世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

十億匹の猿

2012-10-06 06:43:08 | 詩集・貝の琴

十億匹の猿が
神様の蔵から
ブルーベリーの実を一個盗んだ
そしてそれを銀行にもっていったら
なんと金貨で山ができたってさ

うれしくってうれしくって
猿はどうしたと思う
金の飛行機を作って
それで空を飛んだのさ
世界中を回って
珍しい宝をたくさん買いたいんだってさ

でも飛行場のちかくまで飛んできて
さて猿はふと気がついた
この飛行機 どうやったら降りるんだい?
猿はお互いの顔を見合わせていったものさ
え? え? え?
誰も知らないのかい? 誰も知らないのかい?

降りられなくて困った猿の飛行機は
空の上でぐるぐる回ってる
どうしよう どうしよう
このままでは燃料がきれて
飛行機が落ちてしまう
だれか 思いきって
飛行機をおろしてくれるものはいないか
金ならいくらでもあるから
飛行機を下ろしてくれ
でも猿はおどおどするばかりで
何もしない 何もできない

下から見てた人は言ったものさ
やあ 金の飛行機が飛んでいる
大きいね ぴかぴかだね うそみたいだ
何で降りて来ないのかね



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