指談の講習会で田口ランディさんにお会いしたので
「ランディさん、人生次々来るよ~」と、弱音を
吐いたら、温泉に入っているときに「何があったの
嬉しいこと?」「そんな訳ないじゃん」
「じゃあオノマトペで言ってみて」
「え~、ランディさんは?」「私はキラキラキラ」
キラキラというランディさんの後で、ガ~ンとは
言えず、温泉に浸かりながら話す話じゃないけれど
ざっくり話して「凹んでる」と言うと
「そりゃあ、凹むわ」と…
翌朝、指談の先生と海に行って、石を積みました。
波の音を聴きながら、心の中で石に問いかけながら
積んでいくのです。
時間も忘れ無心で積んでいたら、あっという間に
1時間が経っていました。
先生に「朝ご飯を食べに行かなくちゃ」と言われ
我に返ったのです。
この感覚、以前も体験したよな~と思ったら
そうそう、書を習い始めた時に中国の古典の
「造像記」の臨書をしていて「一」が書けず
ずーっと「一」を書いていたら、ある時先生に
「山崎さん、もう他の字を書いたら」と言われ
気がついたら、一年近く「一」だけを書いて
いたのです。
石積みもずーっとやっていそうな気がしました。
石を積んでいるとき、「私、凹むけど凹まない」
って思えたのです。
ランディさんに、「凹むけど、凹まない」って
言ったら、ランディさんが大きな声で「ね!!」
「今朝、夫と直さんのこと話していたんだよ。
直さんは後ろ向きで、ガンガン前に進んで行くって」
ランディさんの言っていることが、分からなかった
けれど、何だか当たっているような気がして…
帰る時に「ランディさん、私うしろ向きで前に
進んで行くよ」と、笑顔でハイタッチをして
別れました。
電車に乗って一人になったら、ランディさんが
言っていたことが分かったのです。
私は、落ち込んで立ち上がるのを待つんじゃ
なくて、落ち込んだまま前に進んで行くって
いうことだって…
確かに、そうやって生きて来た気がします。
じっと立ち上がるのを待って、それから前に
歩き出すんじゃなくて、凹んだまま兎に角
前に進んでしまう、気が付いたら立ち上がっていた
このパターンで困難を乗り越えて来たかな~
田口ランディという作家の、人を見る目の
鋭さを感じました。
そして、うしろ向きでガンガン前進している
自分が何だか滑稽で笑えました。
人生、困難も笑い飛ばして生きられたら
最強!って思えました。
ランディさん、今の私オノマトペにすると
ガガガガ~ンです~
うしろ向きで、進んで行くよ…