~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

いつも いつでも やさしくて…

2014-08-24 22:43:24 | 日記

        く も

空が青いから白をえらんだのです

 

このたった1行の詩を目にした時、私の心に衝撃が

走りました。

この詩を書いたのは、少年です。

奈良少年刑務所に入所している少年です。

この詩に添えられていた文章には

「今年でお母さんの7回忌です。お母さんは病院で

『つらいことがあったら、空を見て。

そこに私いるから』とぼくに言ってくれました。それが

最後の言葉でした。お父さんは体の弱いお母さんを

いつも殴っていた。ぼく、小さかったから、何も

できなくて…」

何いう感性の詩でしょう

奈良少年刑務所詩集の中おさめられている詩は

眩しいほどの素直さが感じられます。

こういう詩を生みだす少年たちが、なぜ刑務所に

来るような罪を犯してしまったのか…

少年たちの未来が、明るく輝いたものに

なることを祈りながら、この詩集を読んでいます。

 

          ゆめ

     ぼくのゆめ…………

 

         生きる

    苦しいこと   楽しいこと

    悲しいこと   生きること

    生きることは  活きること

 

     いつも いつでも やさしくて

  ぼくが泣いて帰ってきたときも 

  怪我をして帰ってきたときも

    いつも いつでも やさしくて

 ぼくが初めてウルセーって言ったときも

 初めて学校で問題を起こした時も

   いつも いつでも やさしくて

 ぼくが落ち込んでいるときも 反抗した時も

   いつも いつでも やさしくて

 そんなやさしい母さんだから

 ぼくもやさしくしようっていう気持ちになる

 でも ぼくのなかには「俺」がいて

 そんな「俺」は時々 なにかに当たりちらして

 ブツかって生きたかったんだ  でも

    あなたは いつも いつでも やさしくて

 だから本気で ブツかれなくて

 だから本気で わがまま言えなくて

 だから本気で さびしくて

 やさしさで包んでくれる母の愛

 ぼくはしあわせだけど

 その「愛」が「やさしさ」が

 ぼくのなかの「俺」を不自由にする

 「俺」を母さんのまえで自由にして

 本気でて手足をバタバタさせたい

 いつも いつでも

 でも 少しでも母さんに迷惑かけたくないんだ

 そう そのやさしさの前では

    いつも いつでも やさしくて

           (奈良少年刑務所詩集より)

    

 

 

 

 

コメント (2)
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