、いつかは

こんな日が来るかと思ってましたが…

それにしても早すぎました。

3月末に22歳になったばかりだというのに…

彼から学んだ大切なことは、私は一生忘れないと思います。

養護学校を卒業し、うちの作業所に来た時、パソコンに

向かい、毎月の予定表を作ってくれていました。

作業所のメイン商品であるメモ帳の表紙を、ステンシルで

独特の淡い色使いで、静かに作っていた彼の姿が目に

浮かびます。

その彼が、病気の為自分の意志で動かせるところを

どんどん奪われて行き、1年以上口から水分も入れることが

出来なくなりました。

でも、たまにお見舞いに行くとテレビのお料理番組がついて

いるのです。

食べられないのに、お料理番組なんてどうして?と

思っていましたが、昨日おばあちゃんが、「あの子は

食べられないのに、お料理番組を観て食べた気になって

いたんですよ」と話してくれました。

お母さんは「何も食べてなかったのに、胃潰瘍になって

いたんですよ。ストレスからなのね…」と言ってました。

そういう中で、自分の運命を受け入れ、

いのち一杯生き切ったのです。

同じ病気で亡くなったお兄さんの誕生日に召されたと、

お母さんからお聞きし、お兄さんが「もう苦しまなくて

いいよ。」と、お迎えに来たんだなと、思いました。

安らかな深い眠りについているような、穏やかな顔でした。

22歳に彼の倍以上も生きている私ですが、魂年齢は彼とは

比べものにならない程、低い自分を感じました。

生きるとは長さではない。

何をしたかでもなく、存在そのものなのだと教えてくれた

彼の「生」であり「死」でした。

彼は、初めて持った大きな筆で、素晴らしい作品を書いて

くれました。

彼の死を、書の先生のお伝えした時「書はその人そのもの」

というお言葉が返ってきました。

柔らかい温かい線の彼の「書」は、本当に彼そのものを

感じさせてくれます。

「いのち一杯生き切った貴方のいのちを、受け取り

私の中で生かしていきたい…

貴方に出会えたことに心からの感謝です。

すべての不自由から解放され、自由に羽ばたいて下さいね。

有り難う 有り難う!
コメント
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