吉本ばななさんの「海のふた」を読み終えました。
何か特別なドラマがあるわけじゃないのに、
読み終えたら涙が溢れて来ました。
人の心の中にある優しさが、水に輝く光のように
キラキラ散りばめれているようで…
ばななさんの文章を読んでいると
こういう優しさが、人の心の中に宿っている
ことが信じられるのです。
人間をどこまでも信じている人だからかな
『私たちは人間だから、すごい力を持っているのだ
誰かがかき消そうとしても、無理やり均されそうに
なっても、どんなに押さえつけられても絶対に
なくならない、そういう力を。(吉本ばなな)』
人間って、そういう力を持っているんだ。
自分の中の力が弱くなっているのを感じるので
ばななさんの文章に励まされます
ばななさんは、きっと母性溢れる人なんだ
ろうな~
海のふたは、挿絵にボクネンさんの版画が使われて
います。
出版社の社長のブルース・ベイリーさんが
「よしもとさんと睦稔(ぼくねん)さんの
本を創りたい」と言われて生まれた本だそうです。
タイトルは、原マスミさんの「海のふた」の曲から
来ているようです。
皆が響きあって出来た本なんですね。
「夏のおわりの海水浴 だれが さいごに海から
上がったの
さいごの人が海のふた しめずに
そのまま帰っちゃたから ずっとあれから
海のふた あいたままだよ…
(原マスミ 海のふた)