アシメックは腕の先のしびれを感じながら、いつもより派手に手足を動かし、舞った。途中で、一瞬意識が飛ぶことがあった。空が見え、はるかに遠いところに鷲を見たような気がしたが、それは幻影であったかもしれない。
楽が終わり、最後の所作を終えると、アシメックは岩のように広場の真ん中にうずくまり、しばらく動けなかった。足がいうことを聞かない。神よ、と彼は心の中で叫んだ。するとその次の瞬間、体が動いた。
まるで誰かが自分を動かしているかのように、アシメックは飛び上がるように立ち上がった。そしてはやし立てているみんなに手を振って挨拶しながら、下がった。
人の輪の外に出ると、目眩が落ちてきた。だが倒れてはならない。走り寄ってきたソミナを見ながら、彼は自分を律した。一瞬腰が下がった。だが再び立てた。
そんな彼の様子を、シュコックが離れたところから凍りつくような目でみていた。