にんげんが 自分の顔をささえている
その棒は 案外に
もろすぎるものだ
金や銀の色を塗って
いかにも丈夫そうに見せているのだが
中はからっぽで ほんとうは
舞台の劇で使う偽物なんだよ
ああ 大切な人生のテーマを
書いた看板の縁を飾る薔薇の花が
ため息をついて教えている
嘘はおやめ
みな見抜いている
ああ にんげんが 支えている
重い石のような自分が
ほんとうは舞台用の
道化の仮面だと言うことに
いつ気付くのだい 君は
本当の君は
ジーザス・クライストのように
木に釘打たれて
ドライアードに抱かれて
ゆっくりと木に血を吸われているのだ
たましいを煮込む涙のスープの中で
ゆったりと温泉気分で
まどろみながら言っているのだ 君は
ああ 酒を 酒をもう一杯